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居候な隣国国王の卒業式!
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隣国の国王クリス・バティストが家庭の事情でダイアナ女王陛下が統治する国に落武者よろしく亡命し、ミモザ殿下の慈悲で賓客として迎えられてしまった。
少年花嫁にして王太子妃であるナナは王太子コクトーの宮殿である東宮で生活しているが、その新婚生活の御殿である東宮にクリス・バティスト王の滞在が決まってしまう。
「滞在じゃなくて居候だけどな!」
王太子コクトーの安全を考慮するならばクリス・バティスト王の東宮滞在を反対しそうなモモが予想に反して面白がり、クリス・バティスト王の居候生活を認めている。
ナナとしてはモモの寛容な態度が意外であった。
「モモはコクトーの教育係だろ? 絶対に反対すると思った」
率直に疑問を口に出すナナに向かってモモは懐かしそうに笑いながら言ったのである。
「ミモザ殿下は変わってねーなって面白くてな。あのお方はガキの頃から困ってるヤツを放ってはおけない性格だった。策略家なようで慈悲深い。そういうミモザ殿下だから慕う者があとを絶たないんだ」
「たしかに、ミモザ殿下って基本は人助けばっかしてんな? 俺を祖国の内乱勃発前にコクトーの花嫁にすることで内乱から遠ざけ、内輪揉めの犠牲になった俺の姉上を助けて。遂には隣国の国王まで助けてる」
聡明な策略家でもあるミモザ殿下のことだから単なる慈悲以外に計略もあるだろう。しかし、ナナとその姉姫ルリをそこまでして救う義理はミモザ殿下には無いのだ。
「クリス・バティスト王はやっぱ隣国の国王だから恩を売りたいとかか?」
推測を述べるナナに対してモモはニヤリとしながら告げてくる。
「家族に保険金殺人させられそうな王でもクリス・バティストは隣国の国王だ。ミモザ殿下にとっては鴨がネギを背負ってくるようなもん」
「そうなのか? ネギどころか、あのオッサンは無一文で落武者同然だったぞ? マジでミモザ殿下の考えは謎だ」
理解に苦しむナナが息を吐くとモモは小声で少し種明かしをした。
「クリス・バティスト王は国王陛下を卒業するとミモザ殿下の前で……。もっと言うとダイアナ女王陛下の御前で宣言した。その意味を考えてみな?」
それだけ告げるとモモは仕事があるらしく、側で聞いていたマックスに東宮の警備を更に厳重にしろと命じて行ってしまった。
残されたナナはマックスに問いかける。
「東宮の警備よりクリス・バティスト王がコクトーに危害を加えないか警戒する方が先じゃね?」
「その心配はないです。考えてみてください。クリス・バティスト王に王太子コクトー殿下を殺すメリットなんて皆無であり、むしろ危害を加えたら不利になる可能性の方が高い。モモ様が警備を強化させる理由は、隣国の王家保険金殺人未遂に東宮が巻き込まれぬようにですから」
隣国は疎ましい者はたとえ家族でも殺すのを躊躇わない国民性だとマックスがナナに説明していると広間の方が急に騒がしくなってきた。
なにか事件かとナナとマックスが同時に駆けつけると、東宮の使用人たちや王太子コクトーを前にクリス・バティスト王が咆哮している。気でもおかしくなったのかとナナが咄嗟にコクトーを守ろうとしたら当のコクトーは苦笑いしていた。
「クリス・バティスト国王陛下が卒業式をするって。だから仕事中の東宮のみんなが集まってるんだよ」
「は? 皆、忙しいのに。あのオッサンはなに考えてるんだ?」
とりあえずナナはコクトーに危害がおよばないよう様子を伺っていたがクリス・バティスト王はなにもしてこない。
そして、卒業式が執り行われた。
「庭園の薔薇が満開の春! 満開の春! わたし、クリス・バティストは。国王を! 卒業します! 国王を! 卒業します!」
