魔法少女はダンプカー運転手?

木mori

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第一章

第三十四部分

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『ガキガキ。』「きゃあきゃあ。」
普段とは少々異なるわざとらしい奇声をあげながら、ヴァーティ、高原ともに真ん中にからだを寄せている。
『ハアハア。』「はあはあ。」
ふたりは側頭部を中央の五竜に寄せてきて、五竜は狭苦しさに眉間にシワ状態である。
「おいおい、さっきまでは山登りの坂道だったが、もうフラットに近いぞ。からだが傾くのは遠心力に反してないか?」
「ハ、ハイデス。」「そ、そうね。」
五竜にくっついたふたりは、赤くなって、背筋を真っ直ぐにした。

山の中腹で車を停めると、そこはかなり削られて山肌が露出している砕石場だった。
高原の眼が輝いているように見えた。
「さあ作業開始デス。これを被ってくださいデス。きっとお似合いデス。」
ヴァーティは黄色いヘルメットと黒いツナギを渡された。ヘルメットの側面と、ツナギの背中には黒馬建設(株)と印字されている。
高原も同じヘルメットを被った。
他にも作業員の格好をしたマスクガールが何人もいる。
「いったい何をさせられるの?この格好じゃ、エロいことではないわね。」
「するか!それとも、してほしいのか?」
「まあ。」
ヴァーティは目を閉じて頬を赤く染め上げた。
「バ、バカなことを言うな。これは仕事だ!」
『ガチガチ。』
興奮する五竜の隣で、高原のマスクが唸っていた。
「あたし、まさかの作業員扱いなの?」
「扱いではなく、作業員だ。」

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