192 / 203
4.本家からの再出発
192.マットプレイ
しおりを挟む「マットなんて要らないよね? シャワーだけでいいんだけど……」
マットを見て後込みする。これ以上お湯を浴びたらふやけちゃうって問題じゃない。前に何されたか分からない不安感があるから。
「まあまあ、そう言わず」
「マットで洗うの見てみたいんだよね~」
「新都に帰る前に見たくて」
「たぶん見たからって大したものじゃないと思うよ?」
無駄と思いつつカエデ姉妹に抗ってみる。風呂には暗くない程度の紅い明かりが灯っている。紅くなった表情に欲望に染まる目がぎらぎらしてる。
護衛のみんなも同じように見詰めてくる。
これ、アカンやつや~。さっきのお風呂で曖昧に流しちゃったから? 余計に期待させちゃったのかも。
「さあさあ、横になってください」
「ちょっとちょっと」
お風呂マットに仰向けに寝かされる。
いつもは、なだめ役の気更来さんが率先してるのも不可解。どうしちゃったの?
「これこれ、塗りたくって」
ブラックボトルのボディーソープを羽衣さんが身体にかけてくる。
「ああ~、この匂い。そそられる」
「キョウちゃんの匂いとこれって最強かも」
みんなが掌でボクの身体にソープを塗りたくってくる。
「ふぅ~、お先にゴメン。いただきます~」
羽衣さんが覆いかぶさって身体を重ねてくる。
「見ててください。こうやって~」
斎木さんまで乗ってきて、身体を使って洗ってくる。
「今は二人ですが四人でやると……」
「……ああ」
「なるほど……勉強になる~」
いや、そんな勉強は要らないから~。これはタンポポちゃんたちに見せられないわ。
「おい、そろそろ、お嬢さんたちに譲れ」
「ちぇ、しゃーないな~」
「興が乗ってきたところなのに……」
「ご、ごめんね」
「あ、ありがとう」
羽衣・斎木さんが退くとツバキ・カエデさんの二人の乗ってくる。羽衣・斎木の二人は腕に移って洗ってくる。
「キョウちゃん、新都に帰るけど、すぐ戻ってくるから」
「うん、きっと卒業して、こっちに来るから忘れないでね?」
な~んだ。これは、護衛たちのカエデさんたちへの粋な計らい、だったのかな?
「う、うん。忘れないよ。お待ちしています」
「「キョウちゃん!」」
そのあと、感極まった二人にめちゃくちゃぬるぬるされた~! それを見ていた護衛たちに、もっとぬるぬるされる。
簡単に絆されないよう思い止まろうと反省した、次からは……きっと。
「どこにも居ないと思ったら……」
ふらふらになって部屋に戻っていると笹さんが出迎えてくれる。気づくの遅い。
「これは、その、壮行会」
「新都に戻るお二人を元気づけようとして、なあ?」
「「そうそう」」
「はあ~、キョウ様は大事ないですか?」
「まあ、何とか……」
本当に何とかなった。表を洗ったら裏も洗うのは当然。前を終わらせると後ろもセットだった。むぎゅ~って圧死するかと思ったよ。
「もう遅い。さっさと眠れ。お嬢様たちもお休みください」
「……はい」
「お休みなさい」
「申し訳ありません。やつらの悪巧みに気づけず」
笹さんに抱かれて部屋に戻りながら謝られる。
「いいよ。ボクも思わせ振りだったかも知れないし」
それに、カエデさんたちには良い思い出ができたかもしれないし……。
「笹さんって……」
「……そう、だよな?」
付いてくるカエデさんたちが何か呟いてる。笹さんがどうかした?
二人は、リビングの仮設ベッドで床に就き、ボクは寝室に運んでもらう。
「ありがとう……」
笹さんと別れ際、引寄せてキスをする。ほっぺにほんの軽く、だけど……。
「……は?!」
「お休み」
笹さんの異変に気づくことなくベッドに横になりボクは眠った。
朝、すっきり目覚めなかった……よ。
「おはよ……」
お陰でマキナからの熱烈キスで目覚める羽目に。
「お前にしては寝起きが悪いな」
「昨日、頑張ったから……ひゃひゃっ、くすぐったい」
本当のこと言ったら脇腹をくすぐられた……解せぬ。
「早く顔、洗ってこい」
「は~い」
重い身体で起き上がる。ローブだけ羽織ってリビングを抜ける。
「「おはよう」」
「お、おはよう、ございます……」
カエデ姉妹はもう起きていた。当然か……。ちょっと気まずい。
0
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?
九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。
で、パンツを持っていくのを忘れる。
というのはよくある笑い話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる