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3人目のイリス
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エドガー・イリス・シルバーは習慣的に都で暮らす兄ミシェルたち家族に手紙を書いて送っている。
名門シルバー家の子弟なのにバカチン過ぎて異母弟リンが嫁いだラン・ヤスミカ領で悠々ニートライフをしているエドガーは基本的にヒマ人である。
エドガー自身は愛読しているNTRものエロ小説を嗜んだり、領民会館の【恋ばなサークル】に参加したり、晴れて恋人同士となったラン・ヤスミカ家別邸の執事シオンのあとを付け回したり多忙と感じているが、ハッキリ言える。
心優しいユーリや兄を心底慕うリンは、何も言わないがエドガーの生活は優雅だがヒマ人のそれであった。
「おい!エドガー!邪魔だ!おとなしくエロ小説でも読んでろ!このクソヴァカ!」
本来は礼儀正しいシオンはエドガーと成りゆきで恋仲となり、関係が深まるうちにエドガーに対してもはや暴言を放っている。
ミシェルの愛人であるモモがスカウトしただけありシオンの暴言も相当にこなれている。
そんなわけでユーリとリンが主人であるラン・ヤスミカ家別邸には常にエドガーにキレるシオンの怒声がこだましている状態となった。
「前よりシオンが元気になってなによりですね?」
執事が自分の異母兄にぶちギレて怒鳴っていてもリンはまったく気にとめない。
そして、ユーリも同様であった。
「そうだな。メンタル崩壊した時はどうなるか心配したがシオンはメンタル崩壊して、良い意味で弾けてる!」
シオンの過去を語ると長くなるが直近の出来事では、リンが調合した媚薬を誤飲してしまいエドガーを誘惑してセックスして正気に返ったあとにベッドで嘔吐しまくりメンタルがイカれた。
執事としては優秀なシオンだが結構な爆弾でトラブルメーカーである。
今はメンタルのイカれが一周まわって回復したのでバリバリ働いているが、エドガーの付きまといに激怒する毎日を送っている。
「都では王女様が従弟の王子様と婚約だろ?なんか……雲の上の話みたいだな」
貧乏没落貴族の次男であるユーリからしたら都の名門大貴族であるシルバー家の庶子リンが嫁に来たのも奇跡のような話だ。
リンはミシェルやエドガーとは腹違いの弟なので父親に半ば厄介払いされたのだが、こうしてラン・ヤスミカ家でユーリと暮らせて幸せだと実感している。
「ダイアナ王女様はミシェル兄上からラン・ヤスミカ領の話を聞いて、いたく興味を示しているとのことです。もしかしたら、新婚旅行でラン・ヤスミカ領にいらっしゃるかも!?」
冗談まじりに微笑むリンにユーリが笑うとエドガーがひょっこり姿を現した。
「シオンに斧で頭をかち割られたくなければ消えろと言われてな……」
頭を割られてはかなわんと優雅な仕草で椅子に座るエドガーに、いっそ割られた方がバカチンが治るのではと突っ込む人間はここには存在しない。
リンが淹れた紅茶を丁寧な作法で飲んでいるエドガーにユーリはダイアナ王女とミモザ王子の婚約の話題を出してみた。
「リンが新婚旅行で王女様と王子様がここに来るかもなんて冗談を言ってて!」
いくらなんでも、それはないですよねとユーリが言おうとしたらエドガーは真顔で告げた。
「そのことか。ダイアナ王女とミモザ王子はここにご滞在されるだろう」
……え?
