未来スコープ・コンセプト絵本 ―うその木とフクロウのホウホウ―

米田悠由

文字の大きさ
29 / 34

付録2

しおりを挟む
テーマソング&サウンドスケッチ

1. テーマソング

タイトル:
「言葉の器(うつわ)」

テーマ: 
「嘘(うそ)」や「沈黙」が、実は「ほんとうの気持ち」を包むための器であったという物語全体の哲学を表現します。
言葉の力を恐れるホウホウの内省から始まり、仲間たちの勇気ある告白を経て、「言葉は誰かと繋がるための光である」という希望へと昇華します。

歌詞(フル構成:物語の起承転結を網羅)

(Aメロ:沈黙と内省)
 もりの まんなか ねじれた うその木 めを とじる フクロウ わたしは ホウホウ 「ほんとう」を いうと かれてしまうと だれかを まもるため ことばを とじた

(Bメロ:動物たちの嘘と恐れ) 
リッカは わらった きずを かくして ミナミは つよがる きもちを うらがおに きめつけた 裁き(さばき)を ただ おそれて ことばの かたちに みんな とらわれてた

(サビ:問いかけと本質の気づき) 
ちいさな ひかり うたう 木の精(せい)の声(こえ) 「やさしい嘘だけが みらいを そだてる」 嘘(うそ)と ほんとうの さかいめは どこかな そらを あおぐ わたしの 心(こころ)の なか

(Cメロ:語る勇気と告白)
 ふるえる くちばし 一歩を ふみだす 実(み)を かんだ 瞬間(しゅんかん) きもちが あふれる 沈黙(ちんもく)は おわった すべてを 受け入れて ネネの なみだが ことばに なった

(ラスサビ:解放と決意)
 もう おそれない ことばの 重(おも)さを 「ことばは こころの きもちの 器(うつわ)」 だれかの 心(こころ)に 根(ね)を はるように そっと 手渡(てわた)そう 未来(みらい)へ つながる 光(ひかり)

2. サウンドスケッチ

ジャンル: 
アンビエント・フォーク / ヒーリング・バラード

テンポ:
 BPM 70~95 非常に内省的でゆったりとしたテンポ(70-75)で始まり、サビでわずかに速度を上げ(80)、ラスサビで希望を込めて力強く、しかし穏やかに(95)広がる構成。

調性: 
物語序盤(Aメロ、Bメロ)はEマイナー。内省的で静かな緊張感を表現。 サビでGメジャーに転調し、木の精の登場と気づきによる解放感を示す。 ラスサビではCメジャーに転調し、希望と未来への穏やかな広がりを表現。

楽器構成:
    • リード楽器(ホウホウの感情):
        ◦ クラリネット/オーボエ(ホウホウの知的な孤独、沈黙の深さ)
        ◦ チェレスタ/ハープ(木の精の光、未来の実の幻想的な美しさ)
    • 伴奏・彩り(森と心の動き):
        ◦ アコースティックギター(全体を支える温かい音色。言葉を選ぶ際の静かな葛藤を刻むリズム)
        ◦ ヴィオラ/チェロ(動物たちの隠された感情の深さ、共感)
        ◦ ピアノ(水の流れや涙のような、静かな感情の表現)
    • クライマックス:
        ◦ ストリングス(ラスサビで静かに加わり、森全体に広がる共鳴と希望を表現)
        ◦ パーカッション(非常に控えめなブラシ、指パッチンなど)が、緊張と解放の瞬間を強調する。
        ◦ 鉄琴(未来の実が芽吹く音)
          
ボーカル演出:
    • Aメロは静かな語り口。ホウホウの孤独と、言葉への恐れを表現するため、息の多い、囁くようなトーン。
    • サビ(木の精の声)は、透明感のある女性ボーカル(またはコーラス)が入り、神聖な問いかけのように響かせる。
    • Cメロはホウホウの決意を表し、力強さを増すが、大声ではなく、聴く人に真摯に語りかけるトーン。
    • ラスサビは、すべてを受け入れた清々しい声質で、優しさと希望を込めて歌い切る。
      
音楽的キーワード: 
言葉の器/沈黙の深さ/木の精の問いかけ/涙と解放/メジャーへの転調/共鳴するストリングス/光としての言葉
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

