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3.喜多村本家に居候
122.やっかいな白い人
しおりを挟む「って、なんで白い人までベッドに入って来るのさ?」
「お側でお護りせねばと思いまして。それから白い人ではなく戸隠です。戸隠ハイリ」
「ああ、そう……。〝とがくし〟って、どこかで聞いたような……」
「お忘れですか? ショッピングモールで御下命を拝した」
あ~、なんかそんな人、居たね? 御下命って大層なものじゃなかったんだけど?
「それで、その戸隠さんが何故ここにいて、ベッドに入ってくるのさ?」
「ですからキョウ様をお護りするために」
「別にベッドに入ってこなくていいでしょ?」
「実はわたくしもアレを観てもんもんとしてしまって、ですね……」
「今すぐベッドから出ろ!」
戸隠さんをベッドから蹴り落とす。
「そんな、ご無体な~」
「自室──は無いからトイレで鎮めてきてください」
また、厄介な人に懐かれたようだよ。
「その……タンポポちゃんたちも……観ちゃった、よね?」
「……いや、眠くて寝ちゃってた……残念」
「ん、……ねん」
「なんか、むずかしいこと、聴いてたら……」
「そ、そう」
観られてたら、こっちが残念だったよ。よかった~、観られてなくて。
「それはもう、ハノリ様から取り出した──」
「みんな、耳を塞いで!」
「なに?」
「ん?」
「──精液は質・量とも申し分なく。列席した方々は感心なさってましたよ?」
やっぱり、ろくでもない情報だった。
「中でも、レイニ様が驚愕されて──」
「いや、もういいです」
「──モールでの卓越した指揮ぶりに、その見目麗しさ、崇敬に値します。我が君には、あなた様が相応しいと決しました。さらにさらに男の性能の高さ──」
もう、やめて?
「まだ~? 耳、ふさいでるの」
「ん? まだ?」
「もういいよ。ともかく、ベッドはダメです」
「そうよ、キョウを妻にしてからにしなさい」
「しなさい……」
「皆様はどのようにしてキョウ様を妻に?」
「それは……女の魅力?」
「──ブフッ」って吹いたらタンポポちゃんににらまれた。
「ほうよう力~?」
いや、マナちゃんは抱えられてる方だよね?
「ちゃんとお世話してる~」
いや、お世話はボクが……考えるのやめとこう。
「……なるほど~。納得しました──」
いや、納得するとこなんてあった?
「──自分を磨き包容力を身に付け、お世話を勉強し研鑽いたします」
では、と言って戸隠さんはベッドの前に座りこんだ。
「もしかして、ずっとそのまま座りこむつもり?」
「いかにも」
「はぁ~~。分かった。今夜だけ、一緒に寝ていいから」
「ほ、本当ですか?」
まあ、夜通し座りこまれても堪らない。ボクのメンタル的に。
「みんな、許してあげてね?」
「仕方ないわね~」
「ないわね~」
「うん、しょうがない」
「ふぁあ~」
すっきり目が覚めた。部屋を脱け出して大丈夫だったかな?
「戸隠さん、起きて。部屋に戻ろうか? 心配してるかも知れない」
「そ、そうですね?」
そお~っとベッドを脱け出しエレベーターへ。五階に上がり部屋に向かうとドアの辺り襦袢姿の男がいる。
「おはようございます──」
「おはようございます、義兄上」
ん? 変なこと言う人だな~、っと部屋に入って行く。
「義兄上どこに行かれてたのじゃ?」
「──は? その言葉。もしかして……レイニ様?」
立ち止まって振り返る。ボクより少し──拳一つくらい低い背丈。ショートボブ。レイニ様らしい……。
「そうじゃ、余がレイニ──レニと呼んでくだされ義兄上」
「え~~っと、なぜに兄上? ですか」
「夕べは感服いたしました。ハノリ様の兄弟となったからは兄・弟でよいではないですか?」
ん?……ん~ん?……どんな理屈?
「そ、そうですか? ならば、位が上のレイニ様が兄なのでは?」
「いやいや、位とか歳とかは関係ございません。それからレニとお呼びくだされ」
「はあ~? で、では、わたくしもキョウとお呼びください」
「いえいえ、滅相もない」
「いえいえ、それじゃボク──わたくしが困りますから──」
これ、いつまで続けりゃいいの?
「あの~、その辺でお止めになり、ハノリ殿下の元へ行かれては?」
「おお、そうじゃの~。ささ、義兄上」
「あ、いや、その~」
レイニ様がボクの腕を取って──正確には腕を絡めて寝室に引っ張っていく。
いったい、ど~なっちゃったの? レイニ様。
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