またエドガーのバカチンがエスカレートしたのかとユーリは思ったがそうではなかった。
エドガーは美しい書簡を衣装から取り出して何気なくのたまった。
「私は秘密裏にミモザ王子と文通する仲でな。ミモザ王子に新婚旅行はラン・ヤスミカ領を訪れるべきと何度も書いておいた」
「ええ!王子と文通!?エドガー義兄上が!?」
ユーリは仰天しているがリンは落ち着いた様子で紅茶を飲みながら言った。
「さすがにモモもミシェル兄上も父上も知らないですよね。私が調査した国境付近の内情をエドガー兄様を介してミモザ王子に報告しているなんて」
リンは実家以外にミモザ王子にも国境付近の情勢を報告していたのだ。
ダイアナ王女とミモザ王子は婚礼後は国内を周遊する予定だが御忍びでラン・ヤスミカ領にも滞在する。
「そんな!マジかよ!?王家の方々がうちに滞在なんて!」
さすがに狼狽するユーリにリンは心配ないですと微笑みかけた。
「ミモザ王子はエドガー兄様の手紙でラン・ヤスミカ家の内情はご存知なのでドン引きはしません」
むしろ楽しみにしておいでのようですよ、とリンに告げられてユーリはこれは本当にダイアナ王女とミモザ王子がラン・ヤスミカ領に来るのだと実感させられた。
「まあ、でも……婚礼はまだ先だし、ご到着前に絶対にモモ殿かミシェル義兄上かシルバー家の当主様が連絡してくれるよな?」
だいぶ先の話だし何とかなるだろうと楽観的に考えるユーリに対してエドガーは爽やかに告げてくれた。
「その件なのだが。ミシェル兄上が教えてくれた。国境付近の動きが気になるから、ミモザ王子のみ、御忍びでラン・ヤスミカ領へと出立された。モモだけをお供に」
馬を走らせて来るから近々到着するだろう、と呟きながら優雅に紅茶を嗜むエドガーの姿を見て、ユーリは今度こそ青ざめた。
「は?婚礼を控えた王子様が近くここに来ると?」
「エドガー兄様!ミシェル兄上からミモザ王子御出立の報告はいつ来たのですか?」
なんだかワクワクしている表情のリンに向かってエドガーはイケメンフェイスで言ったのである。
「1月ほど前だ。忘れていた」
王子様が御忍びで来るなんて大報告を1ヶ月も忘れるな!
ユーリはすぐに父上や兄上に報せなければと椅子から腰を浮かしたほぼ同時であった。
「モモ!?なんだよ!久しぶりだな~!ミシェル様はいないのか?一緒にいる男の子はミシェル様の新しい愛人か!?」
シオンのすごく嬉しそうな声が聴こえる。
このことでユーリは悟った。
来ちゃった……。
次期女王陛下の夫君となるミモザ王子が来ちゃった。
おもてなしの用意なんて全然していないのに、慌てるユーリをよそに外からはじめて聞く少年の凛とした声がする。
「そなたがシオンか?モモからいつも話は聞いておる。僕の名はミモザ。断じてミシェルの愛人ではない」
どうやら本当に王家のミモザ王子がやって来たらしい。
今さら豪華な歓迎なんて無理なのでユーリはリンを伴って出迎えに行った。
「まあ、何とかなるだろう」
「そうですよ!モモ!久しぶり!ミシェル兄上はお元気か?お義母様やシンシア姉上やジャンヌ姉様は!?あとシェフのルドルフ!」
クロード親父の健康状態にはまったく触れないリンの頭をコツンと小突くとエドガーが悠然とした態度でユーリたちの前を歩き静かに平伏した。
「お久しゅう存じます。ミモザ王子。ご壮健でなによりです」
「久しぶりだな。エドガー。そして……ラン・ヤスミカ家のユーリ殿。急な来訪を許しておくれ。しばらくはモモの友人として滞在を願いたい」
つまり王子として扱うなと暗に伝えている目の前の理知的で一筋縄ではいかなそうな少年ミモザに対してユーリはひざまづくのを抑えて最低限の礼をした。
「承知しました。モモ殿の御友人としておもてなしいたします」
「話がはやくて助かる。モモ。ミシェルも一緒が良かったか?」
「はぁ!?そんなことねーし!アイツだってそれなりに忙しいからな!」
相変わらずツンデレなモモが懐かしいのかリンは場を考えずモモに抱きついた。
「おかえり!モモが来てくれて嬉しい!ところでミモザ王子のことはなんて呼べばいいの?」
声を潜めるリンにミモザがクスクス笑うとふとシオンを見て言ったのだ。
「ユーリ殿。リン。エドガー。シオン。ここでは僕の名前はイリスとしてくれ。ミモザではなく、イリス、だ」
こうして婚礼前のミモザ王子もといイリスはモモを伴って唐突に国境付近の田舎ラン・ヤスミカ領にやって来た。
果たして何を企んでいるのか?
