いっぽ

N&N

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第3話

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「気になる女の子がいれば、あげても構いませんよ。もっとも今の若い子は、花柄なんてあまり好みませんけどね」

確かに。

僕は失礼ながら、花柄なんておばさんが好む柄だと思っていた。

女性のエピソードを聞いてから、そんな事は思わなくなったけど。

「あなたにも、このハンカチがきっかけで起こる偶然に巡り合うといいですね」

「そのためには、またこの花に水分を与えなきゃいけませんね」

「あはは」

女性は声を上げて笑った。

笑顔は今までに何度も見たが、声を上げて笑ったのを見たのは初めてだ。

「そのハンカチにまつわるエピソードができたら、またいつか出会った時に聞かせて下さいね」

「今度はあなたが私にお話してくれる番ですよ」

「…はい」

その言葉を最後に、僕は女性と別れた。

明日になれば、女性はこの国を発ち、異国へと旅立つ。

想いを告白して、彼に一歩近づくために。

女性がそういう行動に踏み切る事ができたのは、僕の存在が関与していると言っていた。

この先僕にも他人への言動が、何かの偶然を引き起こす可能性があるのは確かだ。

女性の僕への言動が、偶然を引き起こしたように。

奇跡にまで至るかどうか、それはわからないけど。
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