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本日2度目の更新です。
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「で、俺の愛しい慧くんはいつになったら機嫌を直してくれるんだ?」
「……亮二はさ、いつからそんなにキャラチェンジしたわけ?」
「ん?あぁ……俺の愛しい慧くんとすれ違わないためには、こうするのが一番だと学んだ」
こう、なんというか調子が狂う。亮二は今までは我慢してたんだと言わんばかりに、慧くんのここが好きだとか可愛いだとかエッチだとか言ってくる。ここまでされたら流石に俺だって、あぁ亮二の恋人だったわなんて思わざるを得ない。いや、まぁそこはいいんだけどさ、さっきから亮二のイメージがどんどん崩れていくんだけど。
……とりあえず亮二の好き好き攻撃から一回逃げるか。重く痛む腰とだるい足に無理矢理言う事を聞かせるようにして、ベッドから立ち上がった。亮二は相変わらず、ここでしょ、あそこもでしょと言いたい放題してるけど、放置だ放置。
「あ、年越しちゃった」
気づけばもうとっくに年が変わっていたらしい。何となくつけたテレビでは、年が明けてすぐのお馴染みのバラエティー番組が流れていた。まさかラブホテルで新年を迎えることになるとは……大丈夫かな、俺の今年一年。
「しまった」
「何が?」
何やらショックを受けている亮二を尻目に、次々とテレビのチャンネルを変えていく。こう、元日ならではのみんな一緒に夜更かししよう!といった雰囲気が、なんとなく好きだ。なんて思ってるうちに、ぼふっと勢いよく布団にのめり込むような音が聞こえて、振り向くと亮二が頭をベッドにぐりぐりとめり込ませていた。えっ?そんなにショック?もしかして、この番組嫌いだった?なんて慌てて駆け寄ると……
「折角の姫はじめを意識しないままに終えてしまった……!」
「っつ!」
危ない、思わずそのままの勢いで頭を叩きそうになった。とりあえず、伸ばしかけた手はしっかり引っ込めておいた。人を一瞬でも心配させておいて、いきなりなんてことを言いだすのか。ほんとにクールなイケメンキャラどこに置いてきたの?むっと睨みつけても、亮二はすっかり自分の世界に入っているようで気づきもしない。あぁ、うぅ、なんて言いながらイケメンが蹲る姿には、何とも言えないものを感じる。そうか、これが残念なイケメンというやつだったのか……
「あぁぁ!今年最初の!慧の愛らしい姿を!しっかりと目に焼き付けることが出来なかったなんて!俺の一年は一体どうなってしまうんだ!」
うん、どうもならないと思うよ?そんな意味を込めて、亮二の肩をぽんぽんと2回叩いた。亮二はそれでようやく俺がそばに立っていたことに気づいたのか、ばっと勢いよく顔を上げた。この、動きに躍動感が有り余ってるのどうにかならないかなぁ。ほんとに2回もセックスしといてよくここまで元気でいられるもんだ。
「いや、今からでも遅くないはずっ……!よし、やり直すぞ!慧、もう一回だ!」
ぜーったいに無理だ、俺はこんな風に夜更かししたいわけじゃない!という俺の主張が、すっかりスイッチの入った亮二に通用するわけもなく。
こうして、俺は改めて新年早々、ベッドに逆戻りする羽目になった。なんでこうなった。……でもまぁ、幸せだからいっか。
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これにて本編完結です。ここまで読んでいただきありがとうございました。
明日おまけと番外編を更新します。
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