未来スコープ・コンセプト絵本 ―みらいのたまごとカメのトト―

米田悠由

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はじめに

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この度は、『みらいのたまごとカメのトト』を手に取ってくださり、誠にありがとうございます。

本書は「未来スコープ・コンセプト絵本 シリーズ Vol.1」として、「未来スコープシリーズ」の思想をもとに構成された、絵本によるコンセプト表現作です。
シリーズ本編とは異なり、物語内に「未来スコープ」そのものは登場しませんが、その根底に流れる「未来とは何か?」「自分らしく生きる意味とは?」という問いを、温かい絵本の世界で描き出しました。

私たちは、つい子どもたちの未来に期待し、「こうなってほしい」という理想や「普通であってほしい」という願いを、無意識のうちに伝えてしまうことがあります。
この絵本は、まさにその「外から与えられた未来」に一度は縛られてしまったカメ・トトの物語です。

のんびり屋のトトが森で見つけた「みらいのたまご」は、周囲の期待を背負った 理想の姿 を映し出します。トトはそれを目指して努力しますが、やがてたまごを失うという喪失を経験します。
しかし、それは絶望ではなく、「誰かに決められた未来」からの解放でした。

そして、片足のウサギ、話せないフクロウ、目の見えないモグラなど、さまざまな「違い」を持つ仲間たちとの出会いを通じて、トトは気づきを得ます。

「未来は、与えられるものじゃなくて、自分で築いていくもの。」

このメッセージは、子どもたちだけでなく、かつて「普通」になろうと苦しんだことのあるすべての大人たちにも通じる普遍的なテーマです。

この一冊が、お子さまが持つ個性やペースを肯定し、親子の間で「違いを力に変え、自分らしく生きること」について語り合う、温かなきっかけとなれば幸いです。

『みらいのたまごとカメのトト』が、お子さまの心に、自分で歩き出す勇気をそっと灯すことを願っております。
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