パイオニアオブエイジ~NWSかく語りき〜

どん

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第26話『オリーブ、からかう』

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 協力的な人々のおかげで、荷物の搬入は午後一時半には終了した。
「新婚さんなのに、荷物はこれだけかい?」
「これから増やすんですよー!」
「うんうん、それが楽しいんだよね」
「家具屋さんでクリアランスやってるお店、知りませんか?」
「ああ、それならアルティスタ街より、ここから東に二区画向こうのさくら通りを探すといいよ。かなり良心的だし、物もいいのを扱ってるから」
 こんな調子で老若男女問わず、あっという間に人だかりである。
 荷物を運んでくれた男性たちの家族が、こぞって役に立とうと、小さな子どもに至るまで荷を運んでくれた。
 ちょっとしたイベントの様相だ。
 一人になりたくても、させてくれない。という言葉の真実を目の当たりにして、タイラーは面食らった。
 あっという間に終わった荷物運び。
 二人だけでするよりも、ずっと価値のあるひとときだった。

 午後三時になって、最後の大荷物が到着した。
 キングサイズのベッド――。
 これで寝るのが夢だった、とタイラーが語った時、オリーブはすぐに賛成した。
 自分で作る、という選択肢もあるにはあったが――寝心地が微妙なのは困るね。というわけで、方々探し回った件の代物だった。
 艶々していてがっしりとした黒檀の落ち着いた風格。
 その辺のちゃちい家具など、及びもつかない最高級品である。
 嬉しげにベッドボードを撫でるタイラーを見たオリーブは、からかって一言。
「これに子どもがクレヨンでいたずら書きをしたらどうする?」
「……消せるクレヨンを買い与える」
「ジュースをこぼしたら?」
「シミ抜きの研究をする」
「ポンポン跳ねて、スプリングがイカれたら?」
「お尻ペンペンだ。ママもついでに」
「な、なんで⁈」
「自由に育てた責任を取ってもらうぞ」
「わかった、私の負け」
 オリーブが挙げた手を撃つフリをして、タイラーはオービット・アクシスの住所変更に取り掛かった。
 といっても、指紋認証とパスワードがあれば、五分で済む手続きだ。
 起動して間もなく、タイラーは以前住んでいたアパートから、メール便が届いているのに気づいた。
 開けてみると、手紙が届いてるとの知らせだった。
「どうしたの?」
「前のアパートに手紙が届いてるとさ。トラックを返すついでに、ちょっと取りに行ってくるよ」
 あれだけ徹底した詫び住まいに、手紙——?
 引っかかったオリーブだったが、まぁいいかとスルーしておいた。
「一人で大丈夫か?」
「全然平気。元々、私の荷物だもん。ただ、後でレイアウトに文句言わないでね」
「それは全面的に任せる。じゃあ行ってくる」
「行ってらっしゃーい!」
 行ってらっしゃい、か。
 タイラーはそう言われる幸せを十分噛みしめた。
















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