妄想日記2<<BEGINS>>

YAMATO

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Chapter3(臥籠編)

Chapter3-④【週末Not yet】

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「こんな物しかないけど。」
ジョージが缶の烏龍茶を持って来てくれた。
床に直に置くと、隣に座る。
二人並んだ姿が、壁に埋め込まれた鏡に映った。
イオリはジョージの股間に視線を移す。
今もいびつに盛り上がっている。
イオリは聞きたい事が山ほどあったが、何から話していいのか整理出来ずにいた。
「珍しいだろ?」
ジョージが口を開く。
「うん。驚いた!」
正直な感想を言う。
「元々、ここは発展場だったんだ。」
ジョージの答えは、ある程度予想していた。
「ジョージさんが経営してたの?」
イオリは気になるケージに目を向ける。
人が充分に入れる大きさだ。
中にあるチェーンの先に付いた首輪は空だった。
排便用の砂場も置いてある。
『ここに誰が入るんだろう?』
イオリの興味はそれに尽きた。
 
「いや、俺はここでバイトしてたんだ。
経営者は沖縄でバーをやっている。」
ジョージはそう言うと立ち上がる。
「見てくれよ。」
ショートパンツを脱ぎ捨てると、ケツワレ姿になった。
股間の盛り上がりが、凸凹でいびつだ。
ウエストゴムに手を掛けると、一気に下ろす。
「あっ!」イオリは再び驚愕する。
ジョージのペニスは貞操具で覆われていた。
「マジ、凄い!触っていい?」
イオリは答えを待たずに、貞操具に手を伸ばす。
南京錠で留められた貞操具は、決して外れそうもない。
「誰が鍵を持ってるの?」
イオリは上目遣いで聞く。
「その沖縄のマスターだ。
月に一度東京に来た時だけ、外して貰える。
但し、その期間はケージの中だがな。」
ジョージはケージに目を向ける。
「それはジョージさんが望んだこと?」
イオリは背中がゾクゾクするのを感じた。
「ああ。どうしようもないんだ。
普通のセックスじゃ、物足りねぇんだ。
マスターに飼われて、本当の快楽を知ったんだ。」
貞操具の中で膨らんだペニスが暴れている。
小さめのペニスケージの隙間から、亀頭の一部がボンレスハムの如くはみ出ていた。
真正Mのジョージに興味を抱く。
『イオリがこのドMを管理したい!』
イオリは立ち上がると、強引にキスをする。
「ちょっと待ってくんねぇか?」
瞬間、ジョージは唇を避けた。
「どういう事?」
キスを躱されたイオリは聞き返す。
「今夜、マスターがここに来る。
金曜日に帰るから、週末まで待って欲しいんだ。
キスしたら、歯止めが効かなくなる…。」
ジョージが訴えた。
「分かった…。だったら週末にキスをしよう。
それまでお預けだね。」
イオリは素直に引き下がる。
「こう見えても国大に通ってたんだ。
こんな道さえ知らなければ、今頃は官僚になってたぜ。」
ジョージは自虐気味に言うと、ショートパンツを拾った。
 
イオリは商店街を引き返す。
ランチ時は疾に過ぎてた。
仕方なくファーストフードで腹を満たす。
ハンバーグに食らい付きながら、ケージの中のジョージを想像する。
イオリの下半身は熱くなり、欲望のはけ口を求めた。
家に戻っても、下半身の欲求は失せそうもない。
こんな悶々とした気分では、仕事も手に付かない。
イオリはジョギングで、発散する事にした。
ロングスパッツに、タイトな白いTシャツを着て家を出る。
駅前を走り抜けると、改札から異様な男が出て来るのが目に入った。
イオリは看板の陰に隠れ、男を観察する。
この陽気に不似合いな革パンツを穿き、黒いタンクトップを着ていた。
ド短髪の頭に、長い揉み上げを伸ばしている。
サングラスと口髭の風貌から、イオリはピンときた。
『きっと沖縄から来たマスターだ。』
イオリは気付かれない様に後を追う。
マスターというイメージから年配者を想像したが、意外と若い。
30歳前後ではないだろうか。
先程食べたファーストフードに入った。
イオリもサングラスをして店に入る。
トレイを持った男の肘がイオリに当たった。
アイスコーヒーが倒れ、飛沫がイオリのTシャツを汚す。
「これはスマン。
服を汚しちまったな。」
ドスの利いた声で謝る。
サングラスの奥の視線が、股間に向けられている事をイオリは感じ取った。
 
 
(つづく)
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