いっぽ

N&N

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第4話

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掃除だけで二十分もかかってしまった。

今からコハルに十分間時間を使って、それからダッシュして電車に乗り込めば、一時間のズレだけで済むか?

そんな事を考えながら、教室に到着した。

「あれ?」

戻ってきた教室内には、コハルしかいない。

いつもなら教室内の掃除がまだ終わっていなかったり、残って話をしている女子がいたり、騒々しいはずなのに。

テスト前だからか?

いや、前回のテスト前もこんな事はなかった。

「コハル、一人か?」

「うん。フユキは掃除終わった?」

「うん」

僕はコハルに話し掛けながら近づく。

コハルは今朝と違って、おとなしい。

緊張しているようだった。

そういえばコハルと二人きりなんて事は、今までになかった。

常に教室や周りには誰かいたからだ。

コハルがいつもと違うのは、それが理由だろう。

「で、何?」

僕は早く家に帰りたい衝動で、急かすように言った。

するとコハルは僕の手を取り、握っていた拳を僕の手の上でパッと開いた。

手の上に何か載せられた。

見ると、ハンドボールの形をしたマスコットのような物が手の上に転がっていた。

「何だ?これ」

逆の手でマスコットを取り上げる。

ボールのてっぺんから出ている紐を持ち上げて、まじまじと見た。

コハルはそんな僕を見て、恥ずかしそうにしている。
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