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2.新居からの新生活
47.『貸す』ってなんだ?
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マキナの挙動に固唾を呑んで見守る。
「──ん~ん。……本人に聴いてみます。……はい、本人の意見を優先しますから」
一体なんなんだよ?
「キョウ。──」
何? ボクに正対して真正面からマキナが見つめてくる。
「──一晩、貸して欲しいと、言ってる。どうする?」
「は? ええっと、借りる、の間違いでは?」
「ああ、分からないか……。部屋を借りる代わりにお前を貸してくれ、と言っている、あのエロばばあ」
「…………」
はああっ?! 何いってんの? 何いってんの? 意味、分かんない。開いた口が塞がらない。
「ふたり宿泊でン十万だから、お前の身体ひと晩だと丁度釣り合うだろう、とあの[ピーー]が言ってる」
ちょっと、そこ。音声エフェクト入れてるっぽいけど余り役に立ってない。
「断わっていいぞ? あの[ピーー]女にお前を好き勝手させるほど落ちぶれていない、ぞ?」
なんか、判断基準とかすっごくボクの気持ちとかから乖離してます。
「でもねぇ……。ふたりを寒空に放り出すわけにもいかないし……」
取りあえず、院長と面会してから、って事で。マキナに頼む。
生理的に受け付けないエロ[ピーー]だったら拒否だよ。
「キョウは、院長に会って見てから判断したいと言っています」
マキナは早速、返事する。
「はい、では、当直室で」
院長って当直医するの? 特別なの?
都合が良くて助かったけど。
「キョウ、当直室に行くぞ」
「はい」
護衛を連れて四人で病院の中を歩いていく。
皆、革靴でコツコツ音なんだけど、僕は借りてるサンダルなんでカポカポいってる。
静まり返っているので妙に響く。
そして、それは皆も同じで、靴音が次第に同調して四重奏になっていくのが面白い。
エレベーターで、一階に降り、アヤメさんが向かった通用口に向かって歩いていく。
守衛さんの詰所に行く手前で横に折れ、当直室に着く。
ドアをノックして部屋に入っていくと、診察室張りのモニターが据えられた机の前に四十くらいの女性が座っている。
部屋で迎えてくれた院長は、部屋に据えられたソファーへ促してくれる。
「どうかな? 顔を突き合わせて見て」
正面に座った院長を見ると普通の女の人だ。年相応のお胸でかなり盛り上がっている。
二十代後半から女性は徐々にお胸が大きくなってきて、その大きさで大体判断できる。
「まあ、普通の方ですね」
「そうだろう。で、承諾いただけるかな?」
思ってたエロおばさんでもなかった。まあ、この際受けてもいいか……。
所詮、ボクは売られた身だし、マキナが苦手そうな院長の弱みを握れる機会は、そうそう無いだろう。
マキナに取って有益になる駒が手に入ると思えば、それくらいの事どうってことない。
そう一晩、我慢すれば良いだけだ。そのくらい、全く減るものじゃない、さ。
でもその駒の使いどころは、あるかな?
「確認します。さすがに今夜は無理でしょう。後日、任意の日時に院長先生のお相手すれば宜しいのですね?」
言った。言っちゃった……。
マキナを見たら余程、苦い顔をしているけれど止めようとはしていない。そう気がするので言ってしまった。
「ああ。いや、少し違う。相手は私では無い」
「はあぁ~。そうです、か? その方はどちらに。もう夜も遅いので泊まる泊まれないを判断いたしませんと……こちらも、そちらも」
「その通りだ。相手は私の……娘だ。今は、家にいる、だろう、たぶん」
なんだ、院長じゃないんだ。よくも悪くも、少し安心。ちなみに院長先生のお名前は香具羅先生。名札にそうある。
マキナはどうかな? まあ、少し困惑ぎみ、かな? 止めようとは、していない……か。
「そちらの方は喚べるのでしょうか?」
「ふむ、呼べば来る、はずだ」
「では、喚んでいただけますか? そろそろ、いつも眠る時間で瞼の上と下がくっつきそうです」
マキナを見て確認する。特に問題なさそう。
「分かった。すぐに喚ぼう」
院長は、デスクの上に置いてある携帯端末を取って連絡し始める。
「もしもし? メイか?──」
電話をかけて電話口でいくらか応酬があったものの、反応は良いようだ。
男の子とか、可愛いとか、ちょっと聴くに堪えな──くはない単語も飛び出してる。
好みとか、ぬいぐるみとか、あまつさえ小さいってのは看過できない。何だかな。
「──ああ、構わん。タクシーで来い。はぁ~、こちらに向かうそうだ」
通話が終わったあと、向き直った院長は、相手がこちらに来ると告げる。
宿直室のソファーでまんじりともせず……などしないで、ベンダーで淹れたコーヒーを飲んだり、端末のミニゲームをしたり眠気を抑えていた。
できれば、学習タブレットで復習とかやりたいけど、アレは眠くなるからな~。
「──ん~ん。……本人に聴いてみます。……はい、本人の意見を優先しますから」
一体なんなんだよ?