薔薇はまだ咲いていないし、春は少し先であり、クリス・バティスト王は一緒に叫んでくれる人がいないため同じ言葉を復唱している。
このシュールすぎる卒業式を見ていてもマックスを始め東宮の近衛隊は警戒せず、使用人たちも普通に鑑賞し、コクトーは笑顔で見守り、ナナだけがドン引き状態だったが卒業式は続く。
「楽しかった! 狩猟大会! 複数の猟犬に襲いかかられ、わたしが獲物と勘違いされたけど! 勘違いされたけど! 愛犬のシリウスだけは、わたしを襲わず近くのメス犬と交尾をしていました! 交尾をしてました!」
「それ狩猟大会とは言わなくね?」
ナナが呟くとコクトーは堪えたが、東宮のギャラリーは爆笑し始めた。にわかに盛り上がる中、卒業は更に進んでいく。
クリス・バティスト王の咆哮は止まらない。
「最高に感動した! 宮廷オペラ! 楽人が練習不足で! オーケストラも歌手も音程はずしてたけど! トリでわたしが国王としてミモザ殿下作詞作曲の歌を熱唱したのは素晴らしい思い出です!」
ヤル気ない宮廷楽士よりミモザ殿下の作詞作曲した歌がすごく気になる!
そんな風にナナが思っていると、クリス・バティスト王は衝撃的なことを宣言した。
「宣誓! わたしは隣国国王として、保険金殺人を企てた家族を王家から廃し! 我が祖国はミモザ殿下に委任する! つまり! ダイアナ女王陛下の国家の属国にすることを誓います! なので、隣国は……解散!」
国王が国家に解散宣言をしたことは正式に隣国がダイアナ女王陛下の統治下になることを意味する。それは流石にダメだろ、とナナが焦った瞬間にコクトーが勅命書を見せてくれた。
「これはクリス・バティスト王直筆の勅命書だよ。まだ退位されていない隣国の国王陛下が直々に統治権を譲ってくれた」
「つまり、クリス・バティスト王は初めからダイアナ女王陛下とミモザ殿下に国の運営を譲る算段だったんだな」
この勅命書の効果で隣国は実質的にダイアナ女王陛下の国の属国になる。身内に保険金殺人を計画されたクリス・バティスト王の渾身の反撃であった。
「とりあえず。隣国を支配できるのはよかったな」
ナナが半ば信じられないように告げるとコクトーはソッと耳打ちして真相を話してくれた。
「そもそもミモザ父上はいずれは隣国に大鉈を振るうお考えだったよ。クリス・バティスト王もそれに賛成していた。だからこうなる運命だったんだよ」
「大鉈振るう引き金が王妃の保険金殺人計画かよ。そりゃ、モモが東宮の警備を強化した理由がわかる」
納得しているナナとそれに寄り添うコクトーをしり目に最後にクリス・バティスト王は卒業式をこう締めくくった。
「最後にすでに亡国となる我が国の国家斉唱ははぶいて! ミモザ殿下作詞作曲の名曲! 「変態観測」を斉唱します! どうぞ!」
変態観測って何だよ?
クリス・バティスト王は可哀想な状態だが、ミモザ殿下も相当に頭イカれてる。
そうしているうちにクリス・バティスト王の熱唱が始まり、東宮はライブの如く盛り上がった。
「午前2時♪ 西の離宮の窓辺をソッと眺めていた♪
人影が現れた♪ パンツは♪ はいてないらしい♪
※中略
見せてはダメなもの見せて♪ 留置場にぶちこまれる♪
パンイチで♪ 歩いたら♪ いくつもの炎上生まれたよ♪ 」
熱唱するクリス・バティスト王に東宮スタッフは熱狂して収拾がつかない状態だが、ナナはこれを作詞作曲したミモザ殿下が全方向から怒られないか気にしていた。
「ミモザ殿下の「変態観測」ヤバイぞ! ミモザ殿下の精神状態は正気か!?」
心配しまくるナナのとなりでコクトーは笑顔で優しく告げたのだ。
「モモが教えてくれた。ミモザ父上はモモと2人だけの時にだけ、変な歌を即興で歌うって。素晴らしい即興だよね?」
だから! ミモザ殿下を全肯定すんな!
