きらきら星

寿里~kotori ~

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きらきら星

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もう二度と言わないと決めている言葉がある



その日は遊ぶ約束してた友達に用事ができちゃって暇をもてあました僕は何となくピアノ教室に通う姉に付いていったのだと朧気な記憶をたどってみる。

姉は僕より6歳上の中学生でわりかし年の離れた弟の僕を可愛がり、姉弟喧嘩とかもなく、もしかしたら姉の方が暇なら来ればと誘ってくれたのかもしれない。

僕は優しい姉の奏でるピアノが大好きだったので喜んでピアノ先生の家まで姉とお喋りしながら歩いた。

「アキネちゃん、黒鍵ひく?」

「黒鍵のエチュード?ハルはあれが好きね」

「うん!流れ星みたいだから」

僕の思ったまんまの答えに優しく笑う姉の表情は暖かく和かな日溜まりのような安心感を与えてくれる。

僕の両親は少し変わっていて冬生まれの僕を「胡春(こはる)」と名付け、夏生まれの姉には「秋音(あきね)」である。なので僕は秋音姉ちゃんと小さい頃は上手く言えず「あきねねねちゃん」とか間違えるので姉はそんな幼い弟が可愛かったのか僕が秋音姉ちゃんを省略して「アキネちゃん」と呼ぶようになっても許している。

「先生のお家に着いたら騒いじゃダメよ。静かに椅子に座ってること。いいわね」

「わかった!」

そう僕が返事をしたところで姉が師事するピアノの先生の家に到着して姉は弟も連れてきたと先生に説明すると姉と同じように穏やかそうなピアノの先生は嬉しそうに手をたたくと姉のレッスンを始める前にピアノのある部屋を出ていき誰かを呼びに行ってしまった。

姉も予想外だったらしくふたりで首を傾げて顔を見合わせていると先生は誰かと会話しながら笑顔でレッスン室に戻ってきたが先生のすぐ後ろに控えて不審そうにこちらを見ている男の子に僕の目は完全に奪われた。

凄く綺麗な子・・・肌の色がなめらかに白くてお人形みたいだ・・・!!

「待たせてごめんね。私の友達の推薦で音楽教育のためにうちで預かることになったの。こちらは私の教え子で藤波秋音さんと弟の胡春くん。貴方も御挨拶なさいな」

ピアノの先生に明るく促された少年は初対面の僕と姉に一切の笑みを見せずそっけなく答えた。

「葉蘭(イエ・ラン)・・・9歳」

僕と同い年だとなんだかとっても嬉しくなり思わずニコリと微笑みかけたら葉蘭と名乗った少年は一瞬だけ目を瞬くと再び不機嫌そうに下を向いてしまった。

「蘭はまだ少し日本語が不自由なの。お父さんが中国人でお母さんは日本人よ。蘭のレッスンは終わったから胡春くん、遊んであげてね」

そう笑って僕と蘭を部屋の外に出すとピアノの先生は姉のレッスンを開始した。

部屋の外に取り残された僕に蘭は面倒くさげなため息をつくと僕と喋ることもなく家の階段の方に歩き部屋に戻ってしまいそうな様子だったので僕は慌てて追いかけて声をかけた。

「遊ぼう!僕も9歳で同い年なんだ!」

「だから?俺は遊びたくない。消えろ」

全く遊ぶ意思が皆無らしい蘭が階段をのぼりかけたので僕は生まれて初めて「消えろ」と呼ばれたことに衝撃を受けるより、そう言いはなった彼の黒い瞳が深い海のように青みをおびていてウッカリその美しさにぽーっとなってしまい言葉の暴力によるダメージが届かなかった。

