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Chapter5(蜻蛉編)
Chapter5-⑨【エンドレス・サマー】
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デパートのガラスに金髪の男が映る。
確かに派手だ。
「イナズマのラインはイケてないので、クロスを入れときました。」
美容師の言葉を思い出す。
近付いて、顔を斜めにしてみる。
大きな剃り込みがXの字を描いていた。
思わず笑ってしまう。
目力がなさ過ぎる。
周囲を見渡し、サングラスを売っていそうな店を探す。
悪党には見えないにしても、ヤンチャさを装うしかない。
「いらっしゃい。
あらっ、どうしたの?
随分頑張ったみたいだけど、上京したての田舎の学生みたい。
でもその初々しさがイメージにピッタリ。」
「へっ?」サトルのリアクションに二の句が継げない。
「最初の構想とは変わるけど、こっちの方がいいわ。」
「で、俺に何をしろと?」
強がって言う。
「そんなに身構える必要はないわ。
サイトに載せる画像を撮影させて欲しいだけ。
ちょっと待ってて、店を閉めちゃうから。」
はち切れそうなタンクトップが店の外へ出ていった。
「クローズにしてきたから安心して。」
「モデルだったら、テツオの方がいいだろ?」
真っ黒に焼けた筋肉に白いタンクトップが艶かしい。
「半分当たりで、半分違うわ。」
「どういう意味?」
「確かにモデルとしての見映えはテツオが断トツよ。
但し、表ではね。」
「オモテ?」直ぐに漢字が変換出来ない。
「そう、前にバイト代を奮発して、テツオの拘束画像を撮ったのよ。
アタシの趣味が丸出しになって、通販サイトには不向きになっちゃったの。」
「どんな画像?見せてくれない?」
素っ気なく聞く。
「あらっ、見せてもらってないの?
だったら、こっちにいらっしゃい。」
サトルはレジのパソコンの向きを変えた。
夢で見た画像と似ていた。
荒縄に抗う筋肉は美しい。
食い込んだ縄により赤く染まる。
股間に浮かぶ貞操具の影も同じだった。
ただ大きく違うのは表情だ。
テツオは顔色一つ変えずに写っている。
夢の中の男は悶絶していた。
「これは流石にサイトに載せられなくてね。
で、裏サイトを作ったのよ。
お得意様専用のね。」
これを聞いて、やっとオモテが変換出来た。
「そうしたらこれが好評でね。
続編が見たいとリクエストが殺到しちゃって。
逆に続きを出さないと、もう買わないと言い出すお客もいてね。
サービスで始めたのに、お客なんて本当に勝手だわ。」
態とらしくサトルが溜め息を吐く。
段々サトルの魂胆が見えてきた。
「だったら客はテツオを望んでいるのでは?」
「それはさっきハズレと言ったでしょ。
下着のモデルならテツオがベストだわ。
でもね、この手のモデルになると不向きなのよ。
理由が分かる?」
母親様なの言い方に苛立ちを覚える。
「格好良過ぎるからだろ。」
適当に言ってみた。
「見た目の通り、明晰な様ね。
お客はこれを見て、自分を重ねるのよ。
その時、モデルが高嶺の花だと、引いて見ちゃうのよね。」
「それが俺だと丁度良いって訳か!」
吐き捨てる様に言う。
「ご名答!その点、シオンちゃんだと自分でも手が届くと思う訳よ。」
「でも俺はやらないぞ。」
「それにテツオの無表情がイケてないのよね。
あの日サロでの乱れ方を見て、ピンと来ちゃったのよ。
もうシオンちゃんしかいないと。」
シオンの拒絶を無視して話し続ける。
「ねっ、アタシを助けると思って、お願い。
この通り。」サトルは白々しく頭を下げた。
(つづく)
確かに派手だ。
「イナズマのラインはイケてないので、クロスを入れときました。」
美容師の言葉を思い出す。
近付いて、顔を斜めにしてみる。
大きな剃り込みがXの字を描いていた。
思わず笑ってしまう。
目力がなさ過ぎる。
周囲を見渡し、サングラスを売っていそうな店を探す。
悪党には見えないにしても、ヤンチャさを装うしかない。
「いらっしゃい。
あらっ、どうしたの?
随分頑張ったみたいだけど、上京したての田舎の学生みたい。
でもその初々しさがイメージにピッタリ。」
「へっ?」サトルのリアクションに二の句が継げない。
「最初の構想とは変わるけど、こっちの方がいいわ。」
「で、俺に何をしろと?」
強がって言う。
「そんなに身構える必要はないわ。
サイトに載せる画像を撮影させて欲しいだけ。
ちょっと待ってて、店を閉めちゃうから。」
はち切れそうなタンクトップが店の外へ出ていった。
「クローズにしてきたから安心して。」
「モデルだったら、テツオの方がいいだろ?」
真っ黒に焼けた筋肉に白いタンクトップが艶かしい。
「半分当たりで、半分違うわ。」
「どういう意味?」
「確かにモデルとしての見映えはテツオが断トツよ。
但し、表ではね。」
「オモテ?」直ぐに漢字が変換出来ない。
「そう、前にバイト代を奮発して、テツオの拘束画像を撮ったのよ。
アタシの趣味が丸出しになって、通販サイトには不向きになっちゃったの。」
「どんな画像?見せてくれない?」
素っ気なく聞く。
「あらっ、見せてもらってないの?
だったら、こっちにいらっしゃい。」
サトルはレジのパソコンの向きを変えた。
夢で見た画像と似ていた。
荒縄に抗う筋肉は美しい。
食い込んだ縄により赤く染まる。
股間に浮かぶ貞操具の影も同じだった。
ただ大きく違うのは表情だ。
テツオは顔色一つ変えずに写っている。
夢の中の男は悶絶していた。
「これは流石にサイトに載せられなくてね。
で、裏サイトを作ったのよ。
お得意様専用のね。」
これを聞いて、やっとオモテが変換出来た。
「そうしたらこれが好評でね。
続編が見たいとリクエストが殺到しちゃって。
逆に続きを出さないと、もう買わないと言い出すお客もいてね。
サービスで始めたのに、お客なんて本当に勝手だわ。」
態とらしくサトルが溜め息を吐く。
段々サトルの魂胆が見えてきた。
「だったら客はテツオを望んでいるのでは?」
「それはさっきハズレと言ったでしょ。
下着のモデルならテツオがベストだわ。
でもね、この手のモデルになると不向きなのよ。
理由が分かる?」
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「格好良過ぎるからだろ。」
適当に言ってみた。
「見た目の通り、明晰な様ね。
お客はこれを見て、自分を重ねるのよ。
その時、モデルが高嶺の花だと、引いて見ちゃうのよね。」
「それが俺だと丁度良いって訳か!」
吐き捨てる様に言う。
「ご名答!その点、シオンちゃんだと自分でも手が届くと思う訳よ。」
「でも俺はやらないぞ。」
「それにテツオの無表情がイケてないのよね。
あの日サロでの乱れ方を見て、ピンと来ちゃったのよ。
もうシオンちゃんしかいないと。」
シオンの拒絶を無視して話し続ける。
「ねっ、アタシを助けると思って、お願い。
この通り。」サトルは白々しく頭を下げた。
(つづく)
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