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4.本家からの再出発
164.すべての女の夢
しおりを挟む「そうだね~。キョウちゃんには女の夢が詰まってるよね~」
「そうなんです。周りに色目向けるし、科を作って誘惑するし、まったく女誑し」
「ちょっと待って? 女の人に媚びたことなんて一度もないよ?」
「……キョウちゃん、女子を拒絶どころか拒否したこと無いよね?」
「それくらい……ある……よ?……」
胡乱な目でタマちゃんが見てくる。
「そうだね~、キョウちゃんに頼むとすべて叶えてくれそう。そんな気がする……」
そんなバカな……。いや、でも頼まれたら拒まないかも……。女の人の言うことを聞けって教えられたし……。
「あ″~~っ?」
思い返すと言い当てられてる気がしてきた……
「ホント、周りに悪い女が居なくて良かったよ。みんなキョウちゃんを護るためなら何でもしたと思う」
「何となく分かる」
「そう言う相乗効果で、がばがばなキョウちゃんが出来ました」
「見たように言わないで?」
「見てないけど聞いてるから……」
「……あ~、ユウちゃんか~」
「そうそう」
ユウちゃんは、いろいろボクを気にかけてくれた幼馴染みで引っ越しちゃった子。タマちゃんはその知り合いでボクのことを聞いていたんだった。
つい話に夢中で洗う手が止まっていたので急いで洗う。本当に風邪引いちゃうよ。
「ツバキちゃんも洗うのね?」
カエデさんを洗い終わったのでツバキちゃんに聴いてみる。
「え、うん……」
「でもあとにして? タンポポちゃんたちを超特急で洗うから」
「……分かった」
タンポポちゃんたちを並べて文字通り並列で洗う。お陰で体がいくらか温まる。もちろん、足の指の間や耳たぶの後ろとかちゃんと洗えたか、みんなを確認する。
「お待たせ。ツバキちゃん、どうぞ」
「う、うん」
ツバキちゃんを前に座らせて背中を洗っていく。
「ふ~……ふ~……」
刺激が強かったかツバキちゃんは背中まで真っ赤にしてる。お湯に浸からずして茹だってる。
「はい、終わり」
「あ、ありがとう」
「それじゃ、お湯に……浸かれないよ」
お湯に浸かろうと浴槽を見るとすし詰め状態になってる。
「あ~、私は上がるから入るといい」
「え~、そんな~」
マキナがお風呂を上がるって言う。一緒に入る目的だったのに何でこんなことに。
お湯から上がったマキナに付いて脱衣場に行き体を拭く。替えの下着がないので素肌にローブを羽織らせる。
「マキナさんを拭うとローブを着せます。妻の鑑ですね~」
「タマちゃん、いい加減にしてよ」
「キョウ、お湯に浸かっておいで。部屋で寛いでいるから」
「……はい」
「おっと、キョウちゃんは湯船に戻るようです。浴槽は女子しか居ません。凌辱待ったなし」
「……怒るよ。凌辱なんか起こりません」
立ち止まりタマちゃんをにらんで言い放つ。
「タマちゃん、帰ろ。キョウちゃん、激怒一歩手前だよ」
「うん。キョウちゃん、ごめん……」
「…………」
う~、ここは赦しちゃいけない。ぐっと我慢だ。
「──明日、お別れだから……つい」
「タマちゃん、部屋に戻ろ?」
「うん……」
「……はあ~……騒いじゃダメ、だからね?」
そう言葉を残して浴場に戻る。甘いなあ~、ボク。
「それって……」
タマちゃんの独白を聞かない振りで浴場に戻る。
そのあと、浴槽に浸かってイモ洗い状態を楽しんだのは言うまでもない。もちろん、静かになったクラスメイト二人の観衆もいた。
お風呂から上がりタマ水無の二人、タンポポちゃんたちと別れ、三階の部屋に戻ると奥、リビングから話声が聞こえる。
「お風呂上がり、ました? ミヤビ様?」
リビングにはマキナとミヤビ様がソファーに座って話し込んでいる。
「お帰り」
「わらわは戻る。マキナ、考えておいてくれ」
「…………」
沈痛なマキナを残してミヤビ様が帰っていく。
「ミヤビ様と何かあった?」
「……何でもない。ここへ座って」
マキナがとなりの席を勧める。
「何?」
「遅くなったね?──」
懐から紫色のビロード地の小箱を取り出す。それって……もしかして。
「──左手を出して」
箱のフタを開けると指環が二つ挿さっていて、一つを取ると左手薬指に嵌めてくれる。
「さあ、もう一つを私に」
感無量のボクにマキナが言う。
言われる通り残りの指環を取るとマキナの左手薬指に嵌める。その左手にボクの左手を並べてにんまりする。
「アヤメ姉、指環用意してる?」
カエデさんが小声で聴いている。
「まあ、一応」
「私、用意してないよ?」
「じゃあ、今度買ってくれば? キョウちゃん、受け取って?」
アヤメさんも小箱の中の二つの内の一つを取るとボクの前に跪いて左掌を差し出してくる。
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