それはまだユーリにはてんで分からないことであった。
end
名門シルバー家の子弟なのにバカチン過ぎて異母弟リンが嫁いだラン・ヤスミカ領で悠々ニートライフをしているエドガーは基本的にヒマ人である。
エドガー自身は愛読しているNTRものエロ小説を嗜んだり、領民会館の【恋ばなサークル】に参加したり、晴れて恋人同士となったラン・ヤスミカ家別邸の執事シオンのあとを付け回したり多忙と感じているが、ハッキリ言える。
心優しいユーリや兄を心底慕うリンは、何も言わないがエドガーの生活は優雅だがヒマ人のそれであった。
「おい!エドガー!邪魔だ!おとなしくエロ小説でも読んでろ!このクソヴァカ!」
本来は礼儀正しいシオンはエドガーと成りゆきで恋仲となり、関係が深まるうちにエドガーに対してもはや暴言を放っている。
ミシェルの愛人であるモモがスカウトしただけありシオンの暴言も相当にこなれている。
そんなわけでユーリとリンが主人であるラン・ヤスミカ家別邸には常にエドガーにキレるシオンの怒声がこだましている状態となった。
「前よりシオンが元気になってなによりですね?」
執事が自分の異母兄にぶちギレて怒鳴っていてもリンはまったく気にとめない。
そして、ユーリも同様であった。
「そうだな。メンタル崩壊した時はどうなるか心配したがシオンはメンタル崩壊して、良い意味で弾けてる!」
シオンの過去を語ると長くなるが直近の出来事では、リンが調合した媚薬を誤飲してしまいエドガーを誘惑してセックスして正気に返ったあとにベッドで嘔吐しまくりメンタルがイカれた。
執事としては優秀なシオンだが結構な爆弾でトラブルメーカーである。
今はメンタルのイカれが一周まわって回復したのでバリバリ働いているが、エドガーの付きまといに激怒する毎日を送っている。
「都では王女様が従弟の王子様と婚約だろ?なんか……雲の上の話みたいだな」
貧乏没落貴族の次男であるユーリからしたら都の名門大貴族であるシルバー家の庶子リンが嫁に来たのも奇跡のような話だ。
リンはミシェルやエドガーとは腹違いの弟なので父親に半ば厄介払いされたのだが、こうしてラン・ヤスミカ家でユーリと暮らせて幸せだと実感している。
「ダイアナ王女様はミシェル兄上からラン・ヤスミカ領の話を聞いて、いたく興味を示しているとのことです。もしかしたら、新婚旅行でラン・ヤスミカ領にいらっしゃるかも!?」
冗談まじりに微笑むリンにユーリが笑うとエドガーがひょっこり姿を現した。
「シオンに斧で頭をかち割られたくなければ消えろと言われてな……」
頭を割られてはかなわんと優雅な仕草で椅子に座るエドガーに、いっそ割られた方がバカチンが治るのではと突っ込む人間はここには存在しない。
リンが淹れた紅茶を丁寧な作法で飲んでいるエドガーにユーリはダイアナ王女とミモザ王子の婚約の話題を出してみた。
「リンが新婚旅行で王女様と王子様がここに来るかもなんて冗談を言ってて!」
いくらなんでも、それはないですよねとユーリが言おうとしたらエドガーは真顔で告げた。
「そのことか。ダイアナ王女とミモザ王子はここにご滞在されるだろう」
……え?