「キョウ。──」
何? ボクに正対して真正面からマキナが見つめてくる。
「──一晩、貸して欲しいと、言ってる。どうする?」
「は? ええっと、借りる、の間違いでは?」
「ああ、分からないか……。部屋を借りる代わりにお前を貸してくれ、と言っている、あのエロばばあ」
「…………」
はああっ?! 何いってんの? 何いってんの? 意味、分かんない。開いた口が塞がらない。
「ふたり宿泊でン十万だから、お前の身体ひと晩だと丁度釣り合うだろう、とあの[ピーー]が言ってる」
ちょっと、そこ。音声エフェクト入れてるっぽいけど余り役に立ってない。
「断わっていいぞ? あの[ピーー]女にお前を好き勝手させるほど落ちぶれていない、ぞ?」
なんか、判断基準とかすっごくボクの気持ちとかから乖離してます。
「でもねぇ……。ふたりを寒空に放り出すわけにもいかないし……」
取りあえず、院長と面会してから、って事で。マキナに頼む。
生理的に受け付けないエロ[ピーー]だったら拒否だよ。
「キョウは、院長に会って見てから判断したいと言っています」
マキナは早速、返事する。
「はい、では、当直室で」
院長って当直医するの? 特別なの?
都合が良くて助かったけど。
「キョウ、当直室に行くぞ」
「はい」
護衛を連れて四人で病院の中を歩いていく。
皆、革靴でコツコツ音なんだけど、僕は借りてるサンダルなんでカポカポいってる。
静まり返っているので妙に響く。
そして、それは皆も同じで、靴音が次第に同調して四重奏になっていくのが面白い。
エレベーターで、一階に降り、アヤメさんが向かった通用口に向かって歩いていく。
守衛さんの詰所に行く手前で横に折れ、当直室に着く。
ドアをノックして部屋に入っていくと、診察室張りのモニターが据えられた机の前に四十くらいの女性が座っている。
部屋で迎えてくれた院長は、部屋に据えられたソファーへ促してくれる。
「どうかな? 顔を突き合わせて見て」
正面に座った院長を見ると普通の女の人だ。年相応のお胸でかなり盛り上がっている。
二十代後半から女性は徐々にお胸が大きくなってきて、その大きさで大体判断できる。
「まあ、普通の方ですね」
「そうだろう。で、承諾いただけるかな?」
思ってたエロおばさんでもなかった。まあ、この際受けてもいいか……。
所詮、ボクは売られた身だし、マキナが苦手そうな院長の弱みを握れる機会は、そうそう無いだろう。
マキナに取って有益になる駒が手に入ると思えば、それくらいの事どうってことない。
そう一晩、我慢すれば良いだけだ。そのくらい、全く減るものじゃない、さ。
でもその駒の使いどころは、あるかな?
「確認します。さすがに今夜は無理でしょう。後日、任意の日時に院長先生のお相手すれば宜しいのですね?」
言った。言っちゃった……。
マキナを見たら余程、苦い顔をしているけれど止めようとはしていない。そう気がするので言ってしまった。
「ああ。いや、少し違う。相手は私では無い」
「はあぁ~。そうです、か? その方はどちらに。もう夜も遅いので泊まる泊まれないを判断いたしませんと……こちらも、そちらも」
「その通りだ。相手は私の……娘だ。今は、家にいる、だろう、たぶん」
なんだ、院長じゃないんだ。よくも悪くも、少し安心。ちなみに院長先生のお名前は香具羅先生。名札にそうある。
マキナはどうかな? まあ、少し困惑ぎみ、かな? 止めようとは、していない……か。
「そちらの方は喚べるのでしょうか?」
「ふむ、呼べば来る、はずだ」
「では、喚んでいただけますか? そろそろ、いつも眠る時間で瞼の上と下がくっつきそうです」
マキナを見て確認する。特に問題なさそう。
「分かった。すぐに喚ぼう」
院長は、デスクの上に置いてある携帯端末を取って連絡し始める。
「もしもし? メイか?──」
電話をかけて電話口でいくらか応酬があったものの、反応は良いようだ。
男の子とか、可愛いとか、ちょっと聴くに堪えな──くはない単語も飛び出してる。
好みとか、ぬいぐるみとか、あまつさえ小さいってのは看過できない。何だかな。
「──ああ、構わん。タクシーで来い。はぁ~、こちらに向かうそうだ」
通話が終わったあと、向き直った院長は、相手がこちらに来ると告げる。
宿直室のソファーでまんじりともせず……などしないで、ベンダーで淹れたコーヒーを飲んだり、端末のミニゲームをしたり眠気を抑えていた。
できれば、学習タブレットで復習とかやりたいけど、アレは眠くなるからな~。
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