特売フイギュアワゴンの中に手を入れたら、人生変わるので注意してください。

木mori

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第三章

第七話

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(支配人が審判?天使よりの判定をしそうなんだけど。)

「さっきジャッジとか言ってなかったっけ?あたいにはそう聞こえたけど。」

「ジャージすると言ったんじゃ。つまり、これ。」
園児服を脱ぐとそこには純白で清楚なワンピースの水着があった。フリルがすこぶるかわいい。胸には手書きの『ちゃみゅえる』というゼッケンが縫い付けてある。

(三輪車なんて、文明の利器を使うなんて悪魔的インチキじゃない!)

「そうだよ!三輪車なんてスーパーカーだ。スピード違反じゃすまないぞ。三輪車は大量破壊兵器だ!」

「ふたりとも大人げないですわ。」

「(まだ子供だ!)」
初めてハモった楡浬と委員長。

「たしかに、胸はコドモですけど!」

「(それは違う!)」

「構わないですわ。所詮体格差も大きいし、魔法を使うわけでもありませんわ。ガチの体力勝負なら負けませんわ。」

「よし、よかろう。お主を負かせてメイドにでもしてやるからな。それでは徒競走の舞台はこれじゃ。」
大悟たちが知らない間に、スキーのジャンプ台のようなものがグラウンドに設置されていた。

(まさかとは思うけど、この急斜面を走って登る、というのではないわよね?)

「そのまさかじゃ。悪魔、天使には羽根がついておるじゃろう。まっすぐに走る意味などないわ。」

(でももし途中で落ちたらどうなるのよ?)

「転落して打ちどころがわるければ、徒競走で敗退し、人生にピリオドを打つ可能性もあるじゃろう。」

(なんて、悪魔的な!)

「そら。クラウチングスタイルをとれ!よ~い、ドン!いくのだ~!」
三輪車とは思えない猛スピードでスイスイ斜面を登っていく三輪車支配人教師。

「もうあそこまでいってるぜ。って、こっちは、ロッククライミング状態だからな。はあはあはあはあ。」

「それはオレも同じですわ。これを走るとか無理ですわ。羽根で落ちないようにバランスを取るのが精一杯ですわ。」
ふたりは羽根を破れかけの団扇のように激しく揺らしながら、かろうじて前進ならぬ上昇している。
現時点で大悟と委員長は並んでいた。互いに相手の胸に視線をあびせかけている。

「悪魔め。水着からビミョーにはみ出る貧乳は、あたいに圧倒的に列後するそのまんまの貧乳だけど、形がスゴくキレイだ、あたいのよりもか?いやそんなことはあるまい。」

(委員長がアタシの胸をガン見してるわ。この厳しい状況下で、余裕綽々な表情をしてるわ。胸のボリュームはアタシが遥かに勝っているけど、自分の方が形的に優位に立ってると、アタシにいいたげなフンイキだわ。)
委員長に余裕はないのだが、他人の芝は青く見える症候群の楡浬であった。
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