パイオニアオブエイジ~NWSかく語りき〜

どん

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第24話『アロンの相談』

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 次はマルクにアロン、タイラーとオリーブの四人が休憩に入った。
 体力があり余っているタイラーたちは、バザーを見て回ることになり、マルクとアロンは男二人で湖岸のベンチで並んで座る。
「何かの冗談としか思えないよなぁ」
「誤解されたりして」
 軽口を叩きながら、マルクとアロンは笑い合った。
「稲刈りも終わったし、ランスさんたちの婚約発表も済んだし、後はキーツのデビューが年末に控えてるくらいで、大きいイベントはしばらくないな」
 マルクが一息に言って、ポットの麦茶を飲む。
「まぁね……でも、あっという間なんだろうな」
 アロンもポットでジャスミン茶を飲んで言った。
「ポールたちは目標があるから水面下で推し進めてるし、タイラーたちはオープンに付き合ってゆっくり定着させてるし、どっちもすぐに結婚とは言い出さないだろうしな」
「マルクはどうなんだよ?」
「別に変わったことはないよ。俺たちらしく淡々と付き合ってる。そうだな……ちょっとした変化なら、シンシアが妊娠したことかな」
「……えーっ⁈」
 仰天するアロン。なんだかんだ言って、一番進行している。
「そんなに驚かないでくれよ。ナタルを除けば、リーダーの中では付き合ってた期間が一番長いんだぜ」
「そ、そりゃそうだけどさ。とにかくおめでとう! って早くみんなにも教えろよ」
「それなんだが――ここだけの話にしてくれないか? まだ安定期に入ってないし、それでなくても彼女の両親からせっつかれてるんだ。俺が思うようじゃない時に、みんなに気を回していたら、さすがにパンクしかねない」
「あ、そうか……もどかしいなぁっ!」
「悪いな、アロン。君の方はどうなんだ? リサと付き合ってるんだろ」
「うん、まぁ」
「水くさいなぁ。話くらい聞くぜ?」
「……マルクだから言うんだが、リサのことで9班は一揉めあったろ?」
「うん」
「付き合うと言っても公にできないから、彼女には肩身の狭い思いをさせてる。もう早い段階で、ウチの女子にはビシッと言ってやろうと考えてるところだ」
「……それがいいかもな。内部分裂しても、その時はその時だよな」
「ああ、もうやってられないしな!」
「よく我慢したよ。稲刈りまで我慢してもらったんだ。今度は俺たちが手助けする番だよ」
「ありがとう、マルクにそう言ってもらえるならすぐにでも」
「うーん」
「マルク、やっぱり今すぐは困るか?」
「いや、そうじゃなくて。いっそのことリサと都合つけて旅行にでも行ったらいいんじゃないかと。既成事実があれば文句のぶつけようがないだろ」
「なるほどな……それなら候補地があるんだ」
 アロンは輝く瞳で湖面を遠く見やった。





















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