いっぽ

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第3話

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今日の一日は最悪だった。

コハルの事が原因というわけではないが、授業では先生に当てられるし、クラブでは平凡なミスをした。

その上、部室で頭をぶつけたし、駅のホームでうっかり階段を踏み外しそうになった。

さらに電車内は満員だ。

ツイていない。

早く家に帰りたい。

『ドアが閉まります』

聞きなれた車内アナウンス。

この声は確か二日前の、頭痛にうなされていた時に聞いた車掌の声だ。

乗った瞬間、そう思った。

普段何気なく見逃したり、聞き逃したりしていた事に注意を向けている自分がいる。

これもあの女性の影響だろうか。

そういえばあの女性、いつもは僕と同じ電車に乗っていると言っていた。

一昨日、昨日と乗り合わせていたら、もしかして今日も、なんて思ってしまう。

今日もし出会ったら、何の話をしよう?

昨日は女性の身の上話を聞かせてもらったから、次は僕の身の上話でもするのが妥当だろう。

しかし僕には話すネタがない。

あの女性のように想い人がいるわけではないし、逆に想われている立場だ。

その話でもしようか?

でも今日、僕がコハルとの話の途中で席を立ったせいか、関係が少し悪化したようだ。

今日はあれ以来、コハルが僕に話し掛けてくる事はなかった。

もしかしたら想いが冷めたのかもしれない。

そうすれば、僕に語れる話は何一つなくなる。
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