【悲報】みんながボクを狙ってる?~婚姻したら裸にされるし拐われそうになるし、挙げ句、狙われてるって誰得ですか?~

ペロりねった

文字の大きさ
63 / 203
2.5◇古都へ

63.モール内の這いよる危機

しおりを挟む
 思うまま、かき集めた肌着をレジにかけ精算せいさんする。

 マキナからあずかった端末機は正常に決済けっさいしてくれている。

 周りには、まさにグールが獲物えものを求めて彷徨さまようごとく女性がじわりじわりとこちらに集まってきているのが見て取れる。

 そんな人たちを迂回うかいして肌着コーナーを離れ、服飾ふくしょくエリアを移動する。

 先導せんどうは、気更来きさらぎさんと羽衣はごろもさん。

 後方はマキナが付けてくれた護衛の歩鳥ほとりさん、斎木さいきさんにまもられている。


 普段着の陳列ちんれつ場所まで行くと試着コーナーをみつけて、飛び込む。着ていたすべてをいで穿き替える。

「キョウ様、脱いだ肌着を寄越よこしてください」
よごれものなんか、どうするんです?」

 カーテン越しに気更来さんが求めてくる。そんなものをどうすると言うんだろう?

えさ──にして暴女グールを遠ざけます」
「えっ! そんなのイヤですよ。誰かの手に渡るんじゃないですか?」
「ま~、それはそうですけど……。今はそんな些末さまつな事を気にしてはいけません。さあ、早く」

 些末って、結構メンタルをけずられるんですけど?

「納得できないけど……どうぞ」

 一先ひとまず男性警護にたずさわった専門家にゆだねるしかないか?

 まったく納得できないけど、仕方なくまとめた汚れものをポリぶくろめて、カーテンのすき間から気更来さんに渡す。

「おい、ポチ」
「誰がポチじゃ……。それで何?」

 気更来きさらぎさんは周囲を警戒していた羽衣さんを呼びよせ、顔を突き合わせて話している。

「いいか? できるだけヤツらを遠くへ誘導ゆうどうしろ」
「なんで私が?」
「袋をけて、いでみろ」
「……ふぉ~! 濃厚のうこう女男オナン子のかほりがぁはあああ~! ふぉ~……ふぉ~……」

 きゅっとめた袋をゆるめてけ、羽衣さんは鼻先を突っ込みいでいる。

 ちょっと~何やってんのよ~?

 みるみる、羽衣さんの表情が恍惚こうこつとしたものになってる。

 ボクのにおいはヤヴァい薬物ですか~!

「逃げきったら、それはお前の物だ」
本当ほんとか?」
「本当だ。キョウ様が認めてくれた」

 いや、あんたが認めさせたよね。ボクは、知らない。用途ようとを知ってたら渡さない。

 そんな事されると知ってたなら焼却しょうきゃくしてやったよ。

勢子せこ犬ウイ、Goいけ!」
「バウ!!」

 羽衣さんがボトムスを頭にかぶり、キャミソールをえり巻きのようにしてけ出していく。

 うぐぅ~、誰か許可したボクを殺して……。


 かくもハレンチな? おとり作戦は決行された。

 肌着を装着したボクは、歩鳥さんのジャケットを着直し肩を落として試着コーナーを出た。

 しかし、まだ服確保作戦は続行中だ。

 次は、普段着や部屋着の確保に回る。取りあえず、一着そろえて着込もう。

「ん~、これで良いか?」

 うす緑のワンピースを取ってレジをませる。

「ありがとう、ございました」とレジを通した店員さん。

 試着コーナーに取って返し、ワンピースを着ると用済みになったジャケットを歩鳥さんに返した。

「ありがとう」
「どういたしまして」

 歩鳥さんの礼を受けて、本格的に服を買い物カゴに集めていく。

 遠くで喧騒けんそうこえてくる。羽衣さんの陽動が上手くいってるのか、別の意味で上手くいってるのか、こちらには人が寄ってきていない。

「こんなものか?」

 五着セットほど確保してレジを通す。次は、訪問にずかしくないものを買わないと。

「気更来さん、訪問に似つかわしい服はどこにあります?」
「こちらです」

 気更来さんに案内され専門店エリアに移動していく。

「あ! ちょっと」
「なんでしょう?」
「ここ、和服じゃないですか?」
「そうですが?」
「いきなり行ってもダメでしょう? ドレスでもダメでしょうけど」
「ご心配なく──」

 気更来さんの説明では、ボクの情報が伝わって近似の服が用意できると確認されていたらしい。

 いたれりくせりだけど。なんか情報、だだれな気がする。

 でも、今回は助かった。

「いらっしゃいませ……」
「すみません。蒼屋あおやキョウと申します。訪問着を見繕みつくろって欲しいんですけど」
「蒼屋様、お話、うかがっております。少々おまちください」

 気更来さんが案内した店に入って、名前を告げると店員さんは三着、見繕い持って来て見せてくれた。

「ここで、着付けていただけますか?」

 ボクは即決して、三着とも購入を決め、一着の着付けを頼んだ。

 選んだのは、青から水色にグラデーションした生地きじにアヤメが二輪、いているデザインだ。

「はい、もちろん」

 店員さんに案内され、奥に入ってワンピースを無造作むぞうさに脱ぐ。

 また、れ物にれるよう着付けてくれる。

「これで如何いかがでしょう?」
「うん。バッチリです」

 応接の場所に移り姿見に映った自分の姿に満足した。着付けてくれた店員さんたちに礼を言って店をあとにする。

 余った着物は護衛に預けてくれた。

「ドレスも行けそうかな?」
「少々おまちください……」

 気更来さんは、そう言って黒メガネに触れて何かしてる。そのメガネって特殊機能があったの?

 あって不思議じゃないんだけど、夜となし昼となし装着してるからね。

 本当に『ウィメン・イン・ブラック』だ。

「──もう少しなら大丈夫です。羽衣が引き付けています」

 まだ、いや、ずっと羽衣さんは逃げ回ってたんだな。あとでねぎらってあげよう。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

【短編集】こども病院の日常

moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。 18歳以下の子供が通う病院、 診療科はたくさんあります。 内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc… ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。 恋愛要素などは一切ありません。 密着病院24時!的な感じです。 人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。 ※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。 歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

ビキニに恋した男

廣瀬純七
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

処理中です...