愛されたいのに

トモ

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キャリー

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私の名前は、キャリー、ウィンストン。26歳。
4つ上に、兄がいる。貿易関係の仕事をしてるの。
名前は、デビット、クリート。

5つ下に、妹もいる。 
名前は、パメラ、クリート。
なぜ名字が違うのか。それは、私がこの国の皇太子と結婚しているから。

皇太子妃の朝は、起きてから秘書の申し送りを聞いて、1日の予定を確認。

結婚して1年。この生活にも少しは慣れた、そんな気がしてはいるの。

幸せか?そう聞かれると「はい」とはお答えできない。

なぜかって?

それは、私の生い立ちから今までの道のりが、自分で選択した人生ではないから、かなと思ってる。

キャリーが、2歳の頃から、家庭教師を雇い、毎日勉強づけの日々。

2歳の頃は、読み書き、ピアノ
3歳からは、バイオリン
4歳からは、算数、歴史
5歳以降は、上の習い事にプラス、ダンス、外国語、マナー
も追加され、学校から帰宅すると、食事と、お風呂以外は、息抜きする時間もなかった。

15歳になった頃、両親に、「たくさん習い事しているから、お友達と遊びにも行けない。月に1日だけでいいから、遊びに行かせて欲しい」そう言ったことがある。

すると母は、「そんな事言って、友達と遊ぶことにどんな意味があるの?その友達は、大人になった時、あなたの人生にどう影響する存在なの?将来のために今あなたにお金かけてあげてるんだから、感謝しなさい。遊んでいる暇はないのよ」と言われた。

父は、「人生は短いんだから、今を見ずに、将来のことだけ考えて行動しろ」そう言って部屋に戻ってしまった。

そして、5歳下の妹は、夕食の時間、「お母様、今週土曜日、お友達にガーデンパーティに誘われたから、参加していい?」と聞いた。
すると母は、「もちろんよ。友達がたくさんいていいわね」と笑顔。

キャリーは、そんなやりとりを目を細めて見ていた。

私には月に一度の休みも与えず、妹は、遊びに行って褒められる…

やるせないな。

そんな様子を兄は見向きもせずに食事を進めている

家族ってなんなんだろう。
キャリーは、毎日満たされない日々をハードスケジュールをこなしながら考えていた。

18歳の頃、両親は、「キャリー、婚約者候補に選ばれたぞ」と今時、親が結婚相手を決めてくる?
そう思いつつ軽く聞いていたら、相手は、皇太子。

いやいや、接点ないんだけど、なぜ?
そんなことを考えていたら、両親は、「この日が来るのをどれだけ待っていたか。ついに、私達の家系から皇族が誕生ね」そう言っていた。
なるほど、そんな構想があって私に厳しく接していたのか。

私のやりたい事はやらせてもらえないんだね。

キャリーは、密かに留学して、そのまま帰らない選択もあると考えていたのに。

国が相手だと、逃げられないじゃない。

そう思っていた。そして、皇太子と会う日がやってきた。
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