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第5話『責められるNWS』
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同じ頃、民話の里では、オリーブが中心になって施したアースフォローアップのことで、リーダーたちが叱責を受けていた。
60代過ぎの男性ばかり三人が、よってたかって責める。
「緊迫した情勢はわかっているだろうに、なんであんな派手な真似をするんだ」
「呪界法信奉者だって間抜けじゃない。エネルギーの拮抗には双方とも神経を尖らせているんだ。あんな目立つ行為をすれば、やつらも色めき立つぞ」
「せめて森の中で施せばいいものを、遮るもののない林縁で施すとは。パラティヌスの人間は常識も知らんのか」
「NWSだか何だか知らんが、こんなことがもう一度あってみろ。童話の里に厳重抗議の上、謹慎してもらうぞ」
「修法者が17歳では、配慮も行き届かんだろうさ」
「平身低頭、頭を下げていれば付け上がって。これなら民話の里の手練れが1人で仕事したほうがマシだ」
際限なく続きそうな非難に、マルクが一言述べた。
「お言葉ですが、代表の力量をけなす発言はおやめください」
「なにーっ?!」
三人の老人たちが声を揃える。
マルクは怯まず言った。
「初めに、施したアースフォローアップは、代表の修法陣の力場を頼みにしたもので、呪界法信奉者には察知されなかったはずです。これが第一点。次に、アースフォローアップの真髄は、地力の底上げですから、炎樹の森は言うに及ばず植生遷移前の草本植物にも良い影響があります。これが第二点。さらに、林縁でアースフォローアップを試みたのは、呪界法信奉者に対して委縮するメンバーを鼓舞する意味がありました。失礼ながら、囲って閉じこもるだけのそちらのやり方では、抜本的な対策が打てないのでは? これが第三点です」
「言わせておけばーっ!」
「ホッホッホッホ」
それまで黙って聞いていた民話の里の長老、バリスネ・エターナリストが高らかに笑った。
「NWSの諸君、君たちの勝ちだ。民話の里には炎樹の森を闊歩できる生きのいい人材などありはしない。老兵がいくら常識を説いても始まらんわい。自分たちの実力を信じて、活力を吹き込んでもらいたい。それをこそ、儂らは長年待ち望んでいたんだからな」
「長老! よそ者を贔屓にするなら、儂らにも考えがありますぞ」
「よそ者、よそ者と退けていた結果がこれだ。炎樹の森は儂らに怨嗟を送ってきているではないか。かつてない危機に駆けつけてくれた彼らこそ唯一の希望だ。行き過ぎた批判は自分たちの首を絞めると知りなさい」
「フン、米つきバッタが」
「な!」
老人の一人が吐き捨てた悪口に、NWSが反応する。
三人は横柄に歩いていって、その場を去った。
「すまんな、君たち。みっともないところをお見せした。悪く思わんでやってくれ。森と同じく儂らも病んでおるんだ」
長老のすまながる言葉に、NWSも波立った神経を鎮める。
「こちらこそ、申し訳ありません。民話の里の事情を考えずに口答えしまして」
マルクが詫びると、長老は目を細めた。
「君は何という名前かね?」
「はい、マルク・アスペクターと申します」
「それくらいの矜持がなければ、100人からに人間はついてこんわい。よく言ってくれた、儂からも礼を言おう」
「いいえ、もう気にしてません」
「そうか、それならいいが。ところで、儂にできることはあるかね?」
「はい、明日までにNWSメンバーの顔写真付き名簿をお持ちしますので、民話の里への入場許可をいただきたいです。——トイレの問題を失念しておりまして、管理上、カエリウス内にいることが望ましいのです」
「わかった、警備の者に言伝よう」
「それと、今後備品購入などの手間が発生した場合、予算を割きますので里の方にお言付けください。今回はご厚意で防寒着を用意していただきましたが、そのための諸経費ですから」
「そうだな、そうしてくれ」
マルクと長老が交渉している間、リーダーたちは疲れを押して成り行きを見守っていた。
60代過ぎの男性ばかり三人が、よってたかって責める。
「緊迫した情勢はわかっているだろうに、なんであんな派手な真似をするんだ」
「呪界法信奉者だって間抜けじゃない。エネルギーの拮抗には双方とも神経を尖らせているんだ。あんな目立つ行為をすれば、やつらも色めき立つぞ」
「せめて森の中で施せばいいものを、遮るもののない林縁で施すとは。パラティヌスの人間は常識も知らんのか」
「NWSだか何だか知らんが、こんなことがもう一度あってみろ。童話の里に厳重抗議の上、謹慎してもらうぞ」
「修法者が17歳では、配慮も行き届かんだろうさ」
「平身低頭、頭を下げていれば付け上がって。これなら民話の里の手練れが1人で仕事したほうがマシだ」
際限なく続きそうな非難に、マルクが一言述べた。
「お言葉ですが、代表の力量をけなす発言はおやめください」
「なにーっ?!」
三人の老人たちが声を揃える。
マルクは怯まず言った。
「初めに、施したアースフォローアップは、代表の修法陣の力場を頼みにしたもので、呪界法信奉者には察知されなかったはずです。これが第一点。次に、アースフォローアップの真髄は、地力の底上げですから、炎樹の森は言うに及ばず植生遷移前の草本植物にも良い影響があります。これが第二点。さらに、林縁でアースフォローアップを試みたのは、呪界法信奉者に対して委縮するメンバーを鼓舞する意味がありました。失礼ながら、囲って閉じこもるだけのそちらのやり方では、抜本的な対策が打てないのでは? これが第三点です」
「言わせておけばーっ!」
「ホッホッホッホ」
それまで黙って聞いていた民話の里の長老、バリスネ・エターナリストが高らかに笑った。
「NWSの諸君、君たちの勝ちだ。民話の里には炎樹の森を闊歩できる生きのいい人材などありはしない。老兵がいくら常識を説いても始まらんわい。自分たちの実力を信じて、活力を吹き込んでもらいたい。それをこそ、儂らは長年待ち望んでいたんだからな」
「長老! よそ者を贔屓にするなら、儂らにも考えがありますぞ」
「よそ者、よそ者と退けていた結果がこれだ。炎樹の森は儂らに怨嗟を送ってきているではないか。かつてない危機に駆けつけてくれた彼らこそ唯一の希望だ。行き過ぎた批判は自分たちの首を絞めると知りなさい」
「フン、米つきバッタが」
「な!」
老人の一人が吐き捨てた悪口に、NWSが反応する。
三人は横柄に歩いていって、その場を去った。
「すまんな、君たち。みっともないところをお見せした。悪く思わんでやってくれ。森と同じく儂らも病んでおるんだ」
長老のすまながる言葉に、NWSも波立った神経を鎮める。
「こちらこそ、申し訳ありません。民話の里の事情を考えずに口答えしまして」
マルクが詫びると、長老は目を細めた。
「君は何という名前かね?」
「はい、マルク・アスペクターと申します」
「それくらいの矜持がなければ、100人からに人間はついてこんわい。よく言ってくれた、儂からも礼を言おう」
「いいえ、もう気にしてません」
「そうか、それならいいが。ところで、儂にできることはあるかね?」
「はい、明日までにNWSメンバーの顔写真付き名簿をお持ちしますので、民話の里への入場許可をいただきたいです。——トイレの問題を失念しておりまして、管理上、カエリウス内にいることが望ましいのです」
「わかった、警備の者に言伝よう」
「それと、今後備品購入などの手間が発生した場合、予算を割きますので里の方にお言付けください。今回はご厚意で防寒着を用意していただきましたが、そのための諸経費ですから」
「そうだな、そうしてくれ」
マルクと長老が交渉している間、リーダーたちは疲れを押して成り行きを見守っていた。
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