そんなナナの叫びはクリス・バティスト王が歌いまくる「変態観測」によってかき消された。
「股間から♪ ほうき星♪
門兵♪ 2人♪ 追いかけてた♪ おお!♪ イエイ!!♪ ああ!♪」
隣国もやばくてダメだが、この国も相当にヤバイとナナは覚悟したのである。
こうしてクリス・バティスト王の国王放棄卒業式は東宮で大熱狂のなか幕を閉じた。
――
王宮の本宮のミモザ殿下の執務室では隣国への処遇を記す書簡を書きながらミモザ殿下が即興で口ずさんでいた。
「しあわせになりたい♪ ヒモで生きていたい♪ スネをかじって生きてたい♪ 姉上に♪ たか~り~♪ な~がら♪」
聞かれたらいろいろアウトな歌を口ずさむミモザ殿下に対してモモは突っ込んだ。
「ミモザ殿下。アンタ、王子の頃は王族でなく平民で自由に生きたいとかほざいてたが。現在の本音はヒモかよ!? 昔からわりかしヒモだったけどな!」
「戯れの歌だよ。モモ、聞き流しておくれ」
ミモザ殿下は口角下げた澄ました顔でモモに書簡を渡した。
「これで正式に隣国は我が国の属国となる。クリス・バティスト王の勅命書に調印したから王妃たちも文句はいえまい?」
「ミモザ殿下? こうなるって予想してたのかよ?」
モモが念のために訊ねるとミモザ殿下は口角を上げて微笑んだ。
かくして、保険金殺人を企てたクリス・バティスト王の家族は失脚して、隣国の統治権はダイアナ女王――そして、ミモザ殿下のものとなった。
変態観測を作詞作曲しても、姉上のスネをかじりたいと歌っても仕事は完璧なミモザ殿下の勝利である。
クリス・バティスト王はその後もコクトーが運営をする東宮でマジ居候して平穏に暮らした。
【続く!】
少年花嫁にして王太子妃であるナナは王太子コクトーの宮殿である東宮で生活しているが、その新婚生活の御殿である東宮にクリス・バティスト王の滞在が決まってしまう。
「滞在じゃなくて居候だけどな!」
王太子コクトーの安全を考慮するならばクリス・バティスト王の東宮滞在を反対しそうなモモが予想に反して面白がり、クリス・バティスト王の居候生活を認めている。
ナナとしてはモモの寛容な態度が意外であった。
「モモはコクトーの教育係だろ? 絶対に反対すると思った」
率直に疑問を口に出すナナに向かってモモは懐かしそうに笑いながら言ったのである。
「ミモザ殿下は変わってねーなって面白くてな。あのお方はガキの頃から困ってるヤツを放ってはおけない性格だった。策略家なようで慈悲深い。そういうミモザ殿下だから慕う者があとを絶たないんだ」
「たしかに、ミモザ殿下って基本は人助けばっかしてんな? 俺を祖国の内乱勃発前にコクトーの花嫁にすることで内乱から遠ざけ、内輪揉めの犠牲になった俺の姉上を助けて。遂には隣国の国王まで助けてる」
聡明な策略家でもあるミモザ殿下のことだから単なる慈悲以外に計略もあるだろう。しかし、ナナとその姉姫ルリをそこまでして救う義理はミモザ殿下には無いのだ。
「クリス・バティスト王はやっぱ隣国の国王だから恩を売りたいとかか?」
推測を述べるナナに対してモモはニヤリとしながら告げてくる。
