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第8話『本のご機嫌』
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「本当にいい天気ですね」
ルイスが傍らのランスに言う。
「ええ、本たちが虫干ししてもらいたがるのも無理ないですね」
本を運びながら、集会所の西側に向かう。
「なんか本が仲間に入れてもらいたがってるみたいですよね」
「きっとそうでしょう。私たちが生産修法にかかりきりだから、興味津々なんですよ」
そうこう言っているうちに、オリーブらのところに辿り着く。
楽しく談笑しているところに、ランスが声をかける。
「休憩ですか? もう小一時間経ちましたからね」
「あ、ランスさん。あとどのくらいあります?」
「5回も運べば全部だと思いますよ」
オリーブに聞かれてランスが答えると、ナタルとキーツが踵を返した。
「よし、運んでしまおう」
「そだね」
ランスとルイスが本をシートに下ろす。
シートは西側の日陰に広げてあって、涼しい風が通り抜けていた。
「ああ、いい風だ。本たちのこもった臭いが散っていきますよ」
ランスが言うと、ルイスがくんくんと鼻で嗅いだ。
「そよ風の妖精が手伝ってくれてるんですね」
ランスの生産修法を見せてもらって以来、すっかり妖精フリークのルイスだった。
「本の精がご機嫌を直してくれるといいんだけど……」
オリーブがすっかり気を取り直して言うと、ランスは笑った。
「ちっとも。とても楽しそうですよ」
「よかった! さっきは駄々こねて大変だったんですよ」
「オリーブさんに甘えてるんじゃないですか」
ルイスが言うと、オリーブは手を額にやった。
「甘えてた! 私は保母か」
「童話は子どものものですから、子どもに好かれる人だったら放っておかないですよ」
ランスがニコニコして言うと、オリーブは一冊手に取ってギュッと抱きしめた。
「そっか、甘えてたの。よしよし」
笑いながら、ランスとルイスがその場を離れる。
そうして男四人は本をすべて運び終えた。
ルイスが傍らのランスに言う。
「ええ、本たちが虫干ししてもらいたがるのも無理ないですね」
本を運びながら、集会所の西側に向かう。
「なんか本が仲間に入れてもらいたがってるみたいですよね」
「きっとそうでしょう。私たちが生産修法にかかりきりだから、興味津々なんですよ」
そうこう言っているうちに、オリーブらのところに辿り着く。
楽しく談笑しているところに、ランスが声をかける。
「休憩ですか? もう小一時間経ちましたからね」
「あ、ランスさん。あとどのくらいあります?」
「5回も運べば全部だと思いますよ」
オリーブに聞かれてランスが答えると、ナタルとキーツが踵を返した。
「よし、運んでしまおう」
「そだね」
ランスとルイスが本をシートに下ろす。
シートは西側の日陰に広げてあって、涼しい風が通り抜けていた。
「ああ、いい風だ。本たちのこもった臭いが散っていきますよ」
ランスが言うと、ルイスがくんくんと鼻で嗅いだ。
「そよ風の妖精が手伝ってくれてるんですね」
ランスの生産修法を見せてもらって以来、すっかり妖精フリークのルイスだった。
「本の精がご機嫌を直してくれるといいんだけど……」
オリーブがすっかり気を取り直して言うと、ランスは笑った。
「ちっとも。とても楽しそうですよ」
「よかった! さっきは駄々こねて大変だったんですよ」
「オリーブさんに甘えてるんじゃないですか」
ルイスが言うと、オリーブは手を額にやった。
「甘えてた! 私は保母か」
「童話は子どものものですから、子どもに好かれる人だったら放っておかないですよ」
ランスがニコニコして言うと、オリーブは一冊手に取ってギュッと抱きしめた。
「そっか、甘えてたの。よしよし」
笑いながら、ランスとルイスがその場を離れる。
そうして男四人は本をすべて運び終えた。
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