愛されたいのに

トモ

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皇太子

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皇太子はキャリーの2歳年上で20歳。
子供の頃から、優秀で下に4人の弟がいる。

あまり表情豊かなタイプではなく、クールな外見と、優秀さにみんなからは賞賛の眼差し。

キャリーだけは、冷めた眼差し。

そして顔合わせには、3人の皇太子妃候補がいた。

みんな優しい雰囲気の18から20歳までの女性だった。

休憩室で、3人は自己紹介をした。

キャリーが1番年下。
次が19歳で、この国の事務次官の長女
1番上の20歳の女性は、外交官の次女。

キャリーは、うちの両親、会社経営者なだけなのに、よくこのメンバーに私を入れたな?と考えた。

そして3人は仲良く話をした。

キャリーは同じ年頃の女性と話す機会が学校以外になく、寂しい学生時代を過ごしたので、とても嬉しく楽しい時間だった。

2人もとても気さくで優しい人達。

選ばれたけど2人とも、お付き合いしている男性や、好きな人がいるそうで、断る意向なんだそう。

えっそしたら、私になるんじゃ?と嫌な予感がしつつ、あの両親の思う通りにことが運ぶことを、少し面白くないなと思っていた。

そして和やかな雰囲気で過ごしていたら、皇太子の登場。

3人は、サッと立ちお辞儀をした。

皇太子は、「どうぞ、お掛けください」と言った。
そして3人の顔を見ながら、「本日は、お集まりいただきありがとうございます。婚約者候補ということで来て頂きましたが、キャリーさんとの婚約をと考えています。あとのお2人には申し訳ないですが、このままこちらにいらしてもいいですし、帰っていただいても構いません。一応1人だけに声を掛けると、周りが少々騒がしくなるため、お2人にも参加頂きました。キャリーさんとは、後ほど2人でお話しさせて頂きたいと思います。よろしいでしょうか?」と聞いてきた。

2人の候補は、「父から伺っておりましたので、本日は、これにて失礼します」そう言って、帰ってしまった。

キャリーは、なぜ自分が婚約者に選ばれたのか分からなかった。

すると、皇太子は、「なぜ、皇太子妃候補に選ばれたのか気になりますよね。実は、父から、優秀な学生がいると聞いていて、母が、社交界でも噂を聞いていたそうで、今までキャリーさんには、彼氏がいたこともない、勉強熱心で学校内の成績もトップ。真面目でやり遂げる力があるということで、私自身も昨年から気にかけていました。そして、ご両親に打診したところ、即答で了解を頂きました。キャリーさんは、この婚約いかがでしょうか?」
そう聞かれた。

キャリーは、「正直に申し上げると、婚約者候補だと思って本日参りましたので、裏で話が進んでいることも知らされず、びっくりしています。皇太子様のこともあまり存じ上げないですので、婚約の前に、何度かお会いしてお話ししてから決めてもいいでしょうか?」
と聞くと、「ご両親から、承諾書にサインを頂いているので、覆る事はないと思いますが、最終的にキャリーさんのサインも必要です。納得していただけるよう、デートしましょう」と無表情で言われた。

あー、私、結婚しても、愛されないんだわ…

そう感じた瞬間だった。とにかく今は、時間を稼ごう。そう思って、「ではまたデートの日ご連絡お願いします」

そう言って帰らせてもらおうと思っていたら、「今から第1回目のデートをしましょう」そう言って、庭に連れ出された。

あー、相手のペースだわ…前途多難
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