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1章 最弱のドラゴン
果てなき絶望
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また、再生される。
何度も何度も。どれだけバラバラにされても。
魔物の中には高度な知性を持ち、魔法や戦術を操るものがいる。人型に近いものは、人語を解する者もいるという。知られてはいないが、ミニドラもまた知性持つ魔物である。
ミニドラには食事も睡眠も必要ない。逆にそのすべての時間を他の生物から逃げ続けることにかけなくてはならない。
武器さえ持っていれば10歳にも満たない少年にも打ち取られてしまう。これは魔物でもない単なる動物にもミニドラはかなわないということに他ならない。
ミニドラの存在値を得られるのは何も人族だけではない。魔物、動物、はたまた魚まで。ミニドラの息の根を止めたものは例外なく大きく成長することができる。それもほぼノーリスクでだ。ミニドラが安心できる時間などただの一時もない。
そしてミニドラは、殺されても終わることができないのだ。
彼は数えきれないほど殺されてきた。抵抗してもしなくても、必死に言葉を覚えて懇願しても、彼を見つけたものは例外なく彼の命を奪おうとする。そして倒れ伏し、自分の根源から力が引き抜かれていく恐怖と、それが終わるともうすぐ訪れる再生に絶望する。いっそ狂ってしまえたら楽なのに、それすら許されない。ただひたすら殺されるためによみがえる。
今回もまた、終われなかった。
そして次の死もまたすぐそこに迫っていることを感じていた。
男は木からおり、ミニドラのほうへ向かってきた。男との力の差は歴然で、逃げ出そうとしても二歩目を踏み出す前に捕らえられるだろう。それほどにこの男は強い。その手に持つ黒い刀身の剣で自分を倒してさらに強くなるのだろう。
確実にとどめを刺すためか、男は武器を持たないほうの手を伸ばしてミニドラをつかんだ。
今回はせめて一息に殺してくれますように。
そう願い目を閉じた。しかし次の瞬間、ミニドラは驚きに目を見開く。
「お前、意思があるのか。」
男は殺すのではなく、話しかけてきた。混乱、驚愕、恐怖、そしてほんのわずかな期待。
「落ち着け。お前、私の言葉は理解できるのか。」
――理解?できるとも。かつて私は文字通り死に物狂いでお前たちの言葉を学んだ。それを後悔したことも数知れない。言葉が理解できれば、意思の疎通が図れればこの苦しみに終わりが訪れると希望を持ち、そしてそれが無駄だったとわかったとき。彼らが我らをどんな目で見ているのかをより深く刻み込まれるだけだった!――
ミニドラからはとめどなく嘆きの言葉が流れ出す。吐き出すこともできずつもりに積もった絶望が、聞き手を得て一気にあふれ出す。意思疎通ができるのならばまず命乞いをするべきはずなのに。こんな風に感情をぶつけたら、いらだった男が彼を殺すかもしれないのに。
しかし男は彼の悲鳴のような嘆きに黙って耳を傾けていた。
それをいいことにミニドラは叫んで叫んで叫んで叫んだ。
吐き出しきってミニドラの思考に空白ができると、彼はぽつりとつぶやいた。
「…すまない。」
たった四文字。しかし枯れはててひび割れたミニドラの心にその一言はしみ渡る。
―ミニドラ楽勝じゃん!弱すぎるwww―
見つかれば壊されてきた
―おいみんな!こんな機会はめったにねぇぞ!お前の兄貴も呼んでこいよ、それまでとどめは刺さねぇでやるからさ!―
いたい、くるしい
始めてミニドラを思いやる言葉を向けられ、何とも言えない感じになった。
それが「うれしい」という感情だと彼は知らない。
何度も何度も。どれだけバラバラにされても。
魔物の中には高度な知性を持ち、魔法や戦術を操るものがいる。人型に近いものは、人語を解する者もいるという。知られてはいないが、ミニドラもまた知性持つ魔物である。
ミニドラには食事も睡眠も必要ない。逆にそのすべての時間を他の生物から逃げ続けることにかけなくてはならない。
武器さえ持っていれば10歳にも満たない少年にも打ち取られてしまう。これは魔物でもない単なる動物にもミニドラはかなわないということに他ならない。
ミニドラの存在値を得られるのは何も人族だけではない。魔物、動物、はたまた魚まで。ミニドラの息の根を止めたものは例外なく大きく成長することができる。それもほぼノーリスクでだ。ミニドラが安心できる時間などただの一時もない。
そしてミニドラは、殺されても終わることができないのだ。
彼は数えきれないほど殺されてきた。抵抗してもしなくても、必死に言葉を覚えて懇願しても、彼を見つけたものは例外なく彼の命を奪おうとする。そして倒れ伏し、自分の根源から力が引き抜かれていく恐怖と、それが終わるともうすぐ訪れる再生に絶望する。いっそ狂ってしまえたら楽なのに、それすら許されない。ただひたすら殺されるためによみがえる。
今回もまた、終われなかった。
そして次の死もまたすぐそこに迫っていることを感じていた。
男は木からおり、ミニドラのほうへ向かってきた。男との力の差は歴然で、逃げ出そうとしても二歩目を踏み出す前に捕らえられるだろう。それほどにこの男は強い。その手に持つ黒い刀身の剣で自分を倒してさらに強くなるのだろう。
確実にとどめを刺すためか、男は武器を持たないほうの手を伸ばしてミニドラをつかんだ。
今回はせめて一息に殺してくれますように。
そう願い目を閉じた。しかし次の瞬間、ミニドラは驚きに目を見開く。
「お前、意思があるのか。」
男は殺すのではなく、話しかけてきた。混乱、驚愕、恐怖、そしてほんのわずかな期待。
「落ち着け。お前、私の言葉は理解できるのか。」
――理解?できるとも。かつて私は文字通り死に物狂いでお前たちの言葉を学んだ。それを後悔したことも数知れない。言葉が理解できれば、意思の疎通が図れればこの苦しみに終わりが訪れると希望を持ち、そしてそれが無駄だったとわかったとき。彼らが我らをどんな目で見ているのかをより深く刻み込まれるだけだった!――
ミニドラからはとめどなく嘆きの言葉が流れ出す。吐き出すこともできずつもりに積もった絶望が、聞き手を得て一気にあふれ出す。意思疎通ができるのならばまず命乞いをするべきはずなのに。こんな風に感情をぶつけたら、いらだった男が彼を殺すかもしれないのに。
しかし男は彼の悲鳴のような嘆きに黙って耳を傾けていた。
それをいいことにミニドラは叫んで叫んで叫んで叫んだ。
吐き出しきってミニドラの思考に空白ができると、彼はぽつりとつぶやいた。
「…すまない。」
たった四文字。しかし枯れはててひび割れたミニドラの心にその一言はしみ渡る。
―ミニドラ楽勝じゃん!弱すぎるwww―
見つかれば壊されてきた
―おいみんな!こんな機会はめったにねぇぞ!お前の兄貴も呼んでこいよ、それまでとどめは刺さねぇでやるからさ!―
いたい、くるしい
始めてミニドラを思いやる言葉を向けられ、何とも言えない感じになった。
それが「うれしい」という感情だと彼は知らない。
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