からすの秘密基地

からす

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キャンバス

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垂らしたインクを掌でなぶった
そこに遠慮はとうになく
ぬめる感覚は何かを失っていくようで
何かを探しているようで

頭の隅から落ちていく
垂らしたインクのその先が
いったい何を描いていようとも、
何を形作っていたとしても
そのキャンバスは私のためにある

きっとその紙の外側の
耳目を集めることはない
隣接しない世界では
どうあがいても隣人にはなれないから

ただもしも、
私のキャンバスを観測したのなら
見つけたのなら
オーイとひと声かけてはくれまいか
オーイと手を振って応えるから
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