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Chapter14(情動編)
Chapter14-⑦【視線の挑発】
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フリーウェイトエリアを二人で歩く。
多くの人がフィットしたウェアを着用している。
年配者の多い公共のジムと雰囲気が違う。
高重量を上げる男性が多い。
それに比例して、身体も皆大きい。
見た事のない高重量のダンベルが転がっていた。
荒ぶる呼吸と呻き声が交錯している。
一番の違いが視線だと気付く。
二人が通る時、殆どの者が直に見るのではなく、鏡越しに見ていた。
「うちはオカマ率が高いからこんな格好でもOKだ。
だがな、競パンはダメだ。
どんなに小さくても、ピチピチでも上下着てもらう。
覚えておけ。」
「うっす!」
「おっ、デクラインベンチが空いたぞ。
乳首強化にはもってこいだ。」
ウィリアムズが移動すると、それに合わせて周囲の視線も動く。
それに動じる様子はない。
股間の膨らみを大きく揺らしながら、堂々と歩いている。
鏡越しの視線は執拗に後を追いかけてきた。
亀頭が膨らむのが分かる。
ウィリアムズは追ってくる視線を楽しんでいる様だ。
「普段は何キロのダンベルを使ってるんだ?」
「30キロっす。」
「たった30キロか?」
「学校のトレーニング室ではそれが、一番の重いっす。」
「だったらここに入会しろ。
ダンベルは60キロ迄あるぞ。
タンニングマシンもある。
ここならもっと大きく、もっと黒くなれる。
入会したら間違いなく、お前は最強だ。」
「俺が最強っすか…。」
黒い男は皆、レスリーより劣って見えた。
その黒い男達の中には自分も含まれている。
どうしても越えられない高い壁があった。
どんなに頑張っても、ナショナルチームから声は掛からない。
肩、胸、腕、背中、脚、どれ一つレスリーを越える部位はなかった。
いつしか尊敬は劣等感に変わっていたのだ。
「ダンベルは上げるんじゃねぇ。
胸を寄せる為の道具だ。
二つの大胸筋をくっ付けるんだ。
おいらがその豊満な大胸筋を鋼にしてやる。」
ウィリアムズが掌を両肘に添える。
40キロのダンベルが空中で震えた。
「おらっ、プッシュ!
プッシュ!」
発達した大殿筋が顔を覆う。
饐えた臭いに顔が歪む。
「うりゃ!」
二つのダンベルを当たる直前で止める。
1センチにも満たない間隔でキープした。
頭の中で、くっ付く大胸筋をイメージする。
大量の雄臭が鼻腔から雪崩れ込む。
「おりゃ!」
膨らんだ亀頭が声と同時に弾けた。
「いいぞ、その調子だ!
もっと持ち上げろ。
気合い入れろ!」
下がった大殿筋が鼻を潰し、口を塞いだ。
ペニスが濡れたスパッツを持ち上げる。
ダンベルを上げる度に濡れた面積が拡大していく。
亀頭の割れ目から、粘っこい液体が次々に溢れ出た。
「おぉぉぉ…。」
呻き声が微かに聞こえた。
多くの視線を感じる。
スパッツをより持ち上げ、より亀頭を膨らます。
すると、その感覚は一層強まった。
濡れたスパッツに視線が集まる。
ウィリアムズではなく、自分の股間に。
学校での筋トレが酷く馬鹿らしく思えた。
モチベーションが上がらないのはレスリーがいないから。
ずっとそう思ってきた。
それが勘違いだと気付く。
自分のモチベーションはより強い視線から生まれる事を知る。
(つづく)
多くの人がフィットしたウェアを着用している。
年配者の多い公共のジムと雰囲気が違う。
高重量を上げる男性が多い。
それに比例して、身体も皆大きい。
見た事のない高重量のダンベルが転がっていた。
荒ぶる呼吸と呻き声が交錯している。
一番の違いが視線だと気付く。
二人が通る時、殆どの者が直に見るのではなく、鏡越しに見ていた。
「うちはオカマ率が高いからこんな格好でもOKだ。
だがな、競パンはダメだ。
どんなに小さくても、ピチピチでも上下着てもらう。
覚えておけ。」
「うっす!」
「おっ、デクラインベンチが空いたぞ。
乳首強化にはもってこいだ。」
ウィリアムズが移動すると、それに合わせて周囲の視線も動く。
それに動じる様子はない。
股間の膨らみを大きく揺らしながら、堂々と歩いている。
鏡越しの視線は執拗に後を追いかけてきた。
亀頭が膨らむのが分かる。
ウィリアムズは追ってくる視線を楽しんでいる様だ。
「普段は何キロのダンベルを使ってるんだ?」
「30キロっす。」
「たった30キロか?」
「学校のトレーニング室ではそれが、一番の重いっす。」
「だったらここに入会しろ。
ダンベルは60キロ迄あるぞ。
タンニングマシンもある。
ここならもっと大きく、もっと黒くなれる。
入会したら間違いなく、お前は最強だ。」
「俺が最強っすか…。」
黒い男は皆、レスリーより劣って見えた。
その黒い男達の中には自分も含まれている。
どうしても越えられない高い壁があった。
どんなに頑張っても、ナショナルチームから声は掛からない。
肩、胸、腕、背中、脚、どれ一つレスリーを越える部位はなかった。
いつしか尊敬は劣等感に変わっていたのだ。
「ダンベルは上げるんじゃねぇ。
胸を寄せる為の道具だ。
二つの大胸筋をくっ付けるんだ。
おいらがその豊満な大胸筋を鋼にしてやる。」
ウィリアムズが掌を両肘に添える。
40キロのダンベルが空中で震えた。
「おらっ、プッシュ!
プッシュ!」
発達した大殿筋が顔を覆う。
饐えた臭いに顔が歪む。
「うりゃ!」
二つのダンベルを当たる直前で止める。
1センチにも満たない間隔でキープした。
頭の中で、くっ付く大胸筋をイメージする。
大量の雄臭が鼻腔から雪崩れ込む。
「おりゃ!」
膨らんだ亀頭が声と同時に弾けた。
「いいぞ、その調子だ!
もっと持ち上げろ。
気合い入れろ!」
下がった大殿筋が鼻を潰し、口を塞いだ。
ペニスが濡れたスパッツを持ち上げる。
ダンベルを上げる度に濡れた面積が拡大していく。
亀頭の割れ目から、粘っこい液体が次々に溢れ出た。
「おぉぉぉ…。」
呻き声が微かに聞こえた。
多くの視線を感じる。
スパッツをより持ち上げ、より亀頭を膨らます。
すると、その感覚は一層強まった。
濡れたスパッツに視線が集まる。
ウィリアムズではなく、自分の股間に。
学校での筋トレが酷く馬鹿らしく思えた。
モチベーションが上がらないのはレスリーがいないから。
ずっとそう思ってきた。
それが勘違いだと気付く。
自分のモチベーションはより強い視線から生まれる事を知る。
(つづく)
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