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第二章
第十八部分
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口元をきゅっと締めて、タカをくくる美散。
気を失っていた玲駆は解放され、美散から変わった智流美と一緒に船を出た。
ふたりの背中を見送るエロザが素手メガホンで声をかけた。
「言イ忘レテオリマシタガ、明日カラ毎日放課後ニ乗船シテクダサイ。ソレガ解放ノ条件デス。破ッタラ何ガ起コルカ、ワカリマセンカラ。」
「何か魂胆があるんだわ。でも従わないと、コワいことになりかねないわ。こうなったら、最終兵器を使うしかないわね。チラッ。」
智流美は玲駆をチラ見しながら、スカートをわずかにめくっていた。
「美散。いったい何を誘因しようとしているんだ?」
「べ、別に誘導尋問とかじゃないし。」
智流美としては最大限の自分の言うことを聞いて欲しいというアピールだったが、玲駆はしっかりとその意図を読み取ったようであった。
結局、三人で一緒に下校し、船に行くという形で、実質的に拘束された智流美と玲駆。
クイーンエロザべス号に乗船したあと、玲駆は別室に連れていかれて、エロザと智流美ふたりだけになった。
「チャント、言ウ通リニシテ下サッテ、良カッタデス。他人ニ自分ノ歩ク道ヲ作ラセルノハ、実ニ王様気分デショウ。」
「何言ってるのよ。それはエロザが勝手にやってることじゃない。」
「ソウデショウカ?オーホホホッ。」
エロザは殊の外ご機嫌である。
「エロザが彫り物背中をベッドルームに連れて行こうとしたら、アタシがバリケードになって、通センボして当選するんだから。」
選挙とは他の候補者の邪魔して蹴飛ばす仕事であることを智流美は知っていた?
「エロザをアタシが見張っておけば、彫り物背中に出だしできないんだから。」
「魔法人格サン。ドレイクはゲストルームニ置イテオキマス。代ワリニ、美散サンハ、ワタクシト一緒ニ来テクダサイ。」
「アタシを拘束して彫り物背中との距離を取ろうという魂胆だわね。ヤバいところまで透けてしまうエロい作戦だわ。」
「サア、魔法人格サンハ、ワタクシト共ニ、ベッドルームへ、ツレションシンチャン、デス。」
「どこの海賊版アニメなのよ!」
エロい発言を適当にかわして抗議する智流美。
しかし、これで玲駆の完全ガードができると智流美は内心ほくそ笑んだ。そんな智流美の心理を読めないのか、エロザの口元は緩んでいた。
気を失っていた玲駆は解放され、美散から変わった智流美と一緒に船を出た。
ふたりの背中を見送るエロザが素手メガホンで声をかけた。
「言イ忘レテオリマシタガ、明日カラ毎日放課後ニ乗船シテクダサイ。ソレガ解放ノ条件デス。破ッタラ何ガ起コルカ、ワカリマセンカラ。」
「何か魂胆があるんだわ。でも従わないと、コワいことになりかねないわ。こうなったら、最終兵器を使うしかないわね。チラッ。」
智流美は玲駆をチラ見しながら、スカートをわずかにめくっていた。
「美散。いったい何を誘因しようとしているんだ?」
「べ、別に誘導尋問とかじゃないし。」
智流美としては最大限の自分の言うことを聞いて欲しいというアピールだったが、玲駆はしっかりとその意図を読み取ったようであった。
結局、三人で一緒に下校し、船に行くという形で、実質的に拘束された智流美と玲駆。
クイーンエロザべス号に乗船したあと、玲駆は別室に連れていかれて、エロザと智流美ふたりだけになった。
「チャント、言ウ通リニシテ下サッテ、良カッタデス。他人ニ自分ノ歩ク道ヲ作ラセルノハ、実ニ王様気分デショウ。」
「何言ってるのよ。それはエロザが勝手にやってることじゃない。」
「ソウデショウカ?オーホホホッ。」
エロザは殊の外ご機嫌である。
「エロザが彫り物背中をベッドルームに連れて行こうとしたら、アタシがバリケードになって、通センボして当選するんだから。」
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「エロザをアタシが見張っておけば、彫り物背中に出だしできないんだから。」
「魔法人格サン。ドレイクはゲストルームニ置イテオキマス。代ワリニ、美散サンハ、ワタクシト一緒ニ来テクダサイ。」
「アタシを拘束して彫り物背中との距離を取ろうという魂胆だわね。ヤバいところまで透けてしまうエロい作戦だわ。」
「サア、魔法人格サンハ、ワタクシト共ニ、ベッドルームへ、ツレションシンチャン、デス。」
「どこの海賊版アニメなのよ!」
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しかし、これで玲駆の完全ガードができると智流美は内心ほくそ笑んだ。そんな智流美の心理を読めないのか、エロザの口元は緩んでいた。
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