【悲報】みんながボクを狙ってる?~婚姻したら裸にされるし拐われそうになるし、挙げ句、狙われてるって誰得ですか?~

ペロりねった

文字の大きさ
3 / 203
1.お見合いからの新生活

03.会社探検

しおりを挟む
 そこへモデルのような女性がやって来て、たずさえてきたタブレットをマキナさんに渡している。

「喜多村課長代理、お持ちしました。こちらの方ですか?」

 あわてて立ち上がったボクの姿を上から下へと女性が流し見てくる。

「そうだ。婚約が決まってね。自宅に送り届けるまで待ってもらってる──」

「は? 婚約、ですか?」

 男の子? と女性がおどろいてボクを二度見してくる。

「そうだ。ああ、キョウ君、ちょっと」

「はい?」

 彼女たちのやり取りを傍観ぼうかんしていたらボクが呼ばれた。

「婚約者の蒼屋あおやキョウ君だ。また来社するかも知れないので覚えて置いてくれ」

「は、はい。受付をしています、総務そうむ課のみさきです」

 そう言って、入館章のIDストラップを渡してくる。

「はい、蒼屋です。よろしくお願いします」

 喜多村になるかも知れませんが……、と付け加える。

「なるかも、は無いだろう」と言うマキナさんは耳を少し赤くしている。

 それを聞いて岬さんは、一瞬いっしゅんしぶい顔をした表情をすぐさま微笑みに戻した。

「そうですね……。申し訳ありません」

 とすぐに喜多村になりますと訂正ていせいする。

可愛かわいい男の子ですね、課長代理。それでは失礼します」

 マキナさんが何やら操作し終えたタブレットを、岬さんは受け取り一礼して返っていった。

 入館者名簿にボクの名前なんかをせてくれたのだろう。

 備え付けのバリスタ機でコーヒーをんでくれたマキナさんとソファーに座って、新居のことや、着のみ着のままで来たので生活に必要な服や文具について話した。

「──そうだね。あまりに性急せいきゅうだった。時間ができれば家に寄ってもいいけど、今のところ、そこまでは分からない」

 母に話して用意してもらえるか電話しておいてと言ってマキナさんは仕事に戻って行った。

 母に電話してできる限り学校の制服や勉強の道具をまとめてもらうようにたのんでおく。

 あとは、マキナさんの仕事の片付き次第だけど、まだ少しかかりそうだよなあ~。暇だ~。

 かと言って、携帯をいじって遊んでもいられない。


 分かっていたけど、どこにいても自分が浮いている。ちらちらと、視線を感じる。

 フロアにある席の半分ほども人はいないけれど、そこここでパソコンに向かったり書類を確認している人たちがいる。皆、女性だろう。

 ボクは、社員でもなく来社した取引先の人間でもないのは明白だ。

 シックなスーツばかりを着た人たちの中で、薄緑色に花柄はながらが入った春らしいワンピースが浮いている。

 しかも、ボクとしてはオシャレした方のワンピースを着ている。

 それも先週、急遽きゅうきょ買ったばかりの衣装だ。

 百歩ゆずって、その服だった。言われるままだと、和服を着せられそうだったので母に妥協だきょうしてもらった。

 個人的意見だと学校の制服が正解だったのかも知れない。すぐ相手の家に移ることになったんだから。

 通う誠臨せいりん学園は、ズボンでもスカートでも、好きに選べる制服だ。

 ボクはスカートを選んで通っているので、その姿ならビジネススーツの群れの中には、かなりけ込むだろう。

 まあ、そんな異物が事務所の休憩きゅうけいスペースに居座ってるんだから、皆さんは珍獣ちんじゅうを見る思いだろう。

 少し居たたまれなくなってマキナさんのところへ行き、社内を彷徨うろついても良いかいてみた。


「臨時IDで大体のところは見れるよ」とマキナさんが教えてくれる。

 こちらの方はもう少し時間がかかるとあやまられる。お気になさらずと返す。さあ、社内探検たんけんに出発だ!


 今いるフロアは面白くなさそうなので、取りあえずは一階のダイニングとは違う表側、玄関口どうなってるのかな、っと?


 マキナさんに連れられたエレベーターに行って、IDをかざすが反応しない。

 自分のIDが来訪者だからかな?

 仕切りでできた道を引き返して行っていない方に足を向けた。

 マキナさんが仕事をしている入口を通りして、その先へと、またけられた入口になった隙間すきまの前に着く。

 事務所の方を見ると、机に向かっている女性がちらほらいる。皆さん大柄おおがらなので女性だろう。

 こちらに気付いて視線を送ってきた人がいて、あわてて会釈えしゃくすると道を先へ進む。

 向かって歩いてくる人には会釈しつつ、次々、現れる入口を素通りして、廊下ろうか(仮)が途切れたところにエレベーターホールになったところに行き着いた。

 建物の中ほどにあるので、その先の事務所の向こう側にもエレベーターなりがあるのだろう。

 そこのエレベーターはチェックがないみたいなので一般訪問者が使えそう。

 使えるエレベーターが確認できたから、廊下(仮)の先は同じかな? と思って進んでみた。

 結果、同じような仕切りの連なりと奥にエレベーターがあり、エレベーター前のソファーはないものの、外部階段に出るとびらに気がついた。

 端まで分かったので中央のエレベーターに戻って「下りる」を押す。程なくして開いたエレベーターに乗り込んで一階へ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

二重のカーテン (スカートの下の黒い意志)

MisakiNonagase
青春
洗濯物の隙間に隠したのは、母としての祈りと、娘のプライド。 かつて、女子高生という生き物はもっと無防備で、自由だった。 44歳の主婦、愛子が朝のベランダで手にするのは、娘たちが毎日履き替える漆黒のオーバーパンツ、通称「黒パン」。それは、令和を生きる娘たちが自らの尊厳を守るために身に着ける、鉄壁の「鎧」だった。 小学校時代のママ友たちとのランチ会。そこで語られるのは、ブルセラショップに下着を売っていた奔放な50代、無防備なまま凛と歩くしかなかった40代、そして「見せないこと」に命を懸ける10代の、あまりに深い断絶。さらには、階段で石像のように固まる父、生徒の背後に立たないよう神経を削る教師……。 一枚の黒い布を通して浮き彫りになる、現代社会の歪さと、その根底にある不器用なまでの「優しさ」。 ベランダに干された黒いカーテンの向こう側に、あなたは何を見ますか?

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ビキニに恋した男

廣瀬純七
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

処理中です...