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3.喜多村本家に居候
74.洗うはずが洗いっと、分かってた……
しおりを挟む「さあ、誰を洗おうか?」
「ん、キョウは、私が洗う」
マナちゃんがボクの膝に座ってくる。ちっちゃな手でボクの胸をこすって洗ってくれる。ありがたいけど、こそばゆい。
でも、それじゃボクが洗えない。
「マナちゃん、向こうむいて背中洗えない」
それにイスを取ってきて座って?
「……うん、分かった」
少し考えたあと、マナちゃんは膝を降りて風呂場のイスを取りに行く。
「じゃ、じゃあ、私は背中を洗ったげる」
「私は髪」
「あ~、うん。でも、皆を洗ってからね」
「え~! 時間がもったいない」
「そうそう」
そういって、タンポポちゃんとアリサちゃんがボディーソープとシャンプーをかけまくってくる。
そんなにかけなくても……ボクってそんなに汚れてる?
「アリサちゃん、シャンプーかけられると目が開けられなくなるよ?」
ボクってば、そんなに髪はないからワンプッシュで足りるんだよ。ボディーソープもそんなにかけなくてもいい気がする。
「だいじょうぶ」
「そうそう」
逆に量が多くて大丈夫じゃない。
堪らなくなって目を瞑るのと前からカランという音。マナちゃんが前に座ったみたい。
「マナちゃん、座った?」
「うん」
でも、この体勢は、また向かい合わせだね? ボクの太ももを割って体を入れてきてる。
手探りでシャンプーをたぐり、マナちゃんの頭を探る。
「マナちゃん、目を瞑って口で息してね?」
「うん」と返事がしたのでシャワーを少しかけ手に取ったシャンプーを髪に塗る。
向かい合わせだと勝手が違って洗いにくい上、当のマナちゃんはボクの胸を手で洗ってくれているから頭が動いて尚更洗いにくい。
それでも頑張って洗う。
「はい、泡を流すよ~。口で息してね~」
返事がない。けどシャワーをかける。
「うぼぉあぁあ~っ」
「口で息して……」
ボクを洗うのに熱中していて聞いてなかったみたい。胸にすがってきて、くすぐったくって仕方ない。
「はい、良くできました。マナちゃん、次は背中洗うから向こうを向いて?」
「向こう向いたら、キョウを洗えない」
「タンポポちゃんたちが洗ってくれてるから大丈夫だよ。さあ、向こう向いて」
「……分かった」
しぶしぶ、方向転換してくれるマナちゃん。
「ソープかけるよ?」
「うん」
スポンジにボディーソープを付けて泡立てマナちゃんの背中を洗う。ちっちゃな背中だからすぐすむ。
「マナちゃん、前は洗えた?」
「うん」
それを聞きシャワーで流してマナちゃん終了。すべて手探りじゃ、やりにくいよ。
「じゃあ、次、タンポポちゃん」
「え~、まだ洗いたい」
「そう、じゃあアリサちゃん、ボクの前に来て?」
「うん」
「アリサ、裏切り者」
アリサちゃんが髪を洗うのから離脱したので頭を傾け髪にシャワーをかける。
これで前が見える。
「アリサちゃんも向こう向いて?」
また、アリサちゃんもボクの股間に体を滑り込ませている。
「それじゃキョウを洗えない」
君もか? そんなにボクを洗いたいのか?
「ボクは自分で洗えるし、洗うから。さあ、向いて?」
「ちぇ」
アリサちゃんも髪と身体を洗って終了。
タンポポちゃんは、一人で洗えるのを良いことに背中から腕を回して胸やお腹まで洗ってくる。
こそばゆくて地味にやりにくい。
「ね~どうやったらアレが出るのよ?」
「アレって何?」
タンポポがボクの股間を撫でながら言ってくる。
「教えなさいよ」
「アレがなんなのか分からないよ? アレって何」
「でも、ふうふをしたんでしょ? 知ってるでしょ」
「そうだね。でもマキ──主人に任せてるから分からない。さあタンポポちゃんの番だよ」
タンポポちゃんのアレってだけじゃ、何を聞きたいのか分からない。
それから、洗い終わった皆は湯船に浸かってね? ボクにまとわり付いてたら、またシャワーで流さないといけなくなる。
折角、マナちゃんが湯船に向かったのにアリサちゃんがまた背後に回ってボクを洗おうとしてる。
それを見たマナちゃんも、お湯から上がって背後に引っ付く。
前に回ったタンポポちゃんと言えば、皆と同じで、また股の間に割り込んでくる。
「前向いて」とタンポポちゃんを方向転換、髪、背中を順に洗う。
「さあ、皆、お湯に浸かって。風邪ひくよ? さあさあ」
幼女たちを浴槽に追い立てて、ボクも自分を洗わないと。
髪はアリサちゃんが洗ってくれたので、スポンジにボディーソープを付けてると……。
「私もお願いします」
大きな身体をした羽衣ウイさんがボクの前に座った。
子供か!
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