214 / 276
第21話『勢い』
しおりを挟む
「コンバスの女性はどう暮らしているんですか?」
リサの質問に、ドミンゴ店長は喜んで答えた。
「コンバスの女性は働き者です。政治は男性に任せきりにする代わりに、バラ農園から輸出品の開発まで何でも手掛けます。時には外国で自慢の褐色の肌を活かして、モデルもしています。結婚しても国に尽くします。彼女たちの働きに応えて、国の政策の柔軟に変わります。だから、女性は一生を通じて男性から尊敬されてるんですよ」
「へぇ……」
「童話の里にいる女性見て、私ちょっと考え変わった。一般の女性と比べて、同じように綺麗だけど、表情が生き生きしてる。コンバスの女性と通じるものあったね。豊かさの中にあっても、自分を見失わない。これはパラティヌスの女性のオリジナルだと思った。パティさんもリサさんも驚くほど美しい。きっとコンバスに行ってもやっていける。いつかコンバスに遊びに来てください」
「あらあら、私まで。ありがとうございます。いつか……恋人と訪ねていけたら、と思います」
リサがきっぱり言ったので、ドミンゴ店長はポーンと額を叩いた。
「ああ、そうでしたか! 是非恋人といらしてください。バラ料理は女性ホルモンに効くんですよ。男性の中の女性性も磨かれる。そして、香水つけてみてください。深く濃厚なバラの香りに包まれて眠れば、必ず男性を虜にできます」
「もう、エッチなんだから! でも、パティはシングルですよ。もちろんドミンゴさんがエスコートしてくださるんですよね」
「ちょっ、リサさん!」
パティは慌てたが、もう遅かった。ドミンゴ店長は左胸に右手を当てて言った。
「喜んでエスコートします。そして真っ先に家族に紹介しますね。みんな私にパラティヌスの恋人出来るの楽しみにしてます。パティさんなら……」
「いい加減にしてください!!」
パティが店に響き渡るほど声を荒げた。
「勝手に恋人にしないでください! ご馳走されたって、それとこれとは別です。なんで失恋したばっかりなのに、浸りたいのに、私の気持ちを無視するんですか? リサさんもリサさんです。酷いですよ! 失礼します」
パティはバッグを掴んでパッと身を翻すと、出口に突進していった。
他の客の好奇の視線にいたたまれず、ドミンゴ店長は頭を下げた。
リサは大して驚きもせず、ドミンゴ店長に言った。
「気にすることないですよ。あの子、気分屋なんです」
「夜の街に一人、飛び出して行ってしまいました……大丈夫でしょうか?」
「全然平気です。怒ったあの子に近づけるのは、無邪気な赤ん坊か聖人君子だけですから」
それは確信をもって真実だった。というか、ランスの一件で立証済みだ。
「いつ会えるかわからないから、つい焦って先を急いでしまいました。パティさん、失恋したばかりだったんですね。私のこと嫌いになったかもしれません」
打ちひしがれるドミンゴ店長にリサは優しかった。
「そんなことありませんよ。パティは男性から、こんなふうに迫られたことがないんです。気持ちがついてこなかっただけで、頭を冷やせばドミンゴさんのこと、絶対思い返すと思います」
「そうでしょうか……?」
「ええ、きっと」
リサはそう信じて疑わなかった。
リサの質問に、ドミンゴ店長は喜んで答えた。
「コンバスの女性は働き者です。政治は男性に任せきりにする代わりに、バラ農園から輸出品の開発まで何でも手掛けます。時には外国で自慢の褐色の肌を活かして、モデルもしています。結婚しても国に尽くします。彼女たちの働きに応えて、国の政策の柔軟に変わります。だから、女性は一生を通じて男性から尊敬されてるんですよ」
「へぇ……」
「童話の里にいる女性見て、私ちょっと考え変わった。一般の女性と比べて、同じように綺麗だけど、表情が生き生きしてる。コンバスの女性と通じるものあったね。豊かさの中にあっても、自分を見失わない。これはパラティヌスの女性のオリジナルだと思った。パティさんもリサさんも驚くほど美しい。きっとコンバスに行ってもやっていける。いつかコンバスに遊びに来てください」
「あらあら、私まで。ありがとうございます。いつか……恋人と訪ねていけたら、と思います」
リサがきっぱり言ったので、ドミンゴ店長はポーンと額を叩いた。
「ああ、そうでしたか! 是非恋人といらしてください。バラ料理は女性ホルモンに効くんですよ。男性の中の女性性も磨かれる。そして、香水つけてみてください。深く濃厚なバラの香りに包まれて眠れば、必ず男性を虜にできます」
「もう、エッチなんだから! でも、パティはシングルですよ。もちろんドミンゴさんがエスコートしてくださるんですよね」
「ちょっ、リサさん!」
パティは慌てたが、もう遅かった。ドミンゴ店長は左胸に右手を当てて言った。
「喜んでエスコートします。そして真っ先に家族に紹介しますね。みんな私にパラティヌスの恋人出来るの楽しみにしてます。パティさんなら……」
