妄想日記2<<BEGINS>>

YAMATO

文字の大きさ
25 / 147
Chapter3(臥籠編)

Chapter3-③【バンザイVenus】

しおりを挟む
イオリは遅い朝食を食べる為、11時からランチをやっている喫茶店に向かう。
商店街の反対側から歩いて来るジョージが見えた。
大量に買い込んだトイレットペーパーやティッシュを、両手いっぱいに持っている。
近くで子供が泣いていた。
ジョージは近寄ると、荷物を置いて話し掛けている。
焼けた腕を自販機の下に伸ばす。
子供が小銭を落としたのだろう。
這いつくばり、悪戦苦闘している。
「よっしゃ!」ジョージの声が聞こえ、引き抜いた手にコインが光った。
起き上がったジョージは両手を叩き、子供とハイタッチをする。
子供は笑顔で手を振った。
 
「荷物を持とうか?」
イオリが声を掛ける。
「おう、イオリか!」
子供に手を振っていたジョージが振り返った。
白いタンクトップと紺のショートパンツを穿いている。
荷物を持つために、腰を屈めた。
小さめのパンツが尻に張り付き、ケツワレのラインが浮かび上がる。
「別に平気さ。」
ジョージは強がって、荷物を全て持つ。
「持てない程のバーゲン品は、ヒーローに似合わないよ。」
イオリは強引にトイレットペーパーを奪い取る。
「悪いな。助かるよ。」
はにかんだ顔が礼を言う。
 
ジョージと肩を並べて歩き出す。
「家は近いの?」
イオリが聞く。
「ああ、5分程度かな。
商店街の外れなんだ。」
ジョージが答える。
「同じ駅だったんだ。」
イオリは少し歩くスピードを落とす。
プリッとした尻が艶めかしい。
『このケツを犯したい!』
イオリの中に欲望が生まれた。
「じゃあ、サンキュー!」
雑居ビルの前でジョージが言った。
「あれ、上げてくれないの?」
いかにも不本意といった感じで聞く。
「もしかして誰かいるの?」
イオリは立て続けに聞く。
「いや、そういう訳じゃないんだけど…。」
ジョージは考えあぐねている様子だ。
 
「お前って、口は固いか?」
困惑の表情で聞いてきた。
秘密の匂いを嗅ぎ取ったイオリは大きく頷く。
「口もチンコも固いよ。
だいたいこっちに知り合いなんていないしさ。」
話し易い様にジョークを交える。
「ヨウにも言うな。
だったら上げてやるよ。」
ジョージは荷物を持ち直すと、古びたビルに入った。
「ここに住んでるの?」
驚いたイオリが聞く。
「ああ。元はテナントビルだったんだ。
便が悪いんで、今はリフォームして一般向けの賃貸なんだ。」
ジョージは説明しながら、重そうな扉に鍵を差し込む。
「上には日サロも入っているし、俺的には便利なんだ。」
並んだ郵便受けを見て、イオリは尚も驚く。
「さあ、入ってくれよ。
初めて知り合いを入れるんだぜ。
驚くなよ。」ジョージが念を押す。
ジョージの秘密がこの中にあると思うと、胸が高まる。
中はカーテンが閉められ、真っ暗だ。
饐えた雄の臭いが鼻を付く。
ジョージがスイッチを押すと、何度か点滅した後照明が点いた。
「す、凄い!」
イオリは驚嘆の声をあげる。
広めのリビングには所狭しと、トレーニング機器が置かれていた。
そして部屋の隅に、この部屋には不釣り合いな大型犬用のケージがある。
「ペットを飼っているの?」
中に何も入っていないケージを見て、怪訝そうに聞く。
「まあ、おいおい話すさ。
その辺のベンチに座ってくれ。
ダンベルが転がっているから、気を付けろよ。」
ジョージが注意を促す。
言われるままに、ベンチに腰掛ける。
足元にあるダンベルは30キロや40キロで本格的な物ばかりだ。
『ここでどんなハードなトレーニングをしているんだろう?』
イオリは益々ジョージに興味を持った。
 
 
(つづく)
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

BL 男達の性事情

蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。 漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。 漁師の仕事は多岐にわたる。 例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。 陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、 多彩だ。 漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。 漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。 養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。 陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。 漁業の種類と言われる仕事がある。 漁師の仕事だ。 仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。 沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。 日本の漁師の多くがこの形態なのだ。 沖合(近海)漁業という仕事もある。 沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。 遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。 内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。 漁師の働き方は、さまざま。 漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。 出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。 休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。 個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。 漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。 専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。 資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。 漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。 食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。 地域との連携も必要である。 沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。 この物語の主人公は極楽翔太。18歳。 翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。 もう一人の主人公は木下英二。28歳。 地元で料理旅館を経営するオーナー。 翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。 この物語の始まりである。 この物語はフィクションです。 この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
鍛えられた肉体、高潔な魂―― それは選ばれし“供物”の条件。 山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。 見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。 誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。 心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。

スライムパンツとスライムスーツで、イチャイチャしよう!

ミクリ21
BL
とある変態の話。

処理中です...