「遊ぶNOなら話すOK!?マイネームイズ・・・」

「意味わからない言葉やめろ。お前の日本語くらいわかる。レッスン中にうるさくするな。フラフラされても邪魔だから、さっさとこい。コハル」

名前を呼んでもらえたことに感激して喜んで蘭の自室らしい部屋に付いていくと部屋のなかは楽譜と本が沢山ある他は飾り気なくゲームや玩具など娯楽要素は皆無だ。

「あっ!ショパンだ!?すごい、もうこれ弾けるの?」

興味津々に教本や楽譜を見詰める僕に蘭は少し警戒を解いたのか、わずかに口角をあげると言った。

「弾けると奏でるは違う。コハルのお姉さんのピアノは好きだ。聴いてると安心する」

「そう!そうだよ!!アキネちゃんのピアノは上手だし、僕がせがむと色んな曲を弾いてくれるんだ!」

姉を誉められたことが嬉しくて勢いよく喋る僕の姿を蘭は何となく寂しげな顔で聞いていたが、そのうち納得がいったように視線を背けた。

「恶心・・・」

ポツリと言った言葉が上手く聞き取れず首を傾げる僕に蘭は瞳を伏せたまま黙ってしまったので思いきって聞いてみることにした。

「君と友達になっていい?僕も蘭って呼んでいいかな?ピアノ弾けないけど中国語は勉強するから!」

彼にとっても思いがけない言葉だったらしく蘭は不思議そうに僕を見ると逆に訊ねてきた。

「いいけど・・・なんでコハル、俺といたがる?変なヤツ」

「よかった~嫌がられるかと思った。よろしく蘭。同い年だけど学校一緒になるかな?」

「ならない。俺はインターナショナルスクール通ってる。日本の学校キライ・・・思い出すのヤダ」

どうやら凄く嫌な思い出があるらしく唇を尖らせる蘭に僕は引き寄せられるように形の良い唇に軽く触れてキスをしてしまったので仏頂面だった蘭も流石に驚いたらしく大きく瞳を瞬き呆気にとられた風に僕を見た。

「コハル正気か?いきなり、何してる」

「前にアキネちゃんが言ってた。唇を見てキスをしたくなるような恋がしたいって」

「アキネのことはいい。コハルとは友達になった。なのに、その直後にキスしてくる。お前、意味わからない」

本気でわからないらしい蘭が首をひねるので僕はこの際、本音でいこうと再びお願いした。

「実は僕、蘭のこと好きなった。でも、いきなり恋人になってって言う勇気なくて友達にしたけど恋人になりたい」

僕なりに真剣にお願いしたつもりだったけど蘭はキョトンとした表情をしたと思ったら急にクスクス笑いだし、その表情はなんとも可愛くてずっと見ていたいと凝視していたらようやく笑いをおさえた蘭が笑顔でひとこと

「凛一・・・我想见你」

「えっ?なんて言ったの?」

焦る僕に蘭はイタズラするようにニヤリと笑うとさらに続けた。

「跟你没关系」

どうやら、とても大切な言葉を中国語で言っていたようだが、その後も蘭は何か照れ臭いことを言うときは決まってわざと中国語を口にした。あのとき・・・ずっと警戒して仏頂面だった蘭が年相応に無邪気に笑い言った言葉は僕には聞き取れず彼も生涯2度と口にしてくれることはなかった。

レッスンが終わった姉と一緒に家に帰る途中で僕は真っ先に大好きな姉に報告した。

「蘭がすごくキレイで可愛いからキスして恋人になったよ!」

弟の衝撃的報告にも姉は優しく頷きながら少し声をひそめて言った。

「よかったね。先生が少し心配してたの。葉くんは・・・その、あまり御両親の関係がよろしくないみたいで寂しい思いをしてるって」

「お父さんとお母さんが仲悪いの?」

「そうみたいね。だからハルと仲良くなれたなら良かった。先生がまたいらっしゃいって」

姉はそれだけ言うと少し落ち込んだようにフゥとため息を吐いた。

「葉蘭くんは私が一生懸命に練習して弾けるようになった難しい曲が全部弾けるの。まだハルと同じ9歳なのに天才ってほんとにいるのね」

蘭にそこまでの才能があることは自室にあった楽譜などで薄々わかってはいたが僕はなんだかシュンとしてる姉を励ましたくて咄嗟に蘭が言っていた言葉を思い出した。

「弾けると奏でるは違う・・・アキネちゃんのピアノが蘭は好きだって。僕も大好きだよ」

「ありがとう・・・人と比べても仕方ないね」

ようやく笑顔に戻った姉に安心して僕はお腹すいたので早く家路に急ごうとしたら姉が内緒話するように耳元に近づてきた。

「今度、葉くんをうちに呼ぼうか?きっと、お母さんも喜ぶから」

「いいね!よぼう、よぼう!!」

こんな無邪気な会話をしていた僕は9歳のほんの子供で姉も15歳と僕よりずっと大人に見えてたけど、まだまだ子供だった。

だから気づかなかったのだ

楽才に秀でた神童・・・葉蘭にある眩い光と、その真逆の常闇の深さに


・・・・・・🌠

月日は流れて僕は中学生になり、姉は音大生になった。

蘭もインターナショナルスクールに通いながらコンクールや演奏会に出るようになり忙しそうだが僕は構わず蘭に付きまとい続けていた。

めげずに付きまといをしているうちに蘭はときたま気まぐれに僕の話に笑ったり、家に遊びにきてくれる。

御両親は離婚してしまったらしく、どちらも別の家庭が出来てしまったので蘭の後見人はピアノの先生がなり引き続きピアノ教室で暮らしているが蘭は予め予期していたらしくショックも受けてなさそうだった。

「母さんは父さんが大金持ちだから結婚したんだ。だけど愛に国は関係ないはずもなく中国に馴染めず、出てくとき父さんやその親戚が日本の血の入った子供なんていらないから連れて出ろと言われて渋々、俺を連れてきた。だけど新しい男ができたから邪魔になって親戚に押しつける気でいた」

中国で生まれ幼年期を中国で過ごした蘭はまったく日本の小学校に馴染めずカタコトの日本語をからかわれたりしたせいで学校ではひとことも話せなくなり暇さえあると音楽室のピアノを弾いていたが、その演奏の巧みさは廊下を歩く児童や教師の耳に届き、蘭がピアノを奏でると自然と人だかりができるようになった。

運命が変わったのは授業参観だった

当然、蘭の母は来ないが放課後、暇だった蘭は教室から離れた音楽室でいつも通りピアノを弾いていたところ突如、音楽室の扉が勢いよく開き知らない中年女性が入ってきた。

うるさいから注意しにきたのかな?

そう思ってピアノを弾く手をとめた蘭に女性は息を整えるとニッコリ笑い、演奏をもっと聴かせてと言ってきたので意外に思いつつ演奏して、ひとくぎりついて鍵盤から手を離すと女性は熱い拍手をしている。

「素晴らしいわ!!うちの子が音楽室でよくピアノを弾いてる男の子がいるって話していて是非会ってみたかったの!ねぇ、君はピアニストになるべきよ!!どんな先生に師事しているの!?」

矢継ぎ早に訊かれて蘭は女性になんとか日本語で中国にいたとき習っていたが今は習っていない。中国と日本のハーフで日本語がまだうまく話せないと伝えた。

「先生がいないなら好都合よ!私の音大の友達がピアノ教室をしてるから!!いい先生だから習いなさい」

興奮してまくしたてる女性に蘭が困っていたとき苦笑しながら高学年らしき背の高い少年がソッと入ってきた。

「お母さん、あんまり早口だと葉くんは聞き取れないよ。ごめんね、俺がお母さんに葉くんのことを話したんだ。俺も凄く上手だと思うし音楽室からピアノの音がするとコッソリ聴いてた」

少年がゆっくりわかりやすく喋ってくれたお陰で蘭は自分が誉められていることピアノを再び習うことを勧められているとようやく理解したのだ。

「うれしーけど、ママ愛人いる。親戚のとこに行け言われた」

だからピアノは無理と説明しようとしたら少年の母親は憤慨したらしく顔を真っ赤にして再びまくしたてはじめたので少年が止めようとしたが無駄であった。

「そんな勝手な話がありますか!!葉蘭くん、貴方さえよければ親元から離れてみない?自分の人生よ・・・貴方が決める権利がある!」

自分で決める権利・・・中国では日本の血を陰で嫌がられた。日本では同じような姿形でもカタコトの自分はからかいの種だった。

でも、音楽なら・・・ピアノなら生まれた国も慣れない日本語も関係ない。魔法みたいに自由になれる・・・こんな風に自分をバカにせず話しかけてくれる人達と出逢える!

