噂の女神様

aie

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1 サリー

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ある大きな山の麓にある小さな町。
この町には誰もが知る噂がある。

「あの山には女神様のように美しい女性が住んでいる。」

そんな噂があるとも知らず、噂の張本人サリーは山の奥深く小さな家でお爺さんのドルタ、犬のペルと暮らしていた。
サリーがまだ1歳になる前に母に連れられこの家にやって来たらしい。
体の弱かった母はサリーが4歳の時に亡くなってしまった。
それからはサリー、ドルタ、ペルの2人と1匹の暮らしである。
それでもサリーは毎日明るく楽しく暮らしていた。

「おじいちゃん!朝ご飯できたわよ。」
「今日は麓の町に行くんでしょ?気をつけてね。」

ドルタは熟練の狩人である。
猪や鹿を狩り、その毛皮や牙、角を山の麓の町で売るために度々町に行っていた。
サリーも一度だけドルタについて町に行ったことがあったが行き帰りでどっと疲れてしまい、それからは一度も町に行っていない。

サリーはこの山での暮らしを楽しんでいた。
家の周りの畑でたくさんの野菜を育てている。
毎日水をやり、雑草を抜き、ご飯に必要な分だけ収穫している。
収穫した野菜とドルタが狩ってきた肉を使い食事の用意をするのもサリーの仕事である。
家から出て少し山を登ると色とりどりの花が咲くお花畑がある。
ここでゴロンと横になり、ペルとお昼寝する時がサリーにとって一番幸せな時間だった。
こうしてバタバタしながらも楽しい暮らしをしていた。

バタン!

「おじいちゃん、おかえりなさい。」
「どうしたの?少し顔色悪いよ?」

サリーが夕飯の準備をしていると、ドルタが町から帰ってきた。
だが顔色が悪い。
ドルタが口を開く。

「この山に熊が出ていると町で聞いたのじゃ。町の狩人が何人かやられたらしくてのぉ、、」
「帰る途中、遠くからその熊を見かけたんじゃが、あれはわし一人ではどうにもできん、、」
「この山に熊が出た事はなかったんじゃが、、どうしたものか、、」

ドルタは何か考え込んでいるようだった。

次の日の朝、ドルタがサリーに話し始めた。

「サリーよ、しばらくの間町で暮らそう。」
「ここにいるのは危険じゃ。荷物をまとめて明日にでもここを出よう。」

サリーは山での暮らしを気に入っていた。
しかし、ドルタの表情を見て決心した。

「そう、、そんなに危ないのならば仕方ないわね。」
「おじいちゃんと一緒ならば町での生活もきっと楽しいわ!」
「ペルもね!」

次の日、荷物をまとめてサリー達は家を出発した。
2時間ほど歩き麓の町までやってきた。
幸い熊に鉢合わせる事もなく、無事に山を降りてこられた。

サリーの新たな生活が始まる。
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