「家族に保険金殺人させられそうな王でもクリス・バティストは隣国の国王だ。ミモザ殿下にとっては鴨がネギを背負ってくるようなもん」
「そうなのか? ネギどころか、あのオッサンは無一文で落武者同然だったぞ? マジでミモザ殿下の考えは謎だ」
理解に苦しむナナが息を吐くとモモは小声で少し種明かしをした。
「クリス・バティスト王は国王陛下を卒業するとミモザ殿下の前で……。もっと言うとダイアナ女王陛下の御前で宣言した。その意味を考えてみな?」
それだけ告げるとモモは仕事があるらしく、側で聞いていたマックスに東宮の警備を更に厳重にしろと命じて行ってしまった。
残されたナナはマックスに問いかける。
「東宮の警備よりクリス・バティスト王がコクトーに危害を加えないか警戒する方が先じゃね?」
「その心配はないです。考えてみてください。クリス・バティスト王に王太子コクトー殿下を殺すメリットなんて皆無であり、むしろ危害を加えたら不利になる可能性の方が高い。モモ様が警備を強化させる理由は、隣国の王家保険金殺人未遂に東宮が巻き込まれぬようにですから」
隣国は疎ましい者はたとえ家族でも殺すのを躊躇わない国民性だとマックスがナナに説明していると広間の方が急に騒がしくなってきた。
なにか事件かとナナとマックスが同時に駆けつけると、東宮の使用人たちや王太子コクトーを前にクリス・バティスト王が咆哮している。気でもおかしくなったのかとナナが咄嗟にコクトーを守ろうとしたら当のコクトーは苦笑いしていた。
「クリス・バティスト国王陛下が卒業式をするって。だから仕事中の東宮のみんなが集まってるんだよ」
「は? 皆、忙しいのに。あのオッサンはなに考えてるんだ?」
とりあえずナナはコクトーに危害がおよばないよう様子を伺っていたがクリス・バティスト王はなにもしてこない。
そして、卒業式が執り行われた。
「庭園の薔薇が満開の春! 満開の春! わたし、クリス・バティストは。国王を! 卒業します! 国王を! 卒業します!」
薔薇はまだ咲いていないし、春は少し先であり、クリス・バティスト王は一緒に叫んでくれる人がいないため同じ言葉を復唱している。
このシュールすぎる卒業式を見ていてもマックスを始め東宮の近衛隊は警戒せず、使用人たちも普通に鑑賞し、コクトーは笑顔で見守り、ナナだけがドン引き状態だったが卒業式は続く。
「楽しかった! 狩猟大会! 複数の猟犬に襲いかかられ、わたしが獲物と勘違いされたけど! 勘違いされたけど! 愛犬のシリウスだけは、わたしを襲わず近くのメス犬と交尾をしていました! 交尾をしてました!」
「それ狩猟大会とは言わなくね?」
ナナが呟くとコクトーは堪えたが、東宮のギャラリーは爆笑し始めた。にわかに盛り上がる中、卒業は更に進んでいく。
クリス・バティスト王の咆哮は止まらない。
「最高に感動した! 宮廷オペラ! 楽人が練習不足で! オーケストラも歌手も音程はずしてたけど! トリでわたしが国王としてミモザ殿下作詞作曲の歌を熱唱したのは素晴らしい思い出です!」
ヤル気ない宮廷楽士よりミモザ殿下の作詞作曲した歌がすごく気になる!
