【悲報】みんながボクを狙ってる?~婚姻したら裸にされるし拐われそうになるし、挙げ句、狙われてるって誰得ですか?~

ペロりねった

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4.本家からの再出発

197.オートクルーズ

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 来た道を戻り駐車場の連絡道を進む。

「特に追いかけては来ていません」
「そんなに気にしないとダメ?」
「地下ですと逃げる場所が限られますので」

「じゃあ滅多めったに地下には来れないのか~」
「そうなります。早朝で覆面ふくめんをしていれば、あるいは」
「それは……イヤだなあ~。何も楽しめない」
「そう……ですね」
 心配したのは杞憂きゆうで、車まで無事戻れた。

「モールまで──いや、帰りはマキナが運転してよ」
 車に乗り込む前、マキナに提案してみる。

「私が?……まあ良いが」
 マキナは視線で笹さんを確認する。笹さんは異論はないようで運転はマキナにゆだねられる。
 マキナが運転席に乗り込むと、ボクがとなりに座る、っと。

「お前が隣に座るのか?」
「もちろん」
「あー、歩鳥ほとりは後ろに頼む」
かしこまりました」
 よし、邪魔じゃま者は排除できた。

「キョウ、シートベルトはしろよ」
「ええ? それだと密着できない」
「密着する必要ないだろ。運転しづらい。いいからシートベルトを着けろ」
「ちぇっ」
「何か言ったか?」
「何も……はあ~」
 運転席なら、二人っきりだと思ったのに、ここまで堅物かたぶつとは思わなかった。

「それじゃ出発するぞ」
「了解」
「「「──お願いします」」」
 地下駐車場の構内を自動で入出庫ゲートまで進む。
 チケットを返し携帯をかざして精算するとゲートを抜けて地上に上がる。

「外では自動運転で走らないの?」
「走れなくはないが……つまらないぞ」
「つまらなくないよ」
「はあ~。ACオートクルーズ、目的地キタムラ・ショッピングモール蒼湖おうみ北店」
うけたまわりました。目的地キタムラ・ショッピングモール蒼湖おうみ北店。ルートを設定してください』

「最短の──ルートA」
『ルートA。ビワ湖横断道の通行料がかかります、よろしいですか?』
「構わない」
『ルートAでACオートクルーズに入ります』
「で、何をたくらんでいる?」
 ギクッ! ステアリングから手を放したマキナが聴く。

「何も? マキナと二人っきりになりたかっただけ」
「これから二人っきり──アヤメが居るか……。カエデたちが帰ったので二人っきりみたいなものだろう」
「護衛もいるよ?」
「護衛は居ないものとして無視しろ、ってどこ触ってる」

「運転中だと触れないじゃない」
「当たり前だ。それでACか……」
「そうそう。やっと会えたのに何か冷たくなってるし。もっと仲くしないと子供ができないよ?」
「あちらとは事情が違うからな~。くすぐったいから止めろ。後ろの連中が聞き耳立ててるぞ」
「え?」
 ルームミラーを見たマキナが言う。

 確かに振り返ったら護衛の一部が顔をらす。一応、後席との仕切りにポリ板がありカーテンで目隠しできるけど、開け閉めするのは向こう側なのよね~。
 おくせながら笹さんがカーテンを閉めてくれる。リムジンで来れば良かったよ。

 順調に湖を渡り湖北に上がった途端、進みが悪くなる。モールまでは、ほぼ一本道で迂回うかい路もないので仕方ない。


「──そう言うワケで職歴の充実と、お前が新都に帰って来れないので出向したワケだ」
「なるほど。社長──お義母かあさんもいきなことしてくれたね」
「まあな」
「赤井さん親子は元気にしてる?」

「親子……。ああ、少しふさぎ込んでいたが元気にしてる。娘は、よく分からん」
「そうなんだ」
 向こうでの生活を聞いているうちに見慣れた風景が広がってくる。
 山を背にしたショッピングモール。

『まもなく目的地です。ACを終了します。ステアリングを握ってください』
「従業員駐車場へ」
『一般駐車場への案内しか設定されていません。マニュアル走行でお試しください。……ACを終了します。ステアリングを握ってください』
「分かってたよ」
「つまらないね」
 ACが……。

「だろう?」
 駐車場の入り口手前で横道に入り、建物の裏に回る。裏口──従業員駐車場に入り空いている場所に停める。

「さあて、仮パスは生きてるかな~」
 車を降り、みんなで通用口の前まで行くとマキナがチェックボックスに携帯端末をかざす。赤の表示が緑に変わりドアのロックが外れる音がする。
 マキナがドアノブを回すと普通にドアが開く。

「こんにちは。これからお世話になる喜多村マキナです」
 入ってすぐに守衛の窓口があり、マキナが中に声をかける。

「こんにちは。出社はまだ先だと聞いてましたが」
「ええ、社長に挨拶あいさつしておこうかと思いまして。彼女たちの入館証を発行してもらえますか?」
「分かりました」

 守衛さんの差し出すタブレットに名前などを入力して首にかけるIDカードをもらっていく。

「喜多村キョウ……キョウ? もしかして少年K?」
「……そうみたいです」
 中年の守衛さんが窓口から頭を通さんばかりにのぞき見てくる。

「あの~……サ、サインください」
「は?」
「あ、いや……娘がファンなんですよ?」
「そうなんですね? 構いませんよ。先に手続き済ませてもらえますか?」
「喜んで!」
 何か、みんなからの視線が痛い。

「少年Kさんじょう、ビックリマークっと」
「ありがとうございます!」
 守衛室から出てきた守衛さんのワイシャツの背中に油性ペンで書きなぐる。
〝少年K参上! 喜多村 キョウ〟っておかしくない?

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