いっぽ

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第2話

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昨日僕を苦しめていた頭痛は、一晩寝たらすっかり消えていた。

どうやら直射日光が照りつける中、長時間練習に励んでいたのが理由らしい。

そういえば大会間近で、いつもに比べて昨日は練習に身が入り過ぎたかもしれない。

でも昨日、女性がくれた飲料水で無理やり水分補給をした事もあってか、気持ちいいくらい頭がスッキリしている。

全てあの女性のおかげだ。

僕は昨日、自転車を駐輪場に置いたまま帰ってしまったので、最寄り駅まで徒歩で行くことになり、今日は少し早く家を出た。

するといつもより一本早い電車になってしまい、二十分早く学校に着いてしまった。

しかしクラスメイトの反応は、いつもと特に変わりはない。

ただある一人を除いては…。

「あー、フユキ。今日は早い!」

一際目立つ声を上げて僕の前の席に座ったのは、クラスメイトのコハル。

名前と合って、かなり小さい女の子だ。

170センチの僕と15センチほど差がある。

それもこうして座って話すと、全く気にならないのだが…。

「ね、何で今日はこんなに早いの?」

「…別に」

今日早く来た理由は昨日の出来事を話せばいい事だが、長々と説明するのが面倒だ。

それに昨日のぶざまな姿をわざわざ暴露するようなもの。

僕は黙っておく事にした。

「あ、ねぇ。胸ポケットに何入れてるの?」

コハルは僕のカッターシャツを指差しながら言う。

普段何も入っていない胸ポケットのふくらみが気になるのだろう。

僕は胸ポケットの中身を出して、机の上に置いた。
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