そんな風にナナが思っていると、クリス・バティスト王は衝撃的なことを宣言した。
「宣誓! わたしは隣国国王として、保険金殺人を企てた家族を王家から廃し! 我が祖国はミモザ殿下に委任する! つまり! ダイアナ女王陛下の国家の属国にすることを誓います! なので、隣国は……解散!」
国王が国家に解散宣言をしたことは正式に隣国がダイアナ女王陛下の統治下になることを意味する。それは流石にダメだろ、とナナが焦った瞬間にコクトーが勅命書を見せてくれた。
「これはクリス・バティスト王直筆の勅命書だよ。まだ退位されていない隣国の国王陛下が直々に統治権を譲ってくれた」
「つまり、クリス・バティスト王は初めからダイアナ女王陛下とミモザ殿下に国の運営を譲る算段だったんだな」
この勅命書の効果で隣国は実質的にダイアナ女王陛下の国の属国になる。身内に保険金殺人を計画されたクリス・バティスト王の渾身の反撃であった。
「とりあえず。隣国を支配できるのはよかったな」
ナナが半ば信じられないように告げるとコクトーはソッと耳打ちして真相を話してくれた。
「そもそもミモザ父上はいずれは隣国に大鉈を振るうお考えだったよ。クリス・バティスト王もそれに賛成していた。だからこうなる運命だったんだよ」
「大鉈振るう引き金が王妃の保険金殺人計画かよ。そりゃ、モモが東宮の警備を強化した理由がわかる」
納得しているナナとそれに寄り添うコクトーをしり目に最後にクリス・バティスト王は卒業式をこう締めくくった。
「最後にすでに亡国となる我が国の国家斉唱ははぶいて! ミモザ殿下作詞作曲の名曲! 「変態観測」を斉唱します! どうぞ!」
変態観測って何だよ?
クリス・バティスト王は可哀想な状態だが、ミモザ殿下も相当に頭イカれてる。
そうしているうちにクリス・バティスト王の熱唱が始まり、東宮はライブの如く盛り上がった。
「午前2時♪ 西の離宮の窓辺をソッと眺めていた♪
人影が現れた♪ パンツは♪ はいてないらしい♪
※中略
見せてはダメなもの見せて♪ 留置場にぶちこまれる♪
パンイチで♪ 歩いたら♪ いくつもの炎上生まれたよ♪ 」
熱唱するクリス・バティスト王に東宮スタッフは熱狂して収拾がつかない状態だが、ナナはこれを作詞作曲したミモザ殿下が全方向から怒られないか気にしていた。
「ミモザ殿下の「変態観測」ヤバイぞ! ミモザ殿下の精神状態は正気か!?」
心配しまくるナナのとなりでコクトーは笑顔で優しく告げたのだ。
「モモが教えてくれた。ミモザ父上はモモと2人だけの時にだけ、変な歌を即興で歌うって。素晴らしい即興だよね?」
だから! ミモザ殿下を全肯定すんな!
そんなナナの叫びはクリス・バティスト王が歌いまくる「変態観測」によってかき消された。
「股間から♪ ほうき星♪
門兵♪ 2人♪ 追いかけてた♪ おお!♪ イエイ!!♪ ああ!♪」
隣国もやばくてダメだが、この国も相当にヤバイとナナは覚悟したのである。
こうしてクリス・バティスト王の国王放棄卒業式は東宮で大熱狂のなか幕を閉じた。
――
王宮の本宮のミモザ殿下の執務室では隣国への処遇を記す書簡を書きながらミモザ殿下が即興で口ずさんでいた。
「しあわせになりたい♪ ヒモで生きていたい♪ スネをかじって生きてたい♪ 姉上に♪ たか~り~♪ な~がら♪」
聞かれたらいろいろアウトな歌を口ずさむミモザ殿下に対してモモは突っ込んだ。
「ミモザ殿下。アンタ、王子の頃は王族でなく平民で自由に生きたいとかほざいてたが。現在の本音はヒモかよ!? 昔からわりかしヒモだったけどな!」
「戯れの歌だよ。モモ、聞き流しておくれ」
ミモザ殿下は口角下げた澄ました顔でモモに書簡を渡した。
「これで正式に隣国は我が国の属国となる。クリス・バティスト王の勅命書に調印したから王妃たちも文句はいえまい?」
「ミモザ殿下? こうなるって予想してたのかよ?」
モモが念のために訊ねるとミモザ殿下は口角を上げて微笑んだ。
かくして、保険金殺人を企てたクリス・バティスト王の家族は失脚して、隣国の統治権はダイアナ女王――そして、ミモザ殿下のものとなった。
変態観測を作詞作曲しても、姉上のスネをかじりたいと歌っても仕事は完璧なミモザ殿下の勝利である。
クリス・バティスト王はその後もコクトーが運営をする東宮でマジ居候して平穏に暮らした。
【続く!】
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