【悲報】みんながボクを狙ってる?~婚姻したら裸にされるし拐われそうになるし、挙げ句、狙われてるって誰得ですか?~

ペロりねった

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4.本家からの再出発

180.今さらの馴初め?

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「でも、何となく分かる。結婚するって見合い写真を見たけど特に感情が動かされなかったのに実物に出会うと姉貴あねきグッジョブって思った。たぶんツバキも。こんなことなら学園にいる内に見に行っとけばよかった」
「そうだろう、そうだろう」
 どれだけオレが待ち望んだか分かるだろ? それを口にできないの悔しいが。

「で、いつ出会ったの?」
「だ、だから婚活サイトで」
「そんな建前はいいから。仕事で外回りしてる時、ってのが妥当だとうだよね」
「まあ、仕事虫だったから、なんとなく公園とか庭先で遊んでるのを外回りの時、見かけたんだと思う……」
「ストーカーかよ」

「お前ら、人を犯罪者みたいに。キョウがオレに近づいて来たんだからな?」
「「えっ?!」」
「──あっ」
「それって……キョウちゃんにナンパされた、とか?」
「確かに姉貴は犯罪者じゃないが変態は確定」
「小学生(推定)に陥落かんらくされたってこと? どれだけあの子はタラしなの」

 マズい。これは話せば話すほどヤバいと感じる。
 病院までは口をつぐんでいよう。

 本家の正門へ向かわず壁に沿って反対へ回る。程なくして壁内へきない病院に続く門に着く。門の検査をパスして病院へ伸びる道を行く。

 車寄せに停めるとドアを開けてアヤメが飛び出す。緊急きんきゅう搬入はんにゅう口のインターホンでストレッチャーの用意を告げている。

 待ちきれずキョウを抱え車を降りる。緊急搬入口を通って廊下を進み、迎えのストレッチャーに乗せる。

手術しゅじゅちゅ室へ」
「しゅじゅちゅって。そこはオペ室とか言うんじゃないか? 本職的に」
「それはどうでもいい」
「まあ、そうだが」
 フット式ドアオープナーでオペ室のドアを開けて入る。

「そっちじゃなく奥の水槽シンクれて」

 手術台に乗せようとして止められる。
「服を着せたままでいいのか?」
「まあ脱がせた方がいいけど」
「脱がせましょう!」

 羽衣が力説する。見るとカエデも前のめりになってる。

「ちゃんと脱がせられる? 脱力してると脱がせにくいから関節をいたわってね?」

 そう言うとアヤメは水槽とやらの手入れを始める。そちらはまかせる。一旦いったん、手術台にキョウを寝かせ、脱がすのを手伝う。

「困ったことになりましたね~」

 ドアが開いて手術衣姿の人物が三人、オペ室に入ってくる。キャップにマスク、両手にポリグローブの完全装備だが、話しかける声が特徴的で香具羅かぐら院長だと分かる。

「院長」
輸液ゆえきとカテーテルの準備は?」
「まだ、これからです」
「よろしい。皆さんは出ていっていいですよ。あとはスタッフでやりますので」
「……分かりました。みんな出ていくぞ」
 カエデや護衛たちに声をかける。アヤメを残しオペ室から出る。


「キョウの様子は?」
「大丈夫大丈夫。見てみる?」
「見ていいなら、見る」

 オペ室前の待合室にいるとアヤメが部屋に入ってくる。作業は終わったのか。
 みんなとオペ室に戻ってキョウの元へ向かう。

「皆さん、おそろいで。もの好きですね?」
「私が伴侶はんりょの側にいて悪いか?」
「いえいえ、なかなか見ていて居たたまれないお姿ですから。小一時間ほどすれば回復するでしょう。アヤメくん、あとを頼む」
「はい」

 香具羅かぐら院長は看護師たちとオペ室を出ていく。
 大人が寝そべる大きさのシンクに収まって、薄緑の溶液の中にキョウはかっている。その姿は言われたとおり目をそむけたくなる。

 左腕にラインが取られ輸液がつながっている。下半身にもカテーテルがつながって、いかにも重症のていだ。

「キョウ……」
「まだしばらくかかるから、気がすんだら表の待合室で待ってる方がいいよ。私は少し休む。お腹もいたし」
本当ほんとだ。十四時まわってるよ~」

 そう言われ、昼食がまだだったと思い出す。

「そうだな。昼をどうする?」
「本館に聴いて何か見繕みつくろってもらいますか?」
「……そうだな。頼む、笹」
 壁内で済ませられるなら、わざわざ壁外そとに行かなくても良いな。

 食事が運ばれてくるまでキョウをながめていた。

「皆様、食事を運んで参りました」
「岩居、すまない」
 運んできたのは岩居サザレと若いメイドたち。
 待合室に下がり配膳はいぜんを待つ。

「キョウ様の御加減はいかがですか?」
「見た目のわりには大事ないようだ」
「そうですか……」

 サザレがキョウの容態ようだいを聴いてくる。オレには分からないのでアヤメたちの印象で答える。

「──気を沈めていてもキョウ様は良くなりません。食事をしっかり取り目覚めを待ちましょう」
「ああ、そのとおりだな」
 のどを通らぬ食事をみ込んでいった。

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