未来スコープ・コンセプト絵本 ―うその木とフクロウのホウホウ―

学校図書館向け推薦文

「伝えるって、うまく話すことじゃなくて、気持ちを選び取ること。」
──この一冊は、子どもたちに「ほんとうの気持ちを伝えること」の意味を問いかけます。

『うその木と フクロウのホウホウ』は、裁判官のホウホウと森の仲間たちが、嘘と沈黙の裏側に隠された「言葉の尊さ」を見つけていく物語です。

この絵本が描くのは、「嘘＝悪」という単純な判断ではなく、「誰かを守るための嘘」「伝えたいけど言えない気持ちを包む嘘」の奥にある、普遍的な優しさです。

言葉の不確かさと力強さ、そして「伝えようとする気持ち」の尊さをやさしく描きながら、読者の心に静かな問いを残します。

沈黙、強がり、涙、遠回りなど、さまざまな“伝え方の違い”を持つキャラクターたちが登場し、「違い」を力に変えていく姿を描写。読み聞かせを通して、発達特性や感情表現、コミュニケーションの違いなど、道徳の授業のきっかけにも活用できます。

“伝えようとする勇気”を、すべての子どもたちへ。学校図書館にぜひ置いていただきたい、心に残る一冊です。