未来スコープ・コンセプト絵本 ―みらいのたまごとカメのトト―

米田悠由
絵本
「ちゃんと ふつうに しなさい!」 ──どうして ぼくは みんなみたいに できないんだろう…… 森の奥で、のんびり屋のカメ・トトは「みらいのたまご」を見つけます。 そのたまごには、見えた未来 がほんとうになる不思議な力がありました。 トトは、たまごに映る立派な姿を なりたい自分 だと信じて、努力を始めます。 でも、仲間たちとの出会いを通して、少しずつ問いが生まれます。 ──それは、ほんとうにぼくが望む未来なのかな? やがて、たまごは失われ、未来も見えなくなります。 けれどその喪失の中で、トトは気づきます。 「未来は、見えるものじゃなくて、歩きながらつくっていくもの」 誰かに決められた 普通 ではなく、自分のペースで、自分らしく生きることを選んだトト。 違いを抱えた仲間たちとの出会いが、トトの心をほどき、再び歩き出す力をくれました。 挫折と再生、多様性と希望を描いた、すべての 選び直したい人 にそっと寄り添う絵本です。

未来スコープ・コンセプト絵本 ―リスのリッカと ことばの森のちず―

米田悠由
絵本
「この森の言葉を集めて、辞書を作ろう!」 ミナ の こころ に とどく コトバ が、きっと ある はず だ…… 森の奥で、リスのリッカは言葉を失ったキツネに出会います。 その静かな姿に、リッカは問いかけます。 ──言葉って、どこから来るの? ──どうすれば、誰かの心に届くの? リッカは、言葉を探す旅に出ます。 森の仲間たちとの出会いを通して、「ふれる」「まぜる」「ひらく」「こぼれる」「つなぐ」といった、心の奥に芽吹くような言葉に出会っていきます。 そして、リッカはその言葉を一冊の「森の辞書」にまとめていきます。 それは、誰かの気持ちに寄り添い、未来の誰かに手渡すための、ことばの地図。 「言葉って、こころの芽みたい。育てるには、光と水と、やさしさがいるんだ。」 違いを受け入れ、気持ちをつなぐ力を育む── 言葉に悩む子どもたち、そして言葉を育てたいすべての大人たちへ。 この絵本は、言葉を集め、育て、未来へ手渡す旅を描いた、静かで美しい一冊です。

リョコちゃんと海の守り神。  【トランザニヤ物語SS】

楓 隆寿
絵本
   異世界冒険譚【トランザニヤ物語】のSS   ノビの大活躍――いくら丼の奇跡【トランザニヤ物語SS】から派生した物語。  *あらすじ*  リリゴパノアの料理人ノビ。彼の従魔である小鳥・リョコは、氷の王国からの新たな依頼に同行する。    それは「リュウグウノートの故郷へ行き、海の神に感謝を伝える」というものだった。  リョコの祖父はかつて、海に落ちたときに巨大なアンモナイトに助けられ、魚の神と出会ったことがある。  祖父の物語を胸に、リョコは勇気を出して荒波の海へ飛び込み、再びアンモナイトに導かれて神のもとへたどり着く。  神の前でノビは極北の魚介と氷稲を使った料理をふるまい、その味は神の魂を温めた。  魚の神はノビに「海の恵みの象徴」である輝く宝玉を授け、彼の料理人としての道を祝福する。  勇気を出したリョコと、感謝を料理で示したノビ。  二人の絆はより深まり、夜の海には魚たちの舞と満月の光が広がっていった。  #リョコちゃんの恩返し  Xにて動画配信中 *AIイラスト

にょっきりおやつ

弓削光希
絵本
ウサギさんとネコさんとアルパカさんがおやつをたべているよ。 でもね、なんだかようすがおかしいの。 これからなにがおきるとおもう?

たったひとつの願いごと

りおん雑貨店
絵本
銀河のはてで、世界を見守っている少年がおりました。 その少年が幸せにならないと、世界は冬のままでした。 少年たちのことが大好きないきものたちの、たったひとつの願いごと。 それは…

神ちゃま

吉高雅己
絵本
☆神ちゃま☆は どんな願いも 叶えることができる 神の力を失っていた

合言葉はサンタクロース~小さな街の小さな奇跡

辻堂安古市
絵本
一人の少女が募金箱に入れた小さな善意が、次々と人から人へと繋がっていきます。 仕事仲間、家族、孤独な老人、そして子供たち。手渡された優しさは街中に広がり、いつしか一つの合言葉が生まれました。 雪の降る寒い街で、人々の心に温かな奇跡が降り積もっていく、優しさの連鎖の物語です。

ボクはスライム

バナナ男さん
絵本
こんな感じだったら楽しいなと書いてみたので載せてみましたઽ( ´ω`)ઽ 凄く簡単に読める仕様でサクッと読めますのでよかったら暇つぶしに読んでみて下さいませ〜・:*。・:*三( ⊃'ω')⊃

処理中です...