妄想日記1<<ORIGIN>>

YAMATO

文字の大きさ
210 / 354
Chapter18(聖夜編)

Chapter18-②【ピンク スパイダー】

しおりを挟む
停止ボタンを押す。
これ以上見ていられない。
もしかすると、カオルは翼が欲しくて、海外転勤を決めたのかもしれない。
蜘蛛の巣から見た空は高すぎただろう。
独りで悩んだカオルを思うと、三浦が非常に憎く思えた。
来週末、カオルが東京に来る。
三浦を懲らしめた事を話そうか悩む。
しかしこのDVDを見た事は話したくない。
伝え方を思案する。
「東京はやっぱ寒いな。」
入国ゲートから出て来たカオルは大袈裟に身震いして見せた。
「大袈裟だよ。今年は暖冬なのに。」
笑顔で手を振る。
「だってさ、飛行機乗る前は30度以上だぜ。
寒く感じるさ。」
カオルが手を差し出す。
握り締めた掌から、温もりが伝わってきた。
「もうすぐクリスマスだな。
メリークリスマス!」
カオルに肩を抱き寄せられ、歩き始める。
 
都内のホテルにチェックインし、二人きりになれた事を実感する。
無言のまま唇を寄せ合う。
会えなかった一ヶ月の空白を埋め尽くす様に唾液を貪る。
「やっと会えた!」
息苦しくなり、唇を離す。
「ああ、長かった。」
照れ屋のカオルが頭を掻く。
「タケルさんやユーキさんは元気か?
土産を買ってきたんだ。」
カオルがバッグを弄る。
「二人とも元気だよ。
ただタケルとはあまり会ってないけど…。」
窓に視線を移す。
どんよりした空は今にも振り出しそうだ。
「会ってないって、別れたのか?」
カオルの手が止まった。
「うん、振られちゃった。」
複雑な思いで言う。
「悪いことしちゃったな…。」
暫く無言が続いた後、カオルがボソッと呟く。
そしてまた沈黙が訪れた。
 
立ち上がり、コートを脱ぐ。
「あっ!それ、俺があげたスーパーマンのスーツだ。」
カオルの目が輝く。
「カオルと会えない間、ずっと着てたよ。」
照れ臭く、頭を掻く仕種を真似る。
「マジかよ!お世話でも嬉しい!」
カオルがタックルしてきて、そのままベッドに倒れ込んだ。
「ヤマトさんのこのデカ乳首が懐かしい。」
スーツの上から乳首を引っ張る。
久し振りに会ったカオルはさん付けに戻っていた。
「ああ、たまんないよ。」
久し振りに乳首責めを受け、快感が蘇る。
カオルは股間を触りながら、乳首を吸い、噛み、引っ張る。
「ヤマトさんは噛まれた時が、一番感じるみたいだな。」
嬉しそうに舌を這わす。
確かに最近は痛みを伴わないと、興奮しなくなっていた。
食い込んだ歯が乳首を責め立てる。
熱くなる股間を察し、歯力が増す。
「ああぁぁあ!」快感に、つい声が大きくなる。
「俺の観察通りだな。」
微笑んだカオルが服を脱ぐ。
ジーンズを脱ぎ捨てると、オレンジのTバックを穿いていた。
ガタイには小さ過ぎるTバックははち切れそうだ。
カオルはそのままの格好で、バスローブの腰紐を持って来た。
一本目の腰紐で、両腕を背中で固定する。
二本目で椅子に縛り付けた。
 
「ヤマトさんに会えるのが楽しみで、このTバックは一週間穿きっ放しだぜ。
どうして欲しい?」カオルがニヤニヤする。
カオルの全てが欲しい。
「く、口に欲しい。」
譫言のように言う。
「だよな。仕事中も、筋トレ中も、ずっと穿きっ放しだ。
そしてヤマトさんに会ってからは先走りが出まくりだ。」
Tバックの両サイドを引っ張り、勿体振る。
「こんなに待ったんだから、そう簡単にはあげられないな。」
焦られ、余計にTバックを欲した。
「折角、捕獲したスーパーマンだ。
たっぷり甚振らないとな。」
カオルは脱ぎ捨てたジーンズからベルトを外すと、空中で振り回す。
『シュッ!シュッ!』
空を切る音がする。
「で、どうして欲しい?」
カオルの表情が冷酷なものに変わった。
「打ち付けて欲しいっす!」
欲情しきった身体が痛覚への刺激を欲した。
 
 
(つづく)
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

寮生活のイジメ【社会人版】

ポコたん
BL
田舎から出てきた真面目な社会人が先輩社員に性的イジメされそのあと仕返しをする創作BL小説 【この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。】 全四話 毎週日曜日の正午に一話ずつ公開

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

スライムパンツとスライムスーツで、イチャイチャしよう!

ミクリ21
BL
とある変態の話。

今度こそ、どんな診療が俺を 待っているのか

相馬昴
BL
強靭な肉体を持つ男・相馬昴は、診療台の上で運命に翻弄されていく。 相手は、年下の執着攻め——そして、彼一人では終わらない。 ガチムチ受け×年下×複数攻めという禁断の関係が、徐々に相馬の本能を暴いていく。 雄の香りと快楽に塗れながら、男たちの欲望の的となる彼の身体。 その結末は、甘美な支配か、それとも—— 背徳的な医師×患者、欲と心理が交錯する濃密BL長編! https://ci-en.dlsite.com/creator/30033/article/1422322

処理中です...