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6.魔の弁当箱
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「オレ小学校の時、ご飯の日に牛乳が付くの嫌だったけど、一真はそんなことなかったんだな」
「いやオレも嫌だよ。ご飯に牛乳は」
「何言ってんだ。今現に選んでるじゃないか」
「これは・・・その・・・成り行きだ」
くそう、こんなことになるならお茶を選んでおけば良かった。
米にはやっぱりお茶だろう。
少なくとも牛乳ではない。
しかし茉に会っていなければお茶にパンという変な組み合わせになる。
ええい、パンにも米にも合う飲み物はないのか。
「それ、メデューさんのですか?」
「え?」
メデューさん?
クスミは今後茉のことをメデューと呼ぶようだ。
「オムライス、メデューさんのですか?」
「あ・・・あぁそうだけど、よくわかったな」
「えぇ!?メデューサのオムライス!?」
オレがクスミの質問を肯定すると、間もなく兄キがでかい声で言葉をかぶせてきた。
「お前・・・やっぱり呪われたのか?」
「呪われた?」
「年末に話してただろ。メデューサのオムライス食べたらそれしか食べたくなくなる呪いにかかるって」
確かにそんな話をした。
というか、忘れっぽい兄キが何でそんなどうでもいいことは覚えているのか。
「言っておくがこれはくれと言って手に入れたものではない」
「奪ってきたのか?」
「奪ってもいない。むしろ奪われたのはオレの方だ。オレのパンを奪われて代わりにこれを渡された」
オレは先程のやりとりをかいつまんで話した。
さぞかしオレに同情してくれると思いきや、兄キは怒り出した。
「何だよ。じゃあパン買わなくて良かったじゃん」
「・・・結果的にはそうなるな」
別にあの時パンがなかったとしてもオムライスは手に入ったわけだし。
「お前、クスミっちにお金借りてパン買ったこと忘れてないだろうな?」
「忘れるわけないだろう。お金は明日返すつもりだ」
「使わなくていいお金を使ったんだからな?100%上乗せして返せよ」
「何でだよ!」
何で500円を借りて翌日1000円返さないといけないんだ。
闇金よりひどい。
しかもクスミが言っているわけじゃないし。
それにしても・・・。
「このオムライス、茉が作ったってよくわかったな」
オレはこれが茉からだと言う前に、クスミが勘づいたのが不思議でならなかった。
入っていた袋もポリ袋だったし、プラスチックの容器だったし、購買部にオムライスは置いていないが、普段から弁当持参のクスミはそこに寄り付かないからそんなことも知らないだろう。
オムライス自体も上にケチャップがかかっているだけの普通のものだったし、えぬたまなら皿の縁にケチャップがついているが、そういうものもこれにはない。
「そのポリ袋からメデューさんの香りが・・・」
「え?ポリ袋?」
突然何を言い出すのかと思いきや、クスミはポリ袋の香りが茉のものだと言い出した。
ポリ袋って単なる袋だろ?
そこから匂いがするってやばいじゃないか。
オレは不安に思いながら鼻にポリ袋を近づけた。
クンクン・・・何も感じない。
「何の匂いもしないんだが」
あらゆる角度から確認してみたが、特に気になる匂いはしなかった。
無臭だ。
「一真、鼻が悪いんじゃないか?」
「悪くないよ。鼻炎でもないし鼻風邪もひいてない。兄キは何かわかるのか?」
「いや、オレにはそもそもメデューサの匂いってやつがわからん」
「オレもわかんねーよ」
改めてポリ袋の匂いを嗅いでもわからない。
一体クスミはどんな匂いを感じ取っているんだ。
「いやオレも嫌だよ。ご飯に牛乳は」
「何言ってんだ。今現に選んでるじゃないか」
「これは・・・その・・・成り行きだ」
くそう、こんなことになるならお茶を選んでおけば良かった。
米にはやっぱりお茶だろう。
少なくとも牛乳ではない。
しかし茉に会っていなければお茶にパンという変な組み合わせになる。
ええい、パンにも米にも合う飲み物はないのか。
「それ、メデューさんのですか?」
「え?」
メデューさん?
クスミは今後茉のことをメデューと呼ぶようだ。
「オムライス、メデューさんのですか?」
「あ・・・あぁそうだけど、よくわかったな」
「えぇ!?メデューサのオムライス!?」
オレがクスミの質問を肯定すると、間もなく兄キがでかい声で言葉をかぶせてきた。
「お前・・・やっぱり呪われたのか?」
「呪われた?」
「年末に話してただろ。メデューサのオムライス食べたらそれしか食べたくなくなる呪いにかかるって」
確かにそんな話をした。
というか、忘れっぽい兄キが何でそんなどうでもいいことは覚えているのか。
「言っておくがこれはくれと言って手に入れたものではない」
「奪ってきたのか?」
「奪ってもいない。むしろ奪われたのはオレの方だ。オレのパンを奪われて代わりにこれを渡された」
オレは先程のやりとりをかいつまんで話した。
さぞかしオレに同情してくれると思いきや、兄キは怒り出した。
「何だよ。じゃあパン買わなくて良かったじゃん」
「・・・結果的にはそうなるな」
別にあの時パンがなかったとしてもオムライスは手に入ったわけだし。
「お前、クスミっちにお金借りてパン買ったこと忘れてないだろうな?」
「忘れるわけないだろう。お金は明日返すつもりだ」
「使わなくていいお金を使ったんだからな?100%上乗せして返せよ」
「何でだよ!」
何で500円を借りて翌日1000円返さないといけないんだ。
闇金よりひどい。
しかもクスミが言っているわけじゃないし。
それにしても・・・。
「このオムライス、茉が作ったってよくわかったな」
オレはこれが茉からだと言う前に、クスミが勘づいたのが不思議でならなかった。
入っていた袋もポリ袋だったし、プラスチックの容器だったし、購買部にオムライスは置いていないが、普段から弁当持参のクスミはそこに寄り付かないからそんなことも知らないだろう。
オムライス自体も上にケチャップがかかっているだけの普通のものだったし、えぬたまなら皿の縁にケチャップがついているが、そういうものもこれにはない。
「そのポリ袋からメデューさんの香りが・・・」
「え?ポリ袋?」
突然何を言い出すのかと思いきや、クスミはポリ袋の香りが茉のものだと言い出した。
ポリ袋って単なる袋だろ?
そこから匂いがするってやばいじゃないか。
オレは不安に思いながら鼻にポリ袋を近づけた。
クンクン・・・何も感じない。
「何の匂いもしないんだが」
あらゆる角度から確認してみたが、特に気になる匂いはしなかった。
無臭だ。
「一真、鼻が悪いんじゃないか?」
「悪くないよ。鼻炎でもないし鼻風邪もひいてない。兄キは何かわかるのか?」
「いや、オレにはそもそもメデューサの匂いってやつがわからん」
「オレもわかんねーよ」
改めてポリ袋の匂いを嗅いでもわからない。
一体クスミはどんな匂いを感じ取っているんだ。
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