*いにしえのコトノハ*6 おばあちゃんの勘違い

N&N

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「こらー、ダメよ。もうすぐご飯なんだから」

娘がお菓子を届かない位置まで上げると、それを取り戻そうと孫たちが足掻き出した。

「わー、いやだー。おみやげもらったのにー」

「かえしてー」

2人してわあわあ叫んでも娘は聞く耳を持たない。

食べ物じゃなくてキーホルダーやぬいぐるみにした方が良かったかと思ったが、やはり小さい子にはお菓子が喜ぶだろう。

現に今、こういう光景を見ると選択は間違っていなかったと安心できた。

渡すタイミングは間違った気はするけども。

「ちょっとこれ見てみてー」

泣きださんばかりの孫たちに、私は鞄からデジカメを取り出した。

電源を入れて、今日撮ってきた写真を映しだす。

パンプキン城を背景にベジタブルランドの門でおすまし顔の私。

写した写真を数枚画面に表示させると、次第に孫たちも静かになって覗き込んできた。

「ぱんぷきんじょうだー」

「ばぁばわらってるー」

「じいじもうつってる」

「そう。撮ってもらったのよ」

「へー」

孫たちは私からデジカメを奪うと、自由に写真を見始めた。

買ったばかりの頃は、おもちゃのように扱われるのでは、とひやひやしたが、そこはきちんと教育されているようで、あちこちボタンを押すことはあっても振り回すことはしないので、手に渡った後は自由にさせている。
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