またエドガーのバカチンがエスカレートしたのかとユーリは思ったがそうではなかった。
エドガーは美しい書簡を衣装から取り出して何気なくのたまった。
「私は秘密裏にミモザ王子と文通する仲でな。ミモザ王子に新婚旅行はラン・ヤスミカ領を訪れるべきと何度も書いておいた」
「ええ!王子と文通!?エドガー義兄上が!?」
ユーリは仰天しているがリンは落ち着いた様子で紅茶を飲みながら言った。
「さすがにモモもミシェル兄上も父上も知らないですよね。私が調査した国境付近の内情をエドガー兄様を介してミモザ王子に報告しているなんて」
リンは実家以外にミモザ王子にも国境付近の情勢を報告していたのだ。
ダイアナ王女とミモザ王子は婚礼後は国内を周遊する予定だが御忍びでラン・ヤスミカ領にも滞在する。
「そんな!マジかよ!?王家の方々がうちに滞在なんて!」
さすがに狼狽するユーリにリンは心配ないですと微笑みかけた。
「ミモザ王子はエドガー兄様の手紙でラン・ヤスミカ家の内情はご存知なのでドン引きはしません」
むしろ楽しみにしておいでのようですよ、とリンに告げられてユーリはこれは本当にダイアナ王女とミモザ王子がラン・ヤスミカ領に来るのだと実感させられた。
「まあ、でも……婚礼はまだ先だし、ご到着前に絶対にモモ殿かミシェル義兄上かシルバー家の当主様が連絡してくれるよな?」
だいぶ先の話だし何とかなるだろうと楽観的に考えるユーリに対してエドガーは爽やかに告げてくれた。
「その件なのだが。ミシェル兄上が教えてくれた。国境付近の動きが気になるから、ミモザ王子のみ、御忍びでラン・ヤスミカ領へと出立された。モモだけをお供に」
馬を走らせて来るから近々到着するだろう、と呟きながら優雅に紅茶を嗜むエドガーの姿を見て、ユーリは今度こそ青ざめた。
「は?婚礼を控えた王子様が近くここに来ると?」
「エドガー兄様!ミシェル兄上からミモザ王子御出立の報告はいつ来たのですか?」
なんだかワクワクしている表情のリンに向かってエドガーはイケメンフェイスで言ったのである。
「1月ほど前だ。忘れていた」
王子様が御忍びで来るなんて大報告を1ヶ月も忘れるな!
ユーリはすぐに父上や兄上に報せなければと椅子から腰を浮かしたほぼ同時であった。
「モモ!?なんだよ!久しぶりだな~!ミシェル様はいないのか?一緒にいる男の子はミシェル様の新しい愛人か!?」
シオンのすごく嬉しそうな声が聴こえる。
このことでユーリは悟った。
来ちゃった……。
次期女王陛下の夫君となるミモザ王子が来ちゃった。
おもてなしの用意なんて全然していないのに、慌てるユーリをよそに外からはじめて聞く少年の凛とした声がする。
「そなたがシオンか?モモからいつも話は聞いておる。僕の名はミモザ。断じてミシェルの愛人ではない」
どうやら本当に王家のミモザ王子がやって来たらしい。
今さら豪華な歓迎なんて無理なのでユーリはリンを伴って出迎えに行った。
「まあ、何とかなるだろう」
「そうですよ!モモ!久しぶり!ミシェル兄上はお元気か?お義母様やシンシア姉上やジャンヌ姉様は!?あとシェフのルドルフ!」
クロード親父の健康状態にはまったく触れないリンの頭をコツンと小突くとエドガーが悠然とした態度でユーリたちの前を歩き静かに平伏した。
「お久しゅう存じます。ミモザ王子。ご壮健でなによりです」
「久しぶりだな。エドガー。そして……ラン・ヤスミカ家のユーリ殿。急な来訪を許しておくれ。しばらくはモモの友人として滞在を願いたい」
つまり王子として扱うなと暗に伝えている目の前の理知的で一筋縄ではいかなそうな少年ミモザに対してユーリはひざまづくのを抑えて最低限の礼をした。
「承知しました。モモ殿の御友人としておもてなしいたします」
「話がはやくて助かる。モモ。ミシェルも一緒が良かったか?」
「はぁ!?そんなことねーし!アイツだってそれなりに忙しいからな!」
相変わらずツンデレなモモが懐かしいのかリンは場を考えずモモに抱きついた。
「おかえり!モモが来てくれて嬉しい!ところでミモザ王子のことはなんて呼べばいいの?」
声を潜めるリンにミモザがクスクス笑うとふとシオンを見て言ったのだ。
「ユーリ殿。リン。エドガー。シオン。ここでは僕の名前はイリスとしてくれ。ミモザではなく、イリス、だ」
こうして婚礼前のミモザ王子もといイリスはモモを伴って唐突に国境付近の田舎ラン・ヤスミカ領にやって来た。
果たして何を企んでいるのか?
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