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第14話『ピカピカの心』
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「みんな、ノリヒトさんたちが稲刈りをしてみないか、って言ってくれてるんだがどうする?」
「行く――!!」
マルクの言葉に全員が唱和する。
「願ってもないチャンスだな。NWSからも参加者が続々出るぞ」
アロンが熱っぽく言えば、ナタルもはしゃいだ。
「最高だよ! 俺、なれるものなら農家に生まれたかったんだ」
「あら、初耳。でも、見かけだけは立派な農業人よ?」
オリーブが言うと、ナタルは破顔した。
「いやぁ、体力と足腰には自信があるよ。あとはなまっちろい肌を真っ黒にして、お日様の下で働けたら、もうそれだけで本望だ」
「なるほど、似合う」
「似合い過ぎる」
マルクとアロンが、麦わら帽子を被って、手ぬぐいを腰からさげて、真っ白な歯を見せて笑うナタルを想像した。手には黄金色の稲穂。
「見かけだけじゃダメだぜ。その本気度を見せてもらおうじゃないか」
「はいっ!」
トーマスの言葉に、背筋をしゃんと伸ばすナタル。
「いつ頃になりそうですか?」
ランスが尋ねると、ルイが答えた。
「そうだな……追熟させるから、宇宙の九月末ってとこだろ。なぁ?」
「おう、何人来るのか知らねぇが、どんと任せてけ」
ノリヒトが胸板をどんと叩いた。
「頼もしいなぁ」
キーツが尊敬すると、ノリヒトは心得て頷いた。
「お兄ちゃん、俺を大風呂敷だと思っちゃいけねぇぜ。こいつはお天道様が育ててくれたでっかいハートなんだ。こせこせ悪さしてるやつを引っ張り出して農業させてぇくらいさ。世界の大変革とやらで因果界に堕ちたやつらかき集めて、一丁やったるかってな勢いよ」
「すっげ」
言ったきり絶句するポール。しかしそれは因果界の新しい可能性が示されていた。
ノリヒトは手酌で酒を注いで言った。
「世界でテロを起こすようなやつらはな、どいつもこいつも労働で気持ちいい汗をかいたことがないんだと思うぜ。自由経済なんてものに踊らされて、他人が物に囲まれてんのが妬ましくなっちまったのよ。貧富の差ってやつだな。でもよ、神さんは平等だ。ねじけた心で不満をぶつけたって、応えてくれるわけがねぇ。心ん中のお日さんがが見えねぇんだからな。こいつは小っちゃい頃からピカピカに磨かねぇと、大人になって盲になる。運がいい悪いの話じゃねぇ。チャンスは同じくらいあったはずなのよ。自分がピカピカになるチャンスを逃してばっかりいるってわけだ。——可哀想じゃねぇか」
「……本当にそうです。たとえ負エネルギーが蓄積した災いの地でも、神の恵みから漏れることはありません。そんな土地でも黒雲を取り払えば上には青空が広がり、太陽が輝いています。神の恵みが届かないんじゃない。彼らの心に青空を映さない曇った鏡があるだけ。それだけの違いなんです」
ランスが心を振り絞るように言うと、ノリヒトがふと気づいた。
「あんたは神職かい?」
「はい、牧師をしています」
「うん、そんな感じだな。俺やあんたの言う、ピカピカの心や青空を映さない鏡の理屈が、大概の人間に通じねぇ。難しい時代だな。世界の大変革は人類の問題片付けるにゃ画期的だと思うが。——全体の問題にできねぇのは、なんつうか……寂しいな」
「はい……」
ノリヒトとランスは深いところで理解し合ったようだった。
「行く――!!」
マルクの言葉に全員が唱和する。
「願ってもないチャンスだな。NWSからも参加者が続々出るぞ」
アロンが熱っぽく言えば、ナタルもはしゃいだ。
「最高だよ! 俺、なれるものなら農家に生まれたかったんだ」
「あら、初耳。でも、見かけだけは立派な農業人よ?」
オリーブが言うと、ナタルは破顔した。
「いやぁ、体力と足腰には自信があるよ。あとはなまっちろい肌を真っ黒にして、お日様の下で働けたら、もうそれだけで本望だ」
「なるほど、似合う」
「似合い過ぎる」
マルクとアロンが、麦わら帽子を被って、手ぬぐいを腰からさげて、真っ白な歯を見せて笑うナタルを想像した。手には黄金色の稲穂。
「見かけだけじゃダメだぜ。その本気度を見せてもらおうじゃないか」
「はいっ!」
トーマスの言葉に、背筋をしゃんと伸ばすナタル。
「いつ頃になりそうですか?」
ランスが尋ねると、ルイが答えた。
「そうだな……追熟させるから、宇宙の九月末ってとこだろ。なぁ?」
「おう、何人来るのか知らねぇが、どんと任せてけ」
ノリヒトが胸板をどんと叩いた。
「頼もしいなぁ」
キーツが尊敬すると、ノリヒトは心得て頷いた。
「お兄ちゃん、俺を大風呂敷だと思っちゃいけねぇぜ。こいつはお天道様が育ててくれたでっかいハートなんだ。こせこせ悪さしてるやつを引っ張り出して農業させてぇくらいさ。世界の大変革とやらで因果界に堕ちたやつらかき集めて、一丁やったるかってな勢いよ」
「すっげ」
言ったきり絶句するポール。しかしそれは因果界の新しい可能性が示されていた。
ノリヒトは手酌で酒を注いで言った。
「世界でテロを起こすようなやつらはな、どいつもこいつも労働で気持ちいい汗をかいたことがないんだと思うぜ。自由経済なんてものに踊らされて、他人が物に囲まれてんのが妬ましくなっちまったのよ。貧富の差ってやつだな。でもよ、神さんは平等だ。ねじけた心で不満をぶつけたって、応えてくれるわけがねぇ。心ん中のお日さんがが見えねぇんだからな。こいつは小っちゃい頃からピカピカに磨かねぇと、大人になって盲になる。運がいい悪いの話じゃねぇ。チャンスは同じくらいあったはずなのよ。自分がピカピカになるチャンスを逃してばっかりいるってわけだ。——可哀想じゃねぇか」
「……本当にそうです。たとえ負エネルギーが蓄積した災いの地でも、神の恵みから漏れることはありません。そんな土地でも黒雲を取り払えば上には青空が広がり、太陽が輝いています。神の恵みが届かないんじゃない。彼らの心に青空を映さない曇った鏡があるだけ。それだけの違いなんです」
ランスが心を振り絞るように言うと、ノリヒトがふと気づいた。
「あんたは神職かい?」
「はい、牧師をしています」
「うん、そんな感じだな。俺やあんたの言う、ピカピカの心や青空を映さない鏡の理屈が、大概の人間に通じねぇ。難しい時代だな。世界の大変革は人類の問題片付けるにゃ画期的だと思うが。——全体の問題にできねぇのは、なんつうか……寂しいな」
「はい……」
ノリヒトとランスは深いところで理解し合ったようだった。
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