進芸の巨人は逆境に勝ちます!

木mori

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第一章

第二十三部分

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「人間サイズに戻すということか。それはかなり難しいことじゃ。」
「さっきの話からすると、まさかの肉体改造、いや改造人間にでもするってこと?」
「うむ、そういうことじゃ。」
「いやだあ~!そんなの、こわいよ、痛いの、いやだよ!」
「冗談じゃ。」
「ホント?」
「半分は改造かもな。」
「やっぱり。」
「それほど危険なことはないぞ。この魔法工房では不可能ではないんじゃ。」
「いったいどんな風にするのよ。」
「それは手術が成功してから説明しよう。」
「やっぱり手術なんて言ってるし、危険なことじゃないの?」
「いやならやらないことじゃ。その代わり、巨人軍のままという未来の見えない現実を受け入れてもらうことになるがの。」
「ムムム。」
美散は腕組みをして、しばし沈思黙考した。

10分後、美散は瞑想したまま、首を縦に振った。
「よし、その覚悟、確かに受け取ったぞ。」
老婆は何やら呪文を唱えながら、水晶玉にあるスイッチを押した。
「呪文なんか唱えて、やっぱり魔法使いなんだ?」
一瞬ときめいて、顔の下で両手を合わせた美散。
「これは呪文ではない。機械を動かすためのキーワードじゃ!」
老婆の言葉と同時に、美散は気を失った。

しばらくして、美散は気づいた。
「あれ?あたし、眠ってたのかな。でも何も変わってないような。特に胸とか、胸とか、胸とか。」
「その部位は永遠に変わることはあるまい。」
「いきなりあたしの人生にピリオドを打とうとするんじゃないよ。あたしには、まだ青春というレッドカードがあるんだからね!」
「自分で自分に引導を渡したな。」
「そんな超些細なことより、あたしのからだに、どこか変化があるようには思えないんだけど。小さくなったのかどうか、大きさを測るものがないとわからないよ。」
「ちょっと、あんた」。
「あれ?誰かの声が聞こえるよ。空耳だね。野球の練習のし過ぎで、聴覚がおかしくなったのかな。」
「何、バカなことを言ってるのよ。まあ、そんなツラしてることは大肯定するけど。」
「バカ?空気からもバカにされてるの?あたしって、そこまでヒドい存在なのかな。あたしより、低い階級の存在が見当たらないよ。」
「自爆しないで、ここを見なさいよ。あんたの下よ、ずっと下。」
「あたしの足元に誰かいるの?もしかして小型の悪魔とか?」
美散は恐る恐る目線を下げて、そこにある物体にフォーカスした。
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