「ピアノつづけたい」

自然とそう答えた蘭に少年とその母親は嬉しげに微笑むと深く頷き少年が蘭の座っている椅子のそばに寄ってきた。

「一緒に弾こうよ!きらきら星なら少し弾けるから」

「いーよ・・・名前なに?」

「志儀凛一(しぎ りんいち)よろしく」

こうして志儀親子の登場で蘭は紆余曲折の末に母親から離れて志儀の親友でもあるピアノ教師の家に預けられ指導を受けることになり、唯一友達になった日本人の凛一と喋るうちにカタコトからどんどん日本語が上達したが6年生の凛一が卒業後は寮のある私学に行ってしまうと知り、やはり日本の学校ではなくインターナショナルスクールに通うこととなった。

「寮に行っても逢える?」

べそをかく蘭に凛一は朗らかに笑うとティッシュを差し出した。

「遊びに来ればいいよ。海が近くのいいところだから。俺はいつでも蘭を応援してる」

小さい子をあやすように頭を撫でてくれる凛一に蘭は消え入るような声で呟いた。

我爱你・・・

どこかで賑やかに騒ぐ声が聞こえ蘭の告白は届くことがないまま凛一は卒業して海の見える素敵な学校とやらに行って、そのまま蘭の前から姿を消した・・・

ちょうど蘭がインターナショナルスクールに通い初めて間もなく志儀凛一は星になってしまった。

海に溺れた同級生を助けようとして自分が溺死したのだ。

「アイツ嘘つき・・・いつも俺を応援してるって約束したクセに」

志儀凛一が死んだのは僕が蘭に出逢う数ヶ月前だったらしい。お葬式で見た凛一少年の死に顔は溺れて苦しみ死んだとは思えぬほど安らかで優しく蘭はもしかしたら寝ているだけで呼びかければ起きるのではと錯覚し何度も呼びかけたが当然だが瞳が二度と開くことはなかった。

なんで俺の大切なものは消えるの!?

「ありがとうもさよならも言ってやらない!!結局、友達も死んだ・・・なんで俺をおいて知らないヤツと死んだんだよ!!凛一のバカ野郎!!」

思春期になり多忙になってきた蘭は精神的に不安定になると僕の傍で何回も何回も死んでしまった初恋の男の子の話をして自分をおいて死んだと罵倒して号泣しだす。

僕はそんな蘭の背中をさすり何も言わずひたすら悲しみの発作がおさまるのを待ち続ける。

一度だけ(彼は今でも星になって蘭を見てるよ)と慰めようとしたら本気で殴り飛ばされた。

「知りもしないで軽々しく言うな!!アイツは優しい顔のまんま焼かれて骨になったんだ!!骨のサリサリした音が今も聴こえる!!」

泣きながら僕を蹴り飛ばす蘭の涙を見て二度ときやすめは言うまいと誓った。


そうして一連の悲しみの発作の最後に必ずとり憑かれたかのようにきらきら星変奏曲を弾きはじめる。

そうするとようやく心が落ち着く流れになっていた。

曲を弾き終えて黙る蘭に僕は決まってこう声をかける

「僕と一緒にいてよ・・・蘭」

押し黙る蘭の黒髪を撫でながら泣きたいのを我慢して微笑む僕に彼は僕の手を振り払うとこう応える・・・

看到你就觉得恶心!・・・お前を見てると吐き気がする!

毎回、同じことを言われてる・・・

でも、何度でも言うよ。凛一さんがきっと伝えたかったことだろうから

蘭・・・どんなに苦しくても人生は素晴らしいよ。生まれてきて良かったって・・・思える日がきっとくるから

そう思いながら僕は目の前の繊細な少年ピアニストを抱きしめキスをすると蘭はあの青みをおびた美しい瞳を再び潤ませ少し笑い呟いた

「コハルはやっぱり変なヤツだ」

「そうかも・・・蘭の性格が最悪なのと一緒だよ」

あと4回冬がこようと何百回こようと同じだ

生涯、僕の心は蘭のものだから安心して泣いて、罵倒して最後は笑えばいい

それが僕のきらきら星だから


end

















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