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2.メリーバースデー
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さて、そんな茉とのデート(?)も終わり、翌日。
オレは朝から書店に出かけ、1時間ほどして家に帰ってきた。
「ただいまー」
誰か返事を返してくれるわけではないのに、オレは帰ってくる度いつも言ってしまう。
まぁたまにはそんな自分がかわいそうに思い、“おかえり”なんてつぶやいて一人二役をこなしてみるんだが。
今日はそんなことをする前に、兄キの部屋から聞こえてきた話し声が耳についた。
あれ?
冬休みに突入した今、午前中はクスミの家でアニメスペシャルを見ると言ってなかったか?
オレは兄キの部屋のドアが少し開いているのを見て、中を覗いてみた。
「兄キー、いるのか?」
ドアを開けると兄キはクスミと並んで座っていた。
2人揃ってテレビを見ている。
「あ、一真。帰ってたのか」
兄キはオレの気配に気づいて振り返った。
昨日はかなり驚かれたのに、今日は落ち着いている。
「あぁ、ただいま。テレビ見てるのか?」
「おお。お前も一緒に見るか?」
「いや、遠慮しとくよ」
何でクスミがいるのにあえてオレも巻き込もうとしているんだ。
オレ、邪魔者になっちゃうだろ。
「あ、あの、お邪魔してます」
クスミはオレと兄キの会話の隙をうまく狙って声をかけてきた。
「あぁ」
しかしここはオレの家でもないのにそんなことを言われると変な気分だ。
というか、このやり取り、軽くデジャヴなんだが。
「その、今見てる番組ってえぬえぬといっしょってやつだよな?冬休み中は放映時間が少し延びるっていう・・・」
「あぁ、そうだ。お前詳しいな」
兄キはわかってもらえて嬉しい的な表情をオレに見せる。
いや、詳しいも何も、兄キが言ったんだろうが。
「これ、クスミの家で見るって言ってなかった?」
「言ったよ」
「だよな?それで今朝一緒に家を出たんだよな?」
「あぁ、そうだ」
実は冬休みに入って兄キがクスミの家へ行くことがわかっていたから、オレは一緒に家を出たのだ。
兄キの両親は共働きだから家にはいないし、兄キも外出すればこの家はオレ1人になる。
それを避けるためにオレは本屋に出向くことにしたわけだが。
「それがどうしてこんな結果になってるんだ?」
クスミの家で見るはずだったテレビ番組。
ここで見ているなら、いちいち出かける必要はなかったじゃないか。
「そうだな。話せば長くなるから番組が終わるまでちょっと待ってくれ。あと数分だから」
「え?だったらもういいーーー」
「あ、ユノモトくん。番組最後のN占い始まりますよ」
「おっと、大変だ!」
「・・・・・・・・・」
2人はオレとの会話もそこそこに、再び番組に見入った。
正直オレはもうさっきの会話のやり取りの続きをするつもりはなく、この場を退散したかったのだが。
会話を途中で切られたゆえどうしたら良いかわからず、あと数分で終わるという番組をこの場で一緒に見届けることになった。
そして数分後。
「はぁ~、今日も満足な内容だったな」
背伸びをしながら兄キはご満悦の表情だ。
横でクスミもうなずいている。
今日も、と言っているが、冬休みバージョンは今日から始まったんじゃなかったか?
まぁどうでもいいが。
「で、クスミの家で見ていない理由は?」
「おわっ」
番組が終わったタイミングで話しかけると、兄キはオレの存在に驚いて体をビクッとさせた。
オレは朝から書店に出かけ、1時間ほどして家に帰ってきた。
「ただいまー」
誰か返事を返してくれるわけではないのに、オレは帰ってくる度いつも言ってしまう。
まぁたまにはそんな自分がかわいそうに思い、“おかえり”なんてつぶやいて一人二役をこなしてみるんだが。
今日はそんなことをする前に、兄キの部屋から聞こえてきた話し声が耳についた。
あれ?
冬休みに突入した今、午前中はクスミの家でアニメスペシャルを見ると言ってなかったか?
オレは兄キの部屋のドアが少し開いているのを見て、中を覗いてみた。
「兄キー、いるのか?」
ドアを開けると兄キはクスミと並んで座っていた。
2人揃ってテレビを見ている。
「あ、一真。帰ってたのか」
兄キはオレの気配に気づいて振り返った。
昨日はかなり驚かれたのに、今日は落ち着いている。
「あぁ、ただいま。テレビ見てるのか?」
「おお。お前も一緒に見るか?」
「いや、遠慮しとくよ」
何でクスミがいるのにあえてオレも巻き込もうとしているんだ。
オレ、邪魔者になっちゃうだろ。
「あ、あの、お邪魔してます」
クスミはオレと兄キの会話の隙をうまく狙って声をかけてきた。
「あぁ」
しかしここはオレの家でもないのにそんなことを言われると変な気分だ。
というか、このやり取り、軽くデジャヴなんだが。
「その、今見てる番組ってえぬえぬといっしょってやつだよな?冬休み中は放映時間が少し延びるっていう・・・」
「あぁ、そうだ。お前詳しいな」
兄キはわかってもらえて嬉しい的な表情をオレに見せる。
いや、詳しいも何も、兄キが言ったんだろうが。
「これ、クスミの家で見るって言ってなかった?」
「言ったよ」
「だよな?それで今朝一緒に家を出たんだよな?」
「あぁ、そうだ」
実は冬休みに入って兄キがクスミの家へ行くことがわかっていたから、オレは一緒に家を出たのだ。
兄キの両親は共働きだから家にはいないし、兄キも外出すればこの家はオレ1人になる。
それを避けるためにオレは本屋に出向くことにしたわけだが。
「それがどうしてこんな結果になってるんだ?」
クスミの家で見るはずだったテレビ番組。
ここで見ているなら、いちいち出かける必要はなかったじゃないか。
「そうだな。話せば長くなるから番組が終わるまでちょっと待ってくれ。あと数分だから」
「え?だったらもういいーーー」
「あ、ユノモトくん。番組最後のN占い始まりますよ」
「おっと、大変だ!」
「・・・・・・・・・」
2人はオレとの会話もそこそこに、再び番組に見入った。
正直オレはもうさっきの会話のやり取りの続きをするつもりはなく、この場を退散したかったのだが。
会話を途中で切られたゆえどうしたら良いかわからず、あと数分で終わるという番組をこの場で一緒に見届けることになった。
そして数分後。
「はぁ~、今日も満足な内容だったな」
背伸びをしながら兄キはご満悦の表情だ。
横でクスミもうなずいている。
今日も、と言っているが、冬休みバージョンは今日から始まったんじゃなかったか?
まぁどうでもいいが。
「で、クスミの家で見ていない理由は?」
「おわっ」
番組が終わったタイミングで話しかけると、兄キはオレの存在に驚いて体をビクッとさせた。
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