「いい加減にしてください!!」
パティが店に響き渡るほど声を荒げた。
「勝手に恋人にしないでください! ご馳走されたって、それとこれとは別です。なんで失恋したばっかりなのに、浸りたいのに、私の気持ちを無視するんですか? リサさんもリサさんです。酷いですよ! 失礼します」
パティはバッグを掴んでパッと身を翻すと、出口に突進していった。
他の客の好奇の視線にいたたまれず、ドミンゴ店長は頭を下げた。
リサは大して驚きもせず、ドミンゴ店長に言った。
「気にすることないですよ。あの子、気分屋なんです」
「夜の街に一人、飛び出して行ってしまいました……大丈夫でしょうか?」
「全然平気です。怒ったあの子に近づけるのは、無邪気な赤ん坊か聖人君子だけですから」
それは確信をもって真実だった。というか、ランスの一件で立証済みだ。
「いつ会えるかわからないから、つい焦って先を急いでしまいました。パティさん、失恋したばかりだったんですね。私のこと嫌いになったかもしれません」
打ちひしがれるドミンゴ店長にリサは優しかった。
「そんなことありませんよ。パティは男性から、こんなふうに迫られたことがないんです。気持ちがついてこなかっただけで、頭を冷やせばドミンゴさんのこと、絶対思い返すと思います」
「そうでしょうか……?」
「ええ、きっと」
リサはそう信じて疑わなかった。
0
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
幼馴染みの婚約者が「学生時代は愛する恋人と過ごさせてくれ」と言ってきたので、秒で婚約解消を宣言した令嬢の前世が、社畜のおっさんだった件。
灯乃
ファンタジー
子爵家の総領娘である令嬢の前に、巨乳美少女と腕を組んだ婚約者がやってきた。
曰く、「学生時代くらいは、心から愛する恋人と自由に過ごしたい。それくらい、黙って許容しろ」と。
婚約者を甘やかし過ぎていたことに気付いた彼女は、その場で婚約解消を宣言する。
前半はたぶん普通の令嬢もの、後半はおっさんコメディーです。
ショートざまぁ短編集
福嶋莉佳
恋愛
愛されない正妻。
名ばかりの婚約者。
そして、当然のように告げられる婚約破棄。
けれど――
彼女たちは、何も失っていなかった。
白い結婚、冷遇、誤解、切り捨て。
不当な扱いの先で、“正しく評価される側”に回った令嬢たちの逆転譚を集めた短編集。
虚弱体質?の脇役令嬢に転生したので、食事療法を始めました
たくわん
恋愛
「跡継ぎを産めない貴女とは結婚できない」婚約者である公爵嫡男アレクシスから、冷酷に告げられた婚約破棄。その場で新しい婚約者まで紹介される屈辱。病弱な侯爵令嬢セラフィーナは、社交界の哀れみと嘲笑の的となった。
王弟が愛した娘 —音に響く運命—
Aster22
恋愛
弟を探す旅の途中、身分を隠して村で薬師として生きていたセラは、
ハープの音に宿る才を、名も知らぬ貴族の青年――王弟レオに見初められる。
互いの立場を知らぬまま距離を縮めていく二人。
だが、ある事件をきっかけに、セラは彼の屋敷で侍女として働くことになり、
知らず知らずのうちに国を巻き込む陰謀へと引き寄せられていく。
人の生まれは変えられない。
それでも、何を望み、何を選ぶのかは、自分で決められる。
セラが守ろうとするものは、弟か、才か、それとも――
キャラ設定・世界観などはこちら
↓
https://kakuyomu.jp/my/news/822139840619212578
姉の婚約者と結婚しました。
黒蜜きな粉
恋愛
花嫁が結婚式の当日に逃亡した。
式場には両家の関係者だけではなく、すでに来賓がやってきている。
今さら式を中止にするとは言えない。
そうだ、花嫁の姉の代わりに妹を結婚させてしまえばいいじゃないか!
姉の代わりに辺境伯家に嫁がされることになったソフィア。
これも貴族として生まれてきた者の務めと割り切って嫁いだが、辺境伯はソフィアに興味を示さない。
それどころか指一本触れてこない。
「嫁いだ以上はなんとしても後継ぎを生まなければ!」
ソフィアは辺境伯に振りむいて貰おうと奮闘する。
2022/4/8
番外編完結
完 独身貴族を謳歌したい男爵令嬢は、女嫌い公爵さまと結婚する。
水鳥楓椛
恋愛
男爵令嬢オードリー・アイリーンはある日父が負った借金により、大好きな宝石だけでは食べていけなくなってしまった。そんな時、オードリーの前に現れたのは女嫌いと有名な公爵エドワード・アーデルハイトだった。愛する家族を借金苦から逃すため、オードリーは悪魔に嫁ぐ。結婚の先に待ち受けるのは不幸か幸せか。少なくとも、オードリーは自己中心的なエドワードが大嫌いだった………。
イラストは友人のしーなさんに描いていただきました!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる