特売フイギュアワゴンの中に手を入れたら、人生変わるので注意してください。

木mori

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エピローグ

その1

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【エピローグ(仮)】
 楡浬は瞳を閉じて腕組みをし、しばし沈思黙考していた。
 数分後、カッと目を見開いた。

(違うじゃない!どう考えてもラスボスは生徒会長じゃないの!)

「ちッ。気づきましたか。楡浬の小さな大脳ならばそこまで思考が届くことはないと思っていましたが。もういろいろやるのが面倒になってきてましたので。恨み、憎しみも時間が解決することが多いですから。」

(何言ってるのよ。そもそも、大悟をフィギュアにした相手もわかっていないのよ。その犯人もここまでの展開からして、生徒会長なんでしょ?)

「そうでしたわね。オレもこの体に馴染んでしまって、すっかり忘れてましたわ。たしかにこのままではなんとなくマズいような気がしないでもないですわ。」

(なんとなくじゃないでしょ!アタシも体を取り返したいんだから。いつまでもこのキモいフィギュアのままでは嫌なんだからねっ。)

「フィギュアに戻るのはオレも嫌ですわ。」

(大悟は元の体に戻ることを考えなさいよ!覆水盆に返らずだわ。)

「それでは原状復帰が不可能という意味になりますわ。」

「痴話ゲンカはそれぐらいでよろしくて。あくびが出ますわ。不毛な議論と禿には毛は生えてきませんわよ。」

(人工増毛会社に謝りなさいよ。大悟、行くわよ!)
 大悟は両手を前に出して、ファイティングポーズを取った。とりあえずやる気を出したのは間違いないようである。

「飛んでくる火の粉は払うしかありませんわね。じゃあ、穂扶良。お願いしますわよ。」

「お嬢様。それはいけません。相手の戦いたいターゲットはお嬢様なのですから。メイドは据え膳を出すだけの役割、食べられるのはお嬢様です。その方がお嬢様もウレシイはずです。苦苦苦四十苦。」

「食べられる?・・・はあはあはあ。食べてほしいですわ。身も心もめちゃくちゃにしてくださいまし!」

(大悟。やっぱりこんなヤツを相手にするは遠慮しとくわ。)

「その方がいいですわ。オレが言いたかったのはこのことです。攻撃しても相手を喜ばせるだけですから。蛇は生殺しするのがいちばんですわ。」

「はあはあはあ。早くワタクシをいたぶってくださいまし~。」

「嫌ですわ。触れるだけで病気が移りますわ。生徒会長は他人に触れることがない場所に隔離する必要がありますわ。焚書坑儒の対象とすべきですわ。」

「フン、ションベン?・・・ぶっかけうどんにしてくださいまし!」

(もはや、これは一般的なヘンタイレベルを超越してるわ。燃えないゴミだわ。夢の島へ捨てるしかないわね。ミニアニメのED曲だわ。)

「楡浬。その発言はマズいですわ。たしかに不要なモノのカテゴリーですけど。利用価値は多角的に判断する必要がありますわ。不思議発見は想定外のところにあるものですから。」
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