ラブホから出た直後一番会いたくない人物と出くわした俺の話

いぶぷろふぇ

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「チッ……クソったれ、当たり前だろ」

 今日何度目かのその舌打ちは、酷く甘味を帯びて感じた。
 ちゅっ、と啄むようにキスをされてから、手品のようなスピードで服を脱がされる。亮二の人差し指がシュッとネクタイを緩めたのをボーっと眺めていたが、ふと自分はもう素っ裸なんだと意識したら、途端に恥ずかしくなってきた。
 身を隠すためのものが何もなくなって、勃ったちんこが目立つのも恥ずかしい。ぎゅっとももの内側に力が入った。膝を擦り合わせるようにして隠そうとするが、どうにも股関節が固くて内股にはなれない。うーん。あ、体育座りになればいいのか。もぞもぞと体勢を変える。体育座りなんて学生の時以来かもしれない。
 最終的にぎゅっと膝を抱え込む様にして小さくまとまった。うん、勃起したチンコがちょっとうざいけど、亮二からも見えないだろうしなかなかいいな。

「慧」

 名前を呼ばれて顔を上げる。が、亮二と目線が合う前に両肩をつんと押されてバランスを崩す。膝を抱えていたせいで、出来損ないのおきあがりこぼしみたいにころんと後ろに倒れてしまった。

「おい、何すんだよ」

「くくっ、知ってるか?お前、今すごいエロい格好だぞ」

 えっ?ばっと勢いよく下半身を見る。体育座りをしていた俺は、膝を抱えたままで、それが後ろに倒れたってことは……。うわっ。

「バカッ!アホッ!変態ッ!!」

 咄嗟に、丸見えになっている己の尻を隠そうと手を伸ばすが、寸前で両手を取られてしまった。おまけに、足を支えていた手をいきなり外したもんだから、がばっと股関節が開いてしまう。慌てて閉じようとする、が手をとられると同時に割り込んできた亮二の体が邪魔でうまくいかない。
 恥ずかしくてガキみたいな悪口しか出てこない。亮二は、そんな俺をくつくつと笑うばっかりで、それもまた恥ずかしかった。

「変態で結構。どうせこれからもっとスゴイことするんだし、な」

「……バカ」
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