148 / 276
第15話『グロリアスポスタリティのフミナ』
しおりを挟む
「まぁまぁ、ここはいつ来ても賑やかなこと。皆さんご機嫌よう。陣中見舞いに伺いましたよ」
そこへ、グロリアスポスタリティのフミナ・アスペクターがやってきた。
「ご機嫌よう、フミナさん。ようこそいらっしゃいました。散らかってますがこちらにお座りください」
トゥーラの優雅な対応が、女性メンバーを憧れさせる。
「ありがとう。これ、差し入れですよ。パステルの巨峰ムース。女子だけね」
「わぁっ!」
歓声を上げる女性メンバー。そこで休憩を入れることにする。
思い思いにおしゃべりしながら、巨峰ムースに舌鼓を打つ。
風味豊かな巨峰のクラッシュゼリーとふんわりしたムース。上にはちょこんと金箔が乗っている。女子の目がハートになるデザートだ。
「フミナさん、神話の里のお仕事の進み具合はいかがですか?」
オリーブがにこやかに聞くと、フミナが頷いて話しだした。
「今朝、神話の里から荷物が届いたところですよ。あちらの位階者が夜なべして作った、綿の反物が一式。デザインも染色も任せてくれるというのでね、私たちはみんな大張り切りですよ」
「ミシンを使うんですよね、私もやってみたいです」
クリオが溜め息混じりに言うと、フミナは顔を輝かせた。
「あら、やってみる? 飛び入り大歓迎よ。デザインは若い女性にも協力してもらいたいから、こちらは願ったり叶ったり」
「いいんですか? でも、生産修法の仕事が……」
クリオが気にして言うと、オリーブが背中を押した。
「大丈夫じゃない? 作業はもう確立してるし、何人かは人数割いても。ねぇ、トゥーラ」
「そうね……メリハリをつけてシフト制にして、週2~3回というのはどうかしら」
「ありがとうございます!」
そこで女性メンバーに希望を募ると、22名の申し出があった。
「まぁまぁ嬉しいわ。若い子が針仕事に熱心になるのはいいことですよ」
フミナは手を揉みながら言った。
「では、フミナさん。ウチのメンバーがお世話になります」
オリーブが一礼すると、フミナはにこやかに礼を返した。
「はいはい、準備をしてお待ちしていますよ」
と、そう言ってフミナは本題に入った。
「ところでね、皆さん。折り入ってご相談なんですけれども」
「はい?」
「せっかく神話の里から自由に任せてもらったのでね。私たちが作る服には何かマークをデザインして、刺繍したいと考えているんですよ。できたら皆さんにアイディアをいただけたら、と思っているのだけど」
「わぁ、素敵! 夢がありますね」
クリオが手を打って嬉しがる。
「モチーフは何がいいかな? 見てて幸せになるのがいいよね。四つ葉のクローバーとか、ブルーバードとか」
パティがアイディアを捻り出す。
「パラティヌスの基本色は緑だけど……幸せの色っていったらピンクなのよね」
「シンボルは花ですけど……」
「ありきたりじゃない?」
「ですよね」
メグとミルラが思案に暮れる。
「……作った服を着ることになるカピトリヌスの難民の人たちは、結婚式すらまともにできない環境にあったでしょう? だから、新たな世界、虹球界での生活を祝福して、青い花を刺繍するというのはどうかしら」
トゥーラが神妙に意見を述べた。
そこへ、グロリアスポスタリティのフミナ・アスペクターがやってきた。
「ご機嫌よう、フミナさん。ようこそいらっしゃいました。散らかってますがこちらにお座りください」
トゥーラの優雅な対応が、女性メンバーを憧れさせる。
「ありがとう。これ、差し入れですよ。パステルの巨峰ムース。女子だけね」
「わぁっ!」
歓声を上げる女性メンバー。そこで休憩を入れることにする。
思い思いにおしゃべりしながら、巨峰ムースに舌鼓を打つ。
風味豊かな巨峰のクラッシュゼリーとふんわりしたムース。上にはちょこんと金箔が乗っている。女子の目がハートになるデザートだ。
「フミナさん、神話の里のお仕事の進み具合はいかがですか?」
オリーブがにこやかに聞くと、フミナが頷いて話しだした。
「今朝、神話の里から荷物が届いたところですよ。あちらの位階者が夜なべして作った、綿の反物が一式。デザインも染色も任せてくれるというのでね、私たちはみんな大張り切りですよ」
「ミシンを使うんですよね、私もやってみたいです」
クリオが溜め息混じりに言うと、フミナは顔を輝かせた。
「あら、やってみる? 飛び入り大歓迎よ。デザインは若い女性にも協力してもらいたいから、こちらは願ったり叶ったり」
「いいんですか? でも、生産修法の仕事が……」
クリオが気にして言うと、オリーブが背中を押した。
「大丈夫じゃない? 作業はもう確立してるし、何人かは人数割いても。ねぇ、トゥーラ」
「そうね……メリハリをつけてシフト制にして、週2~3回というのはどうかしら」
「ありがとうございます!」
そこで女性メンバーに希望を募ると、22名の申し出があった。
「まぁまぁ嬉しいわ。若い子が針仕事に熱心になるのはいいことですよ」
フミナは手を揉みながら言った。
「では、フミナさん。ウチのメンバーがお世話になります」
オリーブが一礼すると、フミナはにこやかに礼を返した。
「はいはい、準備をしてお待ちしていますよ」
と、そう言ってフミナは本題に入った。
「ところでね、皆さん。折り入ってご相談なんですけれども」
「はい?」
「せっかく神話の里から自由に任せてもらったのでね。私たちが作る服には何かマークをデザインして、刺繍したいと考えているんですよ。できたら皆さんにアイディアをいただけたら、と思っているのだけど」
「わぁ、素敵! 夢がありますね」
クリオが手を打って嬉しがる。
「モチーフは何がいいかな? 見てて幸せになるのがいいよね。四つ葉のクローバーとか、ブルーバードとか」
パティがアイディアを捻り出す。
「パラティヌスの基本色は緑だけど……幸せの色っていったらピンクなのよね」
「シンボルは花ですけど……」
「ありきたりじゃない?」
「ですよね」
メグとミルラが思案に暮れる。
「……作った服を着ることになるカピトリヌスの難民の人たちは、結婚式すらまともにできない環境にあったでしょう? だから、新たな世界、虹球界での生活を祝福して、青い花を刺繍するというのはどうかしら」
トゥーラが神妙に意見を述べた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
0
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる