いつものように上司に罵られて辛い人生送ってたら鉄骨にぶん殴られて異世界行った話

ぷりん3号

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9話

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試験が終わってからというもの、大変なことになった。
 過保護になった人が3人。そして外に出るたび、周りの視線がすごい。

「シェイア、大丈夫か?今日休んでもいいって学長言ってたぞ」
「初日から休むのはちょっと気が引ける……」
「師匠あんまり無理しないでください!!」
「シェイアさんがまたおんなじことなるのはもうぼくいやです!!」
 2年へ進級した初日から休むのは嫌だ。僕の体がそう言ってる。でも起きるのだるい……。これはあの時の怪我のせいとかじゃなくて普通にだるい。
 でも僕が起きないと、この3人はずっと過保護になってしまう……。この異常な過保護から元に戻してあげないと……。
 僕はガバッと潜っていた毛布をひっくり返して起き上がった。
「シェイア、本当に平気か?」
「師匠無理する癖あるんじゃないですか?」
「その癖今すぐ直してください」
 無理する癖は前世の癖かなぁ……。はぁ……。あのブラックが懐かしい……。
 そういえば、この部屋に1人増えた。ルシアがルームメイトになった。あの時一緒に手伝ってくれて、先生が僕の近くにこの3人を置いておいた方がいいと思ったんだと。先生……。
 ちなみにルシアもレイズと同じ反応してた。なんか懐かしく感じたよ。
「もう十分休めたし大丈夫だよ……。多分いけ……」
 僕はベットからおりようとして踏み外しそのまま床へ倒れた。
「え‘’、ウワァァぁぁ!?!?やっぱ休めよぉぉぉぉ!!!!」
 はぁ……。ねっっむ。

こういう学校の儀式でなっっがい校長の話をするのって異世界までも共通なのかな。
 やばい……。眠い……。よく寝たと思うんだけどなぁ。なぜかわからないけどあの魔法を使ってからちょっと体がだるい。
 ちゃんと寝ても寝た気がしないし、最近だとすぐに疲れるし。いきなりあんな魔法を使ったから体が慣れてないのかなぁ。
 今はとにかく眠い。
「学年が一つ上がったことで君たちは……」
 先生の話が右から左へと流れていく。この場面なんか懐かしいな。でも今回は僕呼ばれることはないしこうやってうたた寝してても別に平気っしょ……。
「では、今学年もしっかりと頑張るように」
 先生がそう言って生徒たちがホールから出ていく。
 僕も寝ぼけながらその流れに乗る。
「シェイア、後で私の部屋まで来い」
「ぁ……、はい……」
 ……。またなんかやらかしたかな。いや、今回はやらかしたのは明らかだな。かなりの大事を……。またお叱り……。いやぁぁぁ……。
 そう思うと自然と目が覚める。確かにこれから授業がある身ではかなりありがたいが、もう少し優しいおこし方をしてほしい。
 ……もう学長室までの道覚えちゃった。普段から学長室にいくなんて多分僕だけだと思う。ほら、校長室の中入ったことある人ってあんまりいないじゃん。多分。
 僕は特に何も考えず扉をガチャっと開いた。
「やっぱそうだよな」
「師匠は学長室の常連ですからね」
「な、なんでぼく学長室になんか行かなきゃいけないんですか……?ぼくなんかやらかしました……?」
 当たり前のように学長の机の前に立っているレイズとステラ。そして学長室の隅っこで少し怯えているルシア。
 そして奥にはいつものように僕を待っている学長。
「呼ばれたのって、僕だけじゃないんですね……」
「あぁ、君以外にも話があるからな」
 なんと僕の班が全員揃っているという。確かにあれに関わったのはこの班だけども。
「では、話を始めよう」
 先生は僕が扉を閉めたのを見てから話し始めた。ルシアもこちらへやってきたが、まだ怯えていそうだ。
 まぁそうだよね。僕たちが変に落ち着いてるんだもんね。普通の反応ならルシアが大正解だと思う。
「本来なら、1人だけ呼ぶ予定だったのだがあの時の状況を見て、君たちにも来てもらった」
 先生……。僕のせいと言いたいんですね。確かにあれは僕が主犯です……。
「君たち3人はシェイアの魔法を見たのだろう?そして医務室まで運んでくれたな」
 たくさん……。ご迷惑をおかけしました……。申し訳ありません……。
先生は下を向いて心の中で反省をしている僕を呼んだ。
「シェイア、君があの騒動を起こしてから学院は盛り上がっているぞ」
「そうですね……。知ってます……」
 うん。いやほど知ってる。
「君は前にも一度問題を起こしているが、それはすぐに収まった。だが今回はかなり長続きしそうだ」
「は、はい……」
 先生は少し声色を変えて言った。
「そこで一つ提案がある」
提案……。なんだろ。
「今のままでは君はこの学院に居にくいだろう」
「そうですね……。ちょっと周りの視線が前よりすごいです」
「我が校に分校があるのは知っているか?」
「分校?あったんですか?」
 ……どうやらみんな知っているようだ。
 先生は僕を見て言った。
「この騒動の余韻がおさまるまではその分校にいるのはどうかと思ってな」
「確かにそれはすごくありがたいですけど、この3人もってことですか?」
 僕は僕の後ろにいるあの3人を見て言った。
「その3人も今回の騒動では関係者だからな」
 そっかぁ。僕のせいだぁ。
「これは強制ではないからな。君たちがしっかりと考えた上で答えを出してほしい」

 怒られはしなかったけどちょっと難しい話だったな。
 僕は先生が分校に行かせてくれるのはすごくありがたい。前の問題でなれたかと思ったけど今回のはそんな規模じゃないから。
 しばらくどこかへ行かせてくれるのは僕にとってすごく楽だし。
 でももし僕が行くってなったらあの3人も一緒に行くのかな。もし僕が分校に行ったとしたら、あの3人に迷惑かけちゃうよなぁ……。
 でもなぁ……。このまま学院にいるのもちょっと……。
「あの……、みんなはどうするの……?」
 僕はできるだけこの3人に迷惑をかけたくない。だから3人の意見を最優先したいけど……。
「シェイアが行くなら俺も行くけど」
「そうですね、師匠が行くならボクも行きます!!こいつはおいていきましょう!!」
 と言ってレイズを指差す。
「シェイアさんが行くならぼくもいきたいです!!その分校がちょっと気になるのもありますけど、ぼくはシェイアさんがまた無理をしないか見張っているので」
「じゃ、じゃぁ行くってことでいいの?でもほら家族に伝えといた方が……」
「いやもう家族にはああいうことがあったって言ってるし、そしたら分校にしばらく移動かもねって話してたし……」
「ボクも言ってました」
「ぼくの家族も言ってましたね」
 すごい。まさかの家族にまで。僕話せる自信がなくてなぁ……。なんか問題起こしたってなって心配されるのはちょっといやだったし……。
 ステラが続けて言った。
「ボクの父は分校に移動ってなんかすごそうって言ってました。ほら、飛び級みたいに」
 それはすごいのはんちゅうなのか。なんか僕の捉え方と真逆だな。
「本当にみんないいの?ほんとに?」
「大丈夫ですよ。ぼくはただシェイアさんの側に居たいだけなので」
 もっと難しく話し合いが進むかと思ったけど、意外とあっさり終わっちゃったな。
 でも、僕も家族に言わなきゃ。
 次の日に僕が学長に伝えたけど、学長も早すぎてびっくりしてた。僕ももっと話し合うと思ってましたよ。
 移動の日は来週の週末だって。その前に僕はちゃんと伝えなきゃ。
「あの、移動ってなると家族に伝えておいた方がいいですよね?僕まだ……」
「あぁ、それならすでに伝えてある」
「え‘’、い、いつからですか?」
 先生は普通に答える。
「君が中庭に雪を出現させた頃からだが」
 しっかりと伝えられてたみたいですね。よかったけど僕にも言っといてくださいよ!!

 ――週末――
もう移動の日なんて早いな。なんかあっという間だった。
 移動が決まってからは特に授業は受けてない。ていうかあっちで受けるし。分校の方は授業が始まるのが少し遅いんだって。
ちょっと気になって分校について調べてみたけど分校の方はお金持ちの学校って感じがすごかった。
 学校に庭園あるのってすごくないですか?ていうかまずいるのか?あと作りがすごい。本校もお城って感じでかっこいいけど分校はでっかいお屋敷みたいな感じですごかった。僕の家よりもすごかった。

 移動の時間になった時、外に出たら父さんと母さんがいた。
 きっとレイズたちもおんなじように来てるのかな。
「シェイア、先生から聞いたけど、体大丈夫か?!だるいとか、どこか痛いとか……」
「大丈夫だよ、もう治ってるし」
「ほ、ほんとに大丈夫だな?!」
 母さんが必死に聞いてくる父さんを止めてくれた。
 確かにあんなことがあったら心配するけど母さんの心配程度で僕は十分だよ……。父さん……。
 母さんは僕に優しく話しかけた。
「見ないうちにこんなに大きくなっていたのね。それに学院もすごく楽しくできてるって言ってたし、ちょっと問題を起こしたりしてたとは聞いたけど、母さんはシェイアが楽しく生活できているのが一番よ」
 やっぱ母さんがいると落ち着く。あの時お別れしてまたこうやって会ってるのなんか不思議だな。
 父さんが僕に言う。
「父さんと母さんとはもっと遠くに行くけどちゃんと……ちゃんと頑張るんだぞ……」
「なんで父さんが泣いてるの」
 僕が泣くかもって思ったけど父さんが泣いちゃうなんて。でもそれを見てると僕も泣きたくなってくる。
 これから馬車に乗るのに、泣いちゃったらみんなに見られちゃうじゃん……。
 いつの間にか家族全員が泣いてた。そろそろ出発する時にレイズがこちらを見ていることに気づいて僕は涙をしっかり拭った。
「そろそろか」父さんが噛み締めながら言っていた。
「ちゃんと勉強も、身の回りもこともしっかりと……」
「わかってるよ母さん」
 母さんの性格は全然変わっていないようだ。それだけで安心する。
もうそろそろ全員が乗り込もうとしている。僕は父さんと母さんを見て言った。
「じゃあ、行ってきます」
 父さんと母さんは一緒に言った。
「行ってらっしゃい」
 僕はそのまま馬車へ乗り込む。最後まで窓の方を見ながら。本当は泣き顔見られたくないって気持ちがあったけど。
 見えなくなると、懐かしい景色が見える。そういえばこんな景色もあったなって感じる。
「もしかして、泣いてた?」
 レイズの少しからかっているような声がした。
「別に」
 別に泣いてなんかないし。勘違いだし。
「シェイアさん家族みんなで泣いちゃってましたもんね」
「だから!!泣いてない!!」
「師匠目の周り真っ赤ですよ」
 僕はそう言われて目元を隠す。
「泣いてないし」
「わかったよ、泣いてないんだな」
 レイズがなだめるような声で僕に言った。
「そう!!泣いてないから!!」


 ――――分校にて――――
「え、移動?ここに?本校から?どんな問題起こしたの……?その子達……」



  
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