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あとがき
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『うその木と フクロウのホウホウ』を読んでくださった皆様へ
この度は、『うその木と フクロウのホウホウ』を最後までお読みくださり、心より感謝申し上げます。
フクロウのホウホウと森の動物たちが辿った「言葉の旅」に、静かに見守り、お付き合いいただけたこと、大変嬉しく思っております。
本作は、「未来スコープ・コンセプト絵本 シリーズVol.2」として、「伝えるとは何か?」というシリーズの根幹にある問いを、絵本というやさしいかたちで表現した作品です。
この物語で私が最も深く描きたかったのは、「ほんとうの気持ちを伝えようとする、その気持ちの尊さ」です。
森の広場に立つ「うその木」は、「ほんとうの気持ちを包んだ“やさしい嘘”」でしか育たない不思議な木でした。
沈黙を選んだホウホウ、強がったミナミ、言葉を失ったネネ……彼らの行動は、決して「悪いこと」ではありません。
誰かを守るため、自分を守るために言葉を選び、ときに「嘘」という名の器に本心を包み込む——それは、誰もが持つ優しさの証です。
「ほんとうのことを言う」よりも、「ほんとうの気持ちを伝えようとすること」の方が、ずっと難しくて、ずっと大切。
このメッセージが、お子さまの「伝えたいけど言えない」もどかしさに、そっと寄り添う余白となることを願っています。
執筆にあたっては、「嘘とほんとうの境界線」という哲学的なテーマを、子どもたちにも伝わるように寓話として成立させることに最も苦心しました。
特に、ネネの「言葉にならない涙」と、その涙によって木に実が芽吹く場面、そして最終的にネネが「本当のことを言ったら木が枯れてしまう」と発話する結末は、言葉の代償と力を同時に描くための、物語の核となりました。
ホウホウの沈黙は、裁きではなく「言葉の力への恐れ」であり、その沈黙を破り「好きです」と告白する瞬間に、この物語の希望をすべて込めました。言葉は、未来を裁く道具ではなく、誰かの心に橋をかける「器」なのだという信念が、この物語を完成させてくれました。
この絵本が、子どもにも大人にも、「伝え方の違いは、心の深さの違いではない」「自分の言葉の選び方を大切にしていい」というメッセージとして届いていたら、これ以上の喜びはありません。
そして、もしこの物語が、言葉に迷う誰かの“伝えようとする勇気”のきっかけになれたなら、それは作者としての願いが叶った瞬間です。
最後に、改めて読者の皆さまに感謝を込めて。
次の作品でも、また新たな旅をご一緒できることを願っています。
それではまた、物語の森でお会いしましょう。
2025年10月 米田悠由
この度は、『うその木と フクロウのホウホウ』を最後までお読みくださり、心より感謝申し上げます。
フクロウのホウホウと森の動物たちが辿った「言葉の旅」に、静かに見守り、お付き合いいただけたこと、大変嬉しく思っております。
本作は、「未来スコープ・コンセプト絵本 シリーズVol.2」として、「伝えるとは何か?」というシリーズの根幹にある問いを、絵本というやさしいかたちで表現した作品です。
この物語で私が最も深く描きたかったのは、「ほんとうの気持ちを伝えようとする、その気持ちの尊さ」です。
森の広場に立つ「うその木」は、「ほんとうの気持ちを包んだ“やさしい嘘”」でしか育たない不思議な木でした。
沈黙を選んだホウホウ、強がったミナミ、言葉を失ったネネ……彼らの行動は、決して「悪いこと」ではありません。
誰かを守るため、自分を守るために言葉を選び、ときに「嘘」という名の器に本心を包み込む——それは、誰もが持つ優しさの証です。
「ほんとうのことを言う」よりも、「ほんとうの気持ちを伝えようとすること」の方が、ずっと難しくて、ずっと大切。
このメッセージが、お子さまの「伝えたいけど言えない」もどかしさに、そっと寄り添う余白となることを願っています。
執筆にあたっては、「嘘とほんとうの境界線」という哲学的なテーマを、子どもたちにも伝わるように寓話として成立させることに最も苦心しました。
特に、ネネの「言葉にならない涙」と、その涙によって木に実が芽吹く場面、そして最終的にネネが「本当のことを言ったら木が枯れてしまう」と発話する結末は、言葉の代償と力を同時に描くための、物語の核となりました。
ホウホウの沈黙は、裁きではなく「言葉の力への恐れ」であり、その沈黙を破り「好きです」と告白する瞬間に、この物語の希望をすべて込めました。言葉は、未来を裁く道具ではなく、誰かの心に橋をかける「器」なのだという信念が、この物語を完成させてくれました。
この絵本が、子どもにも大人にも、「伝え方の違いは、心の深さの違いではない」「自分の言葉の選び方を大切にしていい」というメッセージとして届いていたら、これ以上の喜びはありません。
そして、もしこの物語が、言葉に迷う誰かの“伝えようとする勇気”のきっかけになれたなら、それは作者としての願いが叶った瞬間です。
最後に、改めて読者の皆さまに感謝を込めて。
次の作品でも、また新たな旅をご一緒できることを願っています。
それではまた、物語の森でお会いしましょう。
2025年10月 米田悠由
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