妄想日記8<<FLOWERS>>

YAMATO

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Chapter14(情動編)

Chapter14-⑫【黄色い犬】

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「うぉー、たまんねぇ。
外人の体臭はめちゃくちゃ濃いな。」
「おい、ナオさっさと寄越せ。
鮮度が落ちるだろ。」
ビルパンの取り合いをする二人を羨ましく思う。
ギンに友達と呼べる存在はいない。
レスリーとの仲が異常に深かった分、その中へ入ってくる者はいなかった。
一年生が終わる頃には、仲の良いグループは出来上がっている。
レスリーがいなくなったからといって、グループへ入る事はしなかった。
そして誘われる事もない。

「今日は勿論、泊まっていくだろ?」
ナオは穏やかな物言いが多い。
「どうせ暇してんだろ。
泊まっていけ。」
それに比べると、ケンタの言い方にはトゲがある。
「あざっす。
じゃあ、遠慮なく。」
「俺達にもこんな初々しい頃があったよな。」
「遥か前過ぎて、思い出せないけど。
まあ、オカマのイロハを教えてやるよ。」
「まずはイントロダクションとして、俺達のビデオを見せてやる。
ギンはタチウケどっちだ?」
ナオがプレイヤーにDVDをセットしながら聞く。
「タチウケって、何すか?」
「ほぉ、正真正銘の初心者だな。
これは教え甲斐があるってもんだ。
手取り足取りレッスンしてやるか。」
ナオがニヤリと笑った。

「タチは掘る方、ウケは掘られる方だ。」
「だったらどっちも経験あるっすけど。」
「それなら、お前はリバだ。
トコロテンはしたことあるか?
あればウケ寄りのリバ、なければタチ寄りのリバだな。」
「リバに、トコロテンっすか…。」
初めて聞く単語を頭に叩き込む。
真っ黒な画面に『筋肉調教堕ちたマッチョ』の文字が浮かんだ。
習った事から推てみる。
ナオがウケで、ケンタがタチだろう。
しかし実際は逆だった。
ナオの往復ビンタから始まる。
温和そうなナオが責め、厳ついケンタが泣き叫ぶ。
頬が赤くなるにつれ、ケンタの目付きが変わっていく。
一見簡単な問題こそ、実は複雑なのだ。
「ケンタ、何が欲しいんだ。」
画面の中のナオが聞く。
「ナオ様の全てが欲しいです。」
今の表情からは想像がつかないアホ面が訴える。
髭で覆われた口元から唾液が溢れていた。
「強欲な奴だ。
口を開けろ。
まずは俺の奴隷になった証だ。」
ケンタの唇が大きく開く。
そこへ黄金色の小水か着水した。
うっとりした面持ちで、喉仏が忙しく動く。
処理しきれない小便が髭を濡らした。

「オカマは何故、ションベンが好きなんすか?」
「それはな、精神論だ。
モテる奴や高学歴に多い傾向だ。
堕ちた自分に非日常性を覚える。
こんなにイケてる俺が、こんな事をしている。
肉体ではなく、精神が興奮へ向かうんだ。
日頃威張ってる奴程、どんなえげつない命令でも聞くようになる。
覚えておけ。」
ナオが蘊蓄を述べた。
自分はモテもしないし、高学歴でもない。
だがウィリアムズの小便に欲情した。
「そういう趣味の奴って、多いんすか?」
「多くもないが、少なくもない。
俺の小便を飲んでみるか?
それともケンタのがいいか?」
「両方っす。」
考える前に口が開く。
どうしてレスリーのを飲まなかったのか、後悔が止まない。
だったら後悔する前に、実行あるのみだ。

(つづく)
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