パイオニアオブエイジ~NWSかく語りき〜

どん

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第19話『ランスの恋バナ』

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「そんな都合よくは……」
「ルイスさんだから言いますけど……私だって恋してますよ」
「ええっ⁈」
 それは長い付き合いで初耳だった。
 ランスの横顔を凝視すると、彼がその視線を受けてにっこり笑った。
「意外ですか?」
「えっと……失礼ですけど、ランスさんは恋愛に興味がないほど悟った人なのかと」
「フフッ、そんなことありませんよ。ましてや、リーダーの皆さんが次々と春を迎えているこの時ですから。私も本腰を入れようかと思っていたところです」
「はぁ……」
「どなたが好きなのかわかりますか?」
「いいえ……」
 皆目見当がつかなかった。
「アヤさんですよ」
「……ええーっ⁈」
 一瞬、フリーズしてから驚くルイス。
「同じ班ですし、人となりも掴めますからね。彼女は人との距離感が絶妙なんです。余計なことはしないけれど、必要なら手助けを惜しまない。大人の対処法を身につけた方です。物静かだけど、芯のある生き方ができているところが、私には心地よいのです」
「アヤさんはランスさんの想いを知ってるんですか?」
「知っています。班では片腕となって働いてもらっています。告白こそしていませんが、流れに任せている感じです。古風でしょ? そこがいいんです」
「しっ、知りませんでした」
 何しろ成熟している大人のランスのこと、まったくわからなかったのも無理はなかった。
「だから、アヤさんにハルニレさんのことで手伝ってもらいたかったんですよ」
「そっ、そうでしたか……気づかなくてすみません」
「謝るようなことじゃありませんよ。ただ、アヤさんがハルニレさんのことに気づいたのなら、具体的な動きがあると踏んでるんです」
「具体的な動きですか⁈ ちょっと待ってください、心の準備が……」
「彼女は余計なことはしないけれど、必要なら手助けは惜しまない、と言ったでしょう。もうおわかりかと思いますが、そういう状況を引き寄せることができる、ということです」
 そう、ランスの言う通り、それが因果界で強く働く仕組みだ。
 焦ってジュースを勢いよく飲むルイスを、微笑ましく見やるランス。
 キューピッド役として、この小さな恋を頓挫させるわけにはいかなかった。
「それからレベルアップの件ですが、生産修法だけ見ればルイスさんは私の技術に迫りつつありますよ」
「えっ?」
「——さっき、球が通常よりも大きくなったでしょう? あれはイメージが習熟してきている証です。焦っているのにあの状態になれるのなら、大地の精霊とのリンクはかなり容易になります」
「それはもしかして……」
「はい、妖精が大勢、力を貸してくれる日も近いということです」
「……!!」
  感動して声もないルイス。ランスは言った。
「つまり、ハルニレさんの存在は、ルイスさんによい影響を与えているという、何よりの証拠ですね」
「そ、そういうことになりますよね」
「おわかりになりましたか? 悪いことは何も起きていません。今、この時を一緒に楽しみましょう」